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乳幼児期に大切なアタッチメント形成とは?保育士ナニーが分かりやすくご紹介

2025.07.08
  • 子育て知識
  • 教育

子育てをしていると、「アタッチメント形成」という言葉を一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか。アタッチメント形成は「愛着形成」ともいわれ、心理学の分野で用いられる用語です。

乳幼児期の子どもは、身近な大人との間に心の絆を持つことで情緒の安定を保つことができ、これが子どもの成長に大きくかかわってきます。

今回は、子育てにおいて大切なアタッチメント形成についてや、アタッチメントが形成されている子どもの特徴、反対に形成されていない子どもについて解説します。

アタッチメントを形成するために大人ができることについてもご紹介していますので、ぜひ参考にしてくださいね。また、アタッチメントを意識したお世話を行っている教育シッター、ポピンズナニーについてもご紹介します。

子育てにおけるアタッチメント形成って?

「アタッチメント」は日本語に訳すと「愛着」という意味です。

アタッチメント理論は、イギリスの児童精神科医ジョン・ボウルビィによって提唱されました。ジョン・ボウルビィは子どもが不安になった時にいつも身近で世話をしてくれる大人が「安全基地」となって子どもに安心感を与えることが大切であり、これがアタッチメント形成だという旨を唱えています。

子どもは信頼できる身近な大人の存在があれば、「失敗しても励ましてくれる」「困ったときは助けてくれる」という安心感によって情緒が安定し、それが成長過程において重要な役割を果たします。

参考資料:最新心理学辞典(平凡社 )

乳幼児期にアタッチメント形成が重要な理由

先述のとおり、アタッチメント形成は成長過程において重要な役割を果たします。ここでは、なぜ重要なのか、具体的な理由について解説していきましょう。

基本的信頼感を持つ

アタッチメントが形成されている子どもは、不安になった時に信頼できる身近な大人が「安全基地」となってくれるため、「自分は愛されている」「自分の居場所は安心できる場所だ」という基本的信頼感を持つことができます

このように、基本的信頼感を持つことが心の成長のためにとても大切なのです。

子どもの自己肯定感を育む

基本的信頼感を持つことは、「自己肯定感」へとつながっていきます。「自分は愛されている」「自分は安心できる場所にいる」という基本的信頼感が、自分自身を信じる力、つまり「自己肯定感」となります

自分自身を信じているため、挑戦する力や困難から立ち直ろうとする力も育ちます。

子どもの社会性を育む

自己肯定感を持っていることで、自信をもって他者とつながることができるようになります。また、社会の中で自分を信じて判断したり、行動したりできるようになります。

アタッチメント形成によって、子どもが将来社会の中で生きていくために大切な「生きる力」も育むことができるのです。

アタッチメントを形成するために大人がでできること

アタッチメント形成において一番大切なことは、身近な大人が子どもとどのようにかかわっていくか、ということです。

それでは、具体的にどのような関わり方をするのが良いか、詳しくご紹介していきましょう。

子どもとスキンシップをとる

スキンシップは、子どもだけでなく大人にとっても大切な行動であり、アタッチメントを形成するためにとても効果的です。手をつなぐ、頭をなでる、優しい言葉をかける、目を見つめる、ハグをする、などスキンシップには様々な方法がありますね。

人はこのような心地の良い触れ合いにより、「オキシトシン」という幸せホルモンが分泌されます。このホルモンは、子どもの気持ちを落ち着かせて、不安やストレスを和らげる効果があります。

また、同時にスキンシップを行っている大人にもリラックス効果をもたらすのです。

甘えたいだけ甘えさせてあげる

アタッチメント形成において、大人が子どもの想いを受け入れてあげることはとても大切です。子どもは自分の欲求を受け入れてもらうことで、安心感や満足感を得て、それが自己肯定感とつながっていきます。

自己肯定感が育まれることで、「自分には、いつでも助けてもらえる場所がある」と感じて、身近な親しい大人がいなくても一人で頑張れるように成長していきます。

つまり自立につながっていくのです。

きちんと愛情を伝える

スキンシップを取ったり、甘えさせてあげることも大切ですが、大人が子どもに対して言葉でしっかりと愛情を伝えることもとても大切です。

愛情の伝え方には、ポイントがあります。「いい子にしている〇〇ちゃんが好きよ」などの条件つきの愛情表現ではなく、「〇〇くんと一緒にお散歩するのは楽しいな」など、ただ一緒にいるだけで嬉しいという気持ちを伝えるようにしましょう。条件付きの愛情表現は、子どもにとって嬉しいどころか不安材料になってしまう恐れがあるからです。

「いい子な私でいること」で相手から好きになってもらえる、という思い込みにつながっていくと、将来、他者の評価を自分の価値だと考えるようになってしまいます。無条件の愛情を、子どもに伝えてあげましょう。

子どもの不安に気づく

子どもが泣いたり、助けを求めたりする不安を示すサインを見逃さずに、すぐに気づいて応えてあげることが大切です。不安なサインがみられたら、すぐに抱きしめてあげたり言葉をかけたりしてあげましょう

身近な大人に対して「自分が不安な時に守ってくれる人がいる」という安心感を持つことで、「自分は愛されている」という自信を持つことができるようになります。

アタッチメント形成には多様な大人との関わりも大切

ここまで、アタッチメント形成についての重要性や、身近な大人がアタッチメント形成のためにできること、などを詳しくご紹介してきました。読み進めながら、「両親が忙しかったり、共働きだったりすると、アタッチメントをうまく形成することは難しいのでは?」と感じている保護者の方もいるのではないでしょうか?

この記事で「アタッチメント形成に関わる大人」をあえて「保護者」ではなく「身近な親しい大人」と表現しているのには、理由があります。

子どものアタッチメント形成に影響を与える大人は、保護者だけではありません

祖父母などの身近な親戚、保育園や幼稚園の先生、いつも身近でお世話をしてくれているベビーシッターなど、信頼できる身近な大人と安定した関係を築く、つまりアタッチメントを形成することで、子どもはより多くの「安心できる場所」を持つことができ、自己肯定感の強い、心豊かな大人へと成長することができるのです。

忙しいご家庭や共働きのご家庭は、家庭内だけで何とかしようと頑張る必要はありません。

子どもにとって「身近な信頼できる大人」を増やしてあげるために、周囲に頼ることもアタッチメントを形成する一つの方法だと考えても良いのではないでしょうか。

アタッチメントが形成されている子どもの特徴

乳幼児期にアタッチメントが形成されている子どもには、共通して次のような特徴があるといわれています。

情緒が安定している

自分には、何があっても安心できる場所があるという確信があるため、感情の波が穏やかで心が落ち着いています。

自分を信じることができる

アタッチメント形成ができている子どもは、自己肯定感が高いため、自分自身の考えを信じて行動することができます。

他者に優しくなれる

自己肯定感が高い子どもは、自信をもって他者と関わることができます。情緒が安定しているため、相手の気持ちを受け止め思いやりを持つことができます。

挑戦する勇気を持っている

アタッチメントが形成されている子どもは、失敗しても自分には優しく迎えてくれる安全基地があると理解しています。そのため、好奇心旺盛で新しいことにも積極的に挑戦する勇気を持っています。

困難を乗り越える力がある

自分を守ってくれる安全基地があるため、ストレス耐性が高く、つらいことがあっても乗り越える力を持っています。

アタッチメントがうまく形成されていないとどうなる?

反対に、アタッチメントが十分に形成されていない子どもは、不安やストレスを感じたときに、自分を守ってくれる安全基地がありません。そのため「どうしよう」「自分で何とかしなくては」と、感情が不安定になっていきます。

そのため、コミュニケーションにおいても、他者とどのようにかかわっていくのが良いのかわからず、友達の輪に入るのを怖がったり反対に誰とでも仲良くしてみたり、他者との距離感がつかめなくなってしまうのです。このように、アタッチメントが形成されずに大人になってしまい、社会に出て孤立してしまうケースが増えています。

アタッチメント形成を取り入れているポピンズナニーの保育

ここで、アタッチメント形成を意識した保育を取り入れながら、お子さまのお世話を行っているポピンズナニーについてご紹介しましょう。

ポピンズナニーは、お父様、お母様の代わりとなって、愛情を込めたお世話やお声がけを行うことで、お子さまの安全安心な環境を整え、自己肯定感を高めるお手伝いをします。

発達に合わせたアタッチメントを行う

ポピンズナニーは「何歳だからこれができる」などの型にはめた保育を行うのではなく、お子さま一人ひとりの発達に合わせたアタッチメント形成を行っています。ポピンズナニーが全てを受け入れて包み込むことで、お子さまは「この人は、自分を守ってくれる」「この人のそばにいれば安全だ」と感じて信頼関係を構築することができるのです。

お子さまのサインに気づき優しく答える

ポピンズナニーは、常にお子さまを見守っています。少しでも不安そうな様子がみられたときは、しっかりと抱きしめてあげたり、温かなお声がけをしたりして、お子さまの不安を取り除きます。

スキンシップで信頼関係を築く

お子さまの目を見て笑顔でお話をする、お子さまをお膝において優しい声で絵本の読み聞かせを行う、手をつないでおしゃべりをしながら楽しくお散歩をする、など、ポピンズナニーはいつでもお子さまにとって安全安心な存在であるために、心を込めてお世話を行っています。

忙しいご家庭や共働き家庭こそポピンズナニーがおすすめ

ポピンズナニーは、単なるベビーシッターではなく、「ご家族のもう一人の特別な存在」として、いつでもお子さまを見守っています。忙しいご家庭や共働きのご家庭の中には、十分にお子さまのアタッチメントを形成できずに悩んでいる保護者の方もいらっしゃることでしょう。

そんなときは、ポピンズナニーのご利用を検討してみるのもいいかもしれません。

まとめ

今回は、アタッチメント形成について詳しくご紹介しました。

お子さまの発達にはアタッチメントがとても重要であること、アタッチメント形成は多様な大人との関わりによって、お子さまの安全基地が広がり、より心豊かな大人へと成長すること、などをお伝えしました。

また、ポピンズナニーがお子さまにとっての安全基地になるような、アタッチメント形成をふまえたお世話を行っていることもご紹介しました。

少しでも、ポピンズナニーの丁寧で細やかなお世話に興味を持っていただけましたら、どうぞこちらよりお進みください。ポピンズナニーではナニーとしてお仕事をする方も募集しています。

この記事を書いた人

五島 由紀子
保育・教育関係に携わって15年以上。保育園施設の管理職を経て、2022年よりフリーランス保育士として活動開始。 保育士免許・幼稚園教諭二種免許・子育て支援教育カウンセラー資格・キッズマナー講師資格取得。ポピンズナニーの経験を活かした保育・教育特化ライター。 現在は、保育に携わりつつ、心理カウンセラーとしてSNS相談サイトや心理カウンセリングサイトでのカウンセラー業務を行っている。趣味はベリーダンス。産業カウンセラー資格取得に向けて勉強中。

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