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放課後等デイサービスとは?役割と対象者、必要な資格まで徹底解説

2025.05.28
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放課後等デイサービスとは? 役割と対象者、必要な資格まで徹底解説

放課後等デイサービスは、障がいのある子どもに向けた支援サービスです。

この記事では、放課後等デイサービスの概要や具体的な支援内容、ほかの児童支援サービスとの違い、さらに対象となる子どもや利用方法について詳しく解説します。

放課後等デイサービスの役割と目的とは

放課後等デイサービスは、障がいを持つ子どもたちに向けて、学校終了後や休日に生活能力を向上させるための訓練や、社会との交流を促進する支援を提供する児童福祉サービスです。

放課後等デイサービスの基本的な定義と目的

放課後等デイサービスは、障がいを持つ子どもたちが最善の利益を享受し、健全に育つことを目的としています。学校や家庭以外の環境で多様な体験を通じて、個々の発達に応じた支援が行われることが特徴です。

また、地域社会への参加を促進し、共生社会の実現に向けた支援を行う面でも重要な役割を果たしています。

放課後等デイサービスが必要とされるようになった背景には、障がいのある子どもやその家庭を取り巻く社会的な状況の変化と、福祉施策の拡充が密接に関係しています。発達障がいや知的障がいなどの世間の認知が高まったことにより、支援が必要と診断される子どもが増加しました。また、共働き世帯や核家族化が進む中で、保護者の育児負担が増大しており、専門的な支援がより求められるようになりました。

さらに、すべての子どもが地域社会で共に育つ「インクルーシブ社会」の実現が推進され、障がいの有無にかかわらず成長を支える仕組みが重要視されています。

放課後等デイサービスは、2012年の児童福祉法改正により制度化され、地域で子どもを包括的に支援する中心的な役割を果たしています。

放課後等デイサービスの具体的な支援内容

放課後等デイサービスの役割は、障がいを持つ子どもたちやその家族、地域社会に対して多面的な支援を提供することです。具体的には、以下の4つの支援が挙げられます。

本人支援(発達支援)

子どもの個々の発達ニーズに応じた支援を提供します。

学校や家庭とは異なる環境で、生活能力の向上や社会との交流を促す体験を通じて、子どもたちが健全に成長するためのサポートを行います。

家族支援

障がいを持つ子どもの保護者が抱える子育ての悩みや負担を軽減するための相談や、ペアレント・トレーニングなどを提供し、家庭内での育児を支えます。また、保護者の時間を確保するために、子どものケアを一時的に代行する役割も担います。

移行支援

学校や地域のほかの支援サービスと連携し、子どもたちが成長段階に応じて次のステップへと円滑に移行できるよう支援します。これには、放課後児童クラブなどの一般的な子育て支援サービスとの併用や、将来的な社会参加を促す取り組みも含まれます。

地域支援・地域連携

地域社会やほかの支援機関と連携し、子どもや家族への包括的な支援を提供します。地域社会における子どもたちの役割や社会活動への参加を促進し、インクルーシブな社会の実現を目指しています。

このように放課後等デイサービスは、障がいを持つ子どもたちが地域社会の中で健全に成長し、保護者も安心して子育てができる環境を提供しています。

参考

こども家庭庁 放課後等デイサービスガイドライン概要

放課後等デイサービスとほかの児童支援サービスとの違い

放課後等デイサービスは、主に子どもの障がいや発達段階に応じた専門的な支援を提供しており、学童保育や児童発達支援とは役割や目的が異なります。

学童保育との違い

学童保育は、主に共働きや一人親家庭の子どもたちを対象に、放課後の安全な居場所を提供するサービスです。学童保育では、日常的な生活支援や宿題のサポートを行いますが、放課後等デイサービスは、障害のある子どもたち個々の発達段階に合わせた専門的な支援が行われるため、内容や目的が大きく異なります。

児童発達支援との違い

放課後等デイサービスが主に学齢期の子どもを対象に、学校生活や将来の社会生活に向けた支援を行うのに対し、児童発達支援は、未就学(主に0歳から6歳まで)の障がいのある子どもを対象にした支援サービスです。

児童発達支援では、日常生活の自立支援や機能訓練、集団生活への適応訓練などの支援を行います。また、保育園や幼稚園などへの入園や小学校への入学に向けた支援も提供します。幼児期の発達を促進するため、遊びを通じた体験や学びが中心となります。

障害者手帳の取得や診断書の必要はなく、医師の意見書があれば自治体の判断によって利用することができます。

参考

こども家庭庁 放課後児童クラブ運営指針の改正について

こども家庭庁 児童発達支援ガイドライン

放課後等デイサービスの対象者について詳しく解説

ここでは、放課後等デイサービスの対象となる子どもの条件や障がいの種類、例外的に健常児が利用できるケースについて解説します。

対象となる子どもの条件と障がいの種類

放課後等デイサービスの利用対象となるのは、身体障がい、知的障がい、発達障がいなどの障がいがある6歳から18歳までの児童です。保護者が就労しているかどうかは問われません。このような障がいのある子どもたちは、学校生活や日常生活で特別な支援が必要な場合が多いため、放課後等デイサービスを利用して、社会性の向上や自立を目指した支援を受けることができます。

医師の診断や専門機関からの判断に基づいて障がいの種類や程度が判定され、放課後等デイサービスの利用対象となります。そして、自治体が発行する「通所受給者証」を持つことで利用が可能となります。

健常児が利用できるケースとは?

放課後等デイサービスは、特定の条件下で健常児も利用できる場合があります。例えば、障がいを持つ子どものきょうだいや、普通学級に通える程度の軽度の障がいがある子どもです。

放課後等デイサービスの利用方法と料金体系について

放課後等デイサービスを利用するためには、自治体が発行する「通所受給者証」が必要です。また、料金体系は所得に応じた負担額が設定されており、家庭によって支払い額が異なります。

適切な手続きを踏むことで、利用者は支援を受けながらも、経済的な負担を軽減することが可能となります。

受給者証の申請方法と流れ

受給者証の申請は、まず住んでいる市区町村の役所や福祉事務所に相談することから始まります。必要書類として、医師の診断書や発達に関する専門機関からの意見書が求められることが一般的です。

その後、自治体が子どもの障がいの程度や生活状況を審査し、適切な支援が必要と判断されれば、通所受給者証が発行されます。手続きには、数週間から1カ月程度かかる場合があるため、余裕を持った申請が推奨されています。

利用開始までのステップ(申し込みから契約まで)

通所受給者証が発行された後、希望する放課後等デイサービス事業所に連絡し、見学や面談を行います。サービスの内容や支援計画について詳しく確認することが重要です。

その後、事業所と利用契約を結び、正式にサービスの利用を開始します。契約時には、提供されるサービス内容や利用日、料金についても詳しく説明があり、双方の同意のもとで進められます。

料金体系と負担額、所得に応じた支援制度

放課後等デイサービスの利用料金は、一般的には、所得階層ごとに上限が設定されており、低所得世帯や多子世帯などの場合、負担額が軽減される支援制度が用意されています。例えば、世帯の年間所得が一定額以下の場合、自己負担が免除されることがあります。

また、各自治体によっては、追加の支援が提供される場合もあるため、事前に詳しく確認することが大切です。

参考:

全国社会福祉協議会 障害福祉サービスの利用について

こども家庭庁 障害福祉サービス・障害児通所支援等の利用者負担認定の手引き

放課後等デイサービスで働くためにあると役立つ資格と主な仕事内容

放課後等デイサービスで働くためには、子どもの発達支援や障がい支援に関する専門知識やスキルが求められます。資格がなくても働くことができますが、資格があることで支援の質を保証し、子どもたちにより良いサービスを提供することができます。

放課後等デイサービスで働く上であると役立つ資格一覧

放課後等デイサービスでは人員配置に基準があり、支援のための適切な体制がとられています。無資格でも働くことができますが、福祉や教育、医療分野に関連した資格があると優遇されるでしょう。以下では、放課後等デイサービスで働く上であると役立つ、さまざまな資格について説明していきます。

保育士資格

保育士は、子どもの成長や発達を支える専門的な資格です。放課後等デイサービスにおいても、保育士の知識や経験が非常に役立ちます。

社会福祉士

社会福祉士は、福祉全般に関する専門的な知識を持ち、相談支援や福祉サービスの提供に携わる資格です。放課後等デイサービスでは、障がい児やその家庭に対する相談業務や福祉制度の利用支援などを担当することがあります。

児童指導員

児童指導員は、児童福祉施設で子どものケアや支援を行う職員の資格です。大学や短大で社会福祉学や心理学、教育学などの指定された科目を修了することで取得可能です。放課後等デイサービスでも、子どもの心身の発達をサポートする役割を担います。

教員免許(特別支援学校教諭含む)

小学校、中学校、高校の教員免許や、特別支援学校教諭免許も、放課後等デイサービスで働く際に役立つ資格です。特別支援教育に携わる場合、特別支援学校教諭の免許が特に重視され、障がいのある子どもの学習支援に役立ちます。

介護福祉士

介護福祉士は、高齢者や障がい者の介護を行う資格ですが、放課後等デイサービスでも、障がいのある子どもの介助や日常生活支援において役立つ場合があります。特に、重度の障がいを持つ子どもたちのケアに従事する場合に、必要とされることがあります。

精神保健福祉士

精神保健福祉士は、精神的な障がいを持つ人々の支援を行う専門職です。放課後等デイサービスにおいても、精神的なケアや相談業務に携わることがあり、子どものメンタルヘルスに対応する能力が求められます。

理学療法士(PT)

理学療法士は、主に身体機能の改善と運動能力の向上を目指したリハビリテーションを行う専門家です。放課後等デイサービスにおいて、理学療法士は障がいのある子どもたちが自立した日常生活を送るために、体の動かし方やバランスの取り方、筋力の強化などの支援を行います。

作業療法士(OT)

作業療法士は、日常生活動作や社会活動への適応を目的に、具体的な「作業」や活動を通じて機能訓練を行う専門家です。放課後等デイサービスでは、障がいのある子どもが生活の中で自立できるように、日常生活で必要な動作(食事、着替え、トイレなど)の訓練や、遊びや学習の中で手先の器用さや認知能力を高める支援を行います。

言語聴覚士(ST)

言語聴覚士は、言語や聴覚、コミュニケーション能力に関する支援を行う専門家です。放課後等デイサービスでは、発語が困難な子どもや言語理解が遅れている子どもに対して、コミュニケーション能力の向上を目指した支援を行います。具体的には、発音の練習、語彙の増加、言語理解のトレーニングを通じて、子どもが自分の気持ちや考えを表現できるよう支援します。

主な仕事内容

子どもの発達支援

放課後等デイサービスでは、障がいのある子どもたちの発達を支援するために子ども一人ひとりの発達段階や障がいの特性に応じたプログラムを組み、日常生活で必要なスキルの向上を目指します。また、学校での学習活動を補う形で、宿題の手伝いや学習支援を行い、学力の向上を支援することも業務の一つです。

日常生活のサポート

放課後等デイサービスでは、障がいをもつ子どもたちが安全かつ安心して過ごせるよう、日常生活のサポートを行います。食事やトイレの介助、移動のサポートなど、子どもが自立するために必要な支援を提供します。特に、身体に障がいを抱える子どもに対しては、個別の介助が必要になることも多く、スタッフはその子どもの状態に応じた対応を行います。

また、遊びやレクリエーション活動も重要なサポートの一環です。遊びを通じて、子どもたちは楽しみながら体力を付けたり、友だちとのコミュニケーションを学んだりします。スタッフは、子どもが安全に遊び、さまざまな経験を積むことができるよう見守り、適切な指導を行います。

地域社会との交流支援

子どもたちが地域社会に積極的に参加し、社会の一員として成長することを促進します。これには、地域のイベントや活動に参加する機会を提供することが含まれます。

例えば、近隣の公園での遊びや地元の行事への参加などを通じて、子どもたちは地域とのつながりを深め、社会経験を積んでいけるでしょう。また、地域の一般的な子育て支援施策(放課後児童クラブや児童館など)とも連携し、インクルージョン(包容)の観点から、障がいのある子どもがほかの子どもたちと共に成長できる環境づくりを支援します。

保護者支援

子どもの発達だけでなく、保護者への支援も重要な業務の一つです。保護者は、日々の子育てや障がいのある子どもに対するケアに多くの時間と労力を費やしています。そのため、放課後等デイサービスは、保護者が抱える悩みや不安に対して相談を受け、アドバイスを提供する役割を果たしているのです。

さらに、保護者の子育てを支えるための「ペアレント・トレーニング」を実施し、子どもとの関わり方や、育児に必要なスキルを学べる機会を提供します。また、保護者が一時的に子どものケアから解放される「レスパイトケア」の機会を提供することで、保護者の心身の負担軽減を図ります。

他機関との連携

放課後等デイサービスは、学校や病院、そのほかの福祉サービス機関と連携しながら、子どもとその家族に包括的な支援を提供します。特に、子どもの学校や医療機関と情報を共有し、子どもの成長や健康状態に応じた適切な支援を行うことが必要です。

放課後等デイサービスの仕事内容は、子どもの発達支援、日常生活のサポート、地域との交流、保護者支援、そして他機関との連携など多岐にわたります。これらの業務を通して、障がいのある子どもたちが自立し、健全に成長できる環境を整えることを目指します。

スタッフは、それぞれの子どもに寄り添いながら、個々のニーズに応じた支援を提供し、子どもたちが地域社会の中で豊かな経験を積むことができるようサポートしていきます。

参考

こども家庭庁 放課後等デイサービスガイドライン概要

こども家庭庁 放課後等デイサービスガイドライン

放課後等デイサービスで働くメリット・デメリット

ここでは、放課後等デイサービスで働く際のメリットとデメリットについて解説していきます。

メリット

子どもの成長に寄り添うやりがい

放課後等デイサービスで働く最大の魅力は、障がいを持つ子どもの成長に直接関わることができる点です。子どもたちは、日々の生活の中で小さな進歩を積み重ねていきます。

例えば、できなかった動作ができるようになったり、言葉や感情表現が豊かになったりする様子を見守ることで、深い喜びを感じられます。また、保護者から感謝の言葉をもらえることも多く、それがさらにやりがいとなるでしょう。

子どもたちの自信を育てるサポートを通じて、自身の仕事に誇りを持つことができる職業です。

キャリアの広がり

放課後等デイサービスでの経験は、福祉や教育分野でのキャリアを積む上で大いに役立ちます。特別支援教育や福祉施設での実務経験は、多くの現場で評価されやすく、将来的にほかの福祉・医療施設での勤務や、福祉関連の行政職に転職する際にもプラスとなることもあります。

特に、発達障がいや知的障がいの支援に関する知識やスキルは、幅広い場面で求められており、専門職としてのキャリアを深めることができるのもメリットです。

柔軟な勤務体系

放課後等デイサービスは放課後に活動することが多いため、勤務時間が比較的短い場合が多いです。フルタイムだけでなく、パートタイムやシフト勤務など、ライフスタイルに合わせた柔軟な働き方を選べる場合もあります。

子育て中の人や、ほかの仕事と兼業したい人にとっては、自分の都合に合わせて働ける点が魅力です。特に放課後の時間帯に集中して働けるため、午前中や昼間の時間を自由に使いたい人に向いているでしょう。

デメリット

高い専門性と忍耐力の要求

放課後等デイサービスでは、子ども一人ひとりの発達状況や障がい特性に応じた個別支援が求められます。例えば、発達障がいのある子どもや、情緒不安定な子どもに対しては、行動パターンやコミュニケーション方法が子どもによって大きく異なるため、個別対応が求められます。

また、子どもたちの進歩は比較的ゆっくりとしたペースであり、短期間で目に見える成果が出ないことも多いため、長期間にわたって忍耐強く支援する姿勢が不可欠です。

精神的・肉体的な負担

子どもたちの個別のニーズに応えるためには、時に肉体的にも精神的にも負担がかかることがあります。特に、子どもが情緒的に不安定な状態にあるときや、コミュニケーションが難しい場合には、職員が適切に対応するために神経を使います。また、抱きかかえたり、移動をサポートしたりと肉体的な負担も発生する場合があるため、体力も必要です。

長期的に続けるには適切なケアやサポートが必要でしょう。

給与面での課題

放課後等デイサービスでの仕事は、ほかの福祉職と同様に給与面での課題があります。特に、看護職や医療職と比べると、給与が低めに設定されていることが多く、専門的な資格を取得しているにもかかわらず、給与が期待ほど高くない場合、モチベーションを維持することが難しいと感じることもあるかもしれません。

資格の取得・更新の負担

放課後等デイサービスで働くためには、特定の資格を取得する必要がある場合もあります。例えば、保育士や児童指導員などの資格を求められることが多く、その取得には一定の時間と費用がかかります。

また、資格の更新や研修も定期的に必要となることもあり、業務の合間にそのための時間を確保しなければならないことが負担となる場合もあるでしょう。

まとめ

放課後等デイサービスは、障害のある子どもに対して、学校や家庭とは異なる場所で個別の支援を行い、成長をサポートする重要な役割を担っています。

一方、ナニーも家庭内で子どもの特性や家庭環境に応じた個別対応を行い、子どもの育ちを支える存在です。両者に共通しているのは、「子ども一人ひとりに合わせたケアを提供する」という点です。

近年、家庭での育児環境や保護者のニーズが多様化する中、ナニーの役割がより注目されています。

特に、ポピンズのナニーは専門的な研修を受けたプロフェッショナルとして、障がいの有無にかかわらず、すべてのお子さまを対象にきめ細やかなケアを提供しています。

お子さまの発達段階や個性を尊重しながら、保護者のサポートも行う、そんなお仕事に関心がある方はナニーという新たなキャリアを考えてみてはいかがでしょうか。詳しくはこちらをご覧ください→

この記事を書いた人

すがわらみさと
1990年生まれ。四年制大学で保育・幼児教育について学び、幼稚園教諭一種免許と保育士資格を取得。卒業後は、保育園や認定こども園で約10年の勤務経験があります。現在はベビーシッターとして独立し、保育系ライターとしても執筆活動をしています。保育士やベビーシッターとしての経験と知識をもとに、わかりやすく伝える文章を書くよう心がけています。

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