6月4日は「虫歯予防デー」です。ご家庭でも「そろそろ子どもの歯磨き、がんばらなくちゃ」と感じる方も多いかもしれません。

でも、毎日の子どもの歯磨きって

• 嫌がられると心が折れそうになる
• できなかった日が続くと罪悪感

そんな風に悩むパパママも、実はたくさんいらっしゃいます。ナニーとしてお子様と過ごす私たちも、ご家庭からよくご相談をいただきます。

「そもそも歯磨きって何のためにするんだろう？」

そんなふうに立ち止まって、本来の意味を見つめ直しませんか？

“完璧じゃなくていい理由”がわかると、親子の毎日がぐっと楽になります。ぜひ参考にしてください。

歯磨きは「将来の“よかった“につながる習慣」

子どもの歯磨きというと、「虫歯予防しなくては！」とつい力が入ってしまいがちですが実はそれだけではありません。もっと広い意味で、子どもたちの“未来”に関わる大切な習慣です。

「乳歯はどうせ抜けるから…」「虫歯になっても大丈夫でしょ？」

そんな声を耳にすることがあります。でも実は、乳歯こそ大切な役割を担っているのです。

乳歯の役割とは？

生後6ヶ月ごろから生え始め、2〜3歳までに合わせて20本が生え揃います。この乳歯のおかげで、ものを噛むことができるようになり、顔の形も整っていきます…

噛む力、話す機能を育てる

　しっかりと噛むことで、成長に必要な栄養分を吸収することができます。噛むことは顎の発達を助けるので、将来の歯並びや顔の形にも影響します。

発音を助ける

　前歯は特に言葉を発する際に大切な役割を果たします。

永久歯が生える“ガイド”になる

　乳歯が健康な状態だと、永久歯が正しい位置にスムーズに生えてきます。早期に虫歯で抜けてしまうと、歯並びにも影響が出ることもあります。

しっかり噛んで食べる、はっきり話す、思いきり笑う。どれも、“健康な歯”があってこそ楽しめるものです。

歯磨きはただのその場しのぎではなく、「未来の食べる力・話す力・笑う力」を育てる「大切な習慣」でもあるのです。

乳歯の虫歯リスク

• エナメル質（歯の表面）が薄い→ 虫歯が進行しやすい
• 虫歯が神経まで早く達する→ 痛みが出る、歯根に影響しやすい
• 永久歯への悪影響も→ 永久歯の歯並び・質にも影響が及びやすい

厚生労働省「歯科疾患実態調査（2022年）」によると、5歳児の約40％が1本以上虫歯（処置済み含む）を持っています。決して少なくはない数字です。

ご両親が「乳歯はどうせ抜けるし…」と思わず、今できるケアを大切にすることが、将来の健康な永久歯や“食べる楽しみ”につながります。

全身の健康にも関わる

　虫歯や歯周病は体全体の健康にも影響することがわかっています。乳歯でも放っておくと炎症が広がることがあります。

生活習慣の土台づくりでもある

「虫歯予防しなきゃ！」と焦る気持ちはよくわかります。しかし、歯磨きは虫歯予防“だけ”が目的ではありません。

親子の信頼関係を育てる時間

歯磨きは「ご両親が子どもの体を気にかけ、大切にしてくれる時間」でもあります。膝枕で寝かせて「きれいになったね！」と声をかけたり、そっと手を動かして仕上げ磨きをしたり。そんな毎日の積み重ねは、「あなたを大切に思っているよ」というメッセージです。子ども達にとって「自分は大切にされている」という感覚——つまり“自己肯定感”の土台になります。

たとえ短い時間でも、「歯磨き＝親子の心が通うひととき」と思うと、少し気持ちが軽くなりませんか？

• 自分の体をケアする習慣
• 食べて眠る生活リズムの一部
• 親子で触れ合う時間

「夕食→お風呂→歯磨き」といったルーティンを毎日繰り返すことで、月齢の低いお子さまにとっては寝る合図だと身体で覚えていきます。そして、パパママにやってもらっていた歯磨きが、仕上げ磨きになり、やがて自分で歯磨きをする。この習慣は自立への大きな一歩にもなります。

こういうことからも、歯磨きは “毎日の小さな健康習慣” として、未来につながるものでもあるのです。

完璧にプラーク（歯垢）を取りきる歯磨きは大人でも難しいもの。だからこそ大人と一緒に「毎日少しずつでも続けること」の方がずっと大切です。

「少しずつ、できる範囲で」続ければ大丈夫

ナニーとして多くのご家庭を見ていて感じるのは、歯磨き習慣がうまくいくコツは “完璧を目指さないこと” です。

「今日は前歯だけ」

「明日は奥歯を重点的に」——

そんな風に日替わりでもOK。

大切なのは「できる範囲で」「嫌がる前に終えること」です。嫌な経験を重ねるより「まあまあ楽しかった」「あっという間に終わった」が積み重なる方が、習慣化しやすいからです。

歯科健診・専門家を味方に

無理なく続けるためには「プロの力」を借りるのもおすすめです。歯科医院での定期健診・フッ素塗布は、家庭でのケアをサポートしてくれます。3ヶ月〜半年ごとの健診を通じて「歯医者さん＝怖いところ」ではなく「お口をきれいにする場所」と慣れておくと、小学校入学以降もスムーズです。

また、健診は「仕上げ磨き、ここが苦手だったんだ」とパパママ自身が気づくチャンスにもなります。「お口の健康チーム」として歯科医院も活用していきましょう。

まとめ：「うちのペース」で続ければいい

この記事を読んでくださったパパママは、きっともう十分がんばっています。

「どうしてうまくできないんだろう」と悩まずに

「できる範囲で続ける」——それだけでも、それは大きな前進です。

• 口を開けられるようになった
• 仕上げ磨きの時間が少し伸びた

そんな小さな変化こそ成長の証です。

パパママはすでに歯磨きを通して、未来のお子さまに、自己肯定感・健康習慣・楽しい思い出などたくさんのプレゼントを贈っています。

• 完璧じゃなくていい
• 今日も少しできたね

そんな気持ちで親子で続けていきましょう。それがきっと、未来の笑顔を守ってくれます。

6月4日の虫歯予防デーをきっかけに、「うちのペースでゆるやかに歯磨き」、今日からまた一緒に続けてみませんか？

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