歯磨きを嫌がるお子様にーその原因と対策を知って、親子で笑顔の歯磨きタイム
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「どうしてうちの子どもはこんなに歯磨きを嫌がるんだろう…」
そう感じたことのあるご家庭は少なくありません。でも実は、嫌がるのは“当然のこと”でもあるのです。ここでは「歯磨きを嫌がる理由」と「具体的な対応策」をわかりやすくご紹介します。
子どもが歯磨きを嫌がる理由
「自分でやりたい!」という自我の芽生え
1歳半〜2歳ごろから「イヤ!」「自分でする!」が増える時期です。親が仕上げ磨きをしようとすると抵抗したり怒ったりするのは、ごく自然な発達の一環です。
口の中が敏感・不快
口の中(口腔)は神経がたくさん集まっていて、とても敏感な場所です。例えば、「ブラシの毛がかたい」「サイズが大きすぎる」「仕上げみがきの圧が強すぎる」などは、歯磨きを嫌がる原因になります。
また、以下のような子どもは特に敏感に反応をすることがあります。
- 一度の不快な経験で「歯磨き=イヤなもの」と覚えてしまった子ども
- 歯が生え始めで歯ぐきがむずがゆかったり、腫れやすい時期にある子ども
- 発達特性がある子どもなど
「歯ブラシが口に入るだけでイヤがる」「やさしく当てているつもりでも『痛い』と感じやすい」「顔まわりを触られること自体が苦手」といった反応もみられることがあります。
歯磨き粉の味が苦手
歯磨き粉の味や刺激が強くて、歯磨き粉を嫌がる場合もあります。
「何をされるかわからない」不安感
小さな子どもは「これから何をされるのか?」がわからないと不安になります。突然口を触られたり歯ブラシが入ってきたりすると驚き、抵抗するのも自然な反応です。
動きたい気持ちが強く、同じ姿勢を保つことを負担に感じやすい
長く同じ姿勢を保つことが負担に感じられる子もいます。寝転がったり、座っていることが苦手な場合もあります。
過去のイヤな経験の記憶
前に「無理に口を開けさせられた」「痛かった」などの記憶が残っていると、歯磨きがトラウマになっている可能性もあります。
疲れている・眠い・お腹がいっぱい
夕方以降は疲労や眠気がたまり、ちょっとしたことでも不機嫌になりがち。歯磨きも嫌がりやすくなります。
上手な対応策

「まずは子どもにやらせてみる」→ 仕上げ磨きに移行する
「自分でやりたい!」を尊重し、まずは子どもに自由に歯ブラシを持たせましょう。
その後「パパママが仕上げしようか?」と声かけすると、抵抗感が減ります。
*仕上げ用と子ども用、2本の歯ブラシを用意しておくと便利です。
道具選びを見直す
歯磨きを嫌がるお子さまには“刺激の少ない歯磨きグッズ“を取り入れてみるのも一つの方法です。お子さまのお口の大きさや成長に合った歯ブラシを使うだけで、歯みがきのしやすさがぐんと変わります。
選ぶときは、「毛がやわらかいこと」と「お口に合ったコンパクトなサイズかどうか」をチェックしてみてください。以下のようなタイプは、歯磨きに苦手意識のあるお子さまでも受け入れやすく、専門家からもよくすすめられています。
・シリコン製の歯ブラシ
→ブラシ部分がシリコンになっており、歯茎への刺激が少ないのが特長です。
→赤ちゃんの「歯固め」としても使えるような設計のものも多く、歯ブラシに慣れる第一歩にもぴったりです。
・円筒型ブラシ
→円筒状に柔らかい毛がついており、どこから当てても磨けます。
→ゴシゴシせず、なでるような感覚で使えるため、歯ブラシを嫌がるお子さまにも比較的使いやすいとされています。
・指サック型ブラシ
→大人の指にはめて使うタイプで、お口の中に歯ブラシを入れるのを怖がるお子さまにもぴったりです。
→歯ブラシというより「お口を触られること」に慣れさせるステップとして有効です。
・ジェルまたはムース状の歯磨き剤
→フッ素配合でも刺激の少ないものがあり、泡が立たずすすぎが不要なものも多い。
→味も優しいので、歯磨き剤が原因で嫌がっている場合には効果的。
親子のストレスを減らす「声かけ」と「環境調整」、「磨き方」
【声かけの工夫】
ポジティブな声かけをして楽しい雰囲気を作っていくとともに、親子のストレスを減らす工夫をいくつかご紹介します。
・「10秒だけね」「右の歯が終わったらおしまい」
→時間や範囲を具体的にすることで見通しを立てる
・「〇〇ちゃんが大きくなったね、歯もお兄さんになったよ」
→成長を肯定しつつモチベーションUP
・「終わったら○○しようね」と楽しい予定をセットで伝える
【環境の工夫】
・手鏡やスマホカメラを使って「一緒に見ながら磨く」
・親が楽な姿勢で仕上げ磨きできる椅子・クッションの準備
・音楽やタイマーを使って1〜2分、「楽しく区切る」
【磨き方の工夫】
・仕上げ磨きのときは「優しく・小刻みに」動かす
・力加減が難しい子どもには、大人が手を添えて練習を
・圧をかけすぎず、子どもの反応を見ながら
・「今、上の歯を磨いてるよ」「次は下の歯ね〜」と実況中継しながら進めると安心感が増します。
「場所・姿勢」を決めておく
毎回同じ場所・姿勢(膝枕・寝転がり)にすると子どもにとって予測可能なルーティンになります。親も余裕が生まれ、力加減や声かけをしやすくなります。
「今日はここまで」でもOKとする、「嫌がる前に終える」が一番大切
「全部きれいに!」よりも、「今日は前歯だけ」「明日は奥歯を重点的に」といった分割ケアでも十分です。 1週間単位で全体が磨けている状態なら大丈夫。「少しでもできたこと」を褒めて終える方が、親子にとっても負担がなく、継続につながります。
歯科医院で健診やフッ素塗布も併用していきましょう。
「お口の健康=楽しいこと」と結びつける
- 歯磨きの絵本やアニメを活用する
- 歯医者さんごっこ遊びで「口を開ける=楽しい」経験を増やす
- 年齢が上がってきたら「バイ菌がいなくなるね」「大人みたいだね」と声かけ
- 歯垢染色液で「どこに磨き残しがあるか?」を定期的に親子で確認し、「ここがうまくなったね!」と一緒に確認する。
まとめ:歯の健康のためには、じっくりと取り組むことが大事

子どもが歯磨きを嫌がるのは、成長や感覚特性からくる“自然なこと”です。大切なのは「嫌がる理由」を知り、「子どものペースに合わせること」。少しずつ楽しい経験を重ねれば、歯磨きへの抵抗感は和らいでいきます。
「今日はこれだけできたね!」と、親子で小さな成功体験を積み重ねていきましょう。
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この記事を書いた人

- Naoka
- 看護師、保育士、養護教諭の資格を持つナニーとして活動しています。これまで保育園や小学校、放課後デイサービスなど、さまざまな現場で経験を積んできました。現在ナニーのお仕事をしながら、療育施設にて自閉症スペクトラム症のお子さまたちの支援に取り組んでいます。