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寒い季節に知っておきたい!お子さまの乾燥肌ケアとスキンケア習慣のポイント

2024.12.24
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寒くなると空気が乾燥し、お子さまの肌にも影響が出やすくなります。ナニーとしてお子様をお預かりする際にも、親御さんからも、乾燥肌や肌トラブルについて、ご相談を多くいただくことがあります。

この記事では、看護師とナニーとしての経験をもとに、お子さまの乾燥肌を予防し、健やかな肌を守るためのスキンケア習慣についてお伝えしていきます。

皮膚の役割って何だろう

お子様の肌が乾燥しやすい理由を説明する前に、まず皮膚の役割について説明をします。私たちが普段何気なく手洗いをしたり、保湿をする皮膚ですが、私たちの体を守る重要な役割を担っています。

バリア機能

皮膚は外部からの異物や刺激(細菌、アレルゲン、紫外線など)を防ぐ、バリアの役割を果たします。

水分保持

皮膚の表面には皮脂膜があり、これが肌の水分蒸発を防いでいます。皮膚が乾燥をすると、この機能が低下して、肌荒れや炎症の原因になります。

体温調節

毛細血管の太さを調整して体温調整をします。この機能によって私たちは暑い時には汗をかいたり、寒い時は震えたり鳥肌が立ったりします。

皮膚の健康が損なわれると、これらの機能がうまく機能しなくなり、トラブルが生じやすくなります。特に子どもはこのバリア機能がまだ未成熟なため、大人以上に外側からの要因によって影響を受けてしまいます。

子どもの肌の特徴

子どもの肌は成長の過程にあり、大人の肌とは大きく異なります。

皮膚の厚みが薄い

子どもの皮膚は大人の半分ほどの厚みしかありません。そのため、外部からの刺激が皮膚の奥まで届きやすく、乾燥やダメージを受けやすいのです。

皮脂の分泌量が少ない

大人の皮膚は皮脂が分泌され、皮脂膜が形成されることで外側からの刺激を防ぎます。一方で子どもは皮脂腺の活動が未熟で、皮脂分泌量が少ないため、バリア機能が十分に発揮されません。

セラミドなどの保湿成分が少ない

子どもの肌は、水分を保つために重要な成分である、セラミドの量が少なく、肌の水分保持力が弱い傾向があります。これが乾燥を招きやすくする一因です。

皮膚の新陳代謝を活発に行うが未熟

子どもの皮膚は、新しい細胞がどんどん作られるため、新陳代謝が盛んです。しかし、肌の構造自体がまだ未熟なため、外からの刺激を十分に防ぐ力が弱い状態です。

これらの特徴から、子どもの肌は外部環境に敏感に反応しやすく、乾燥や肌トラブルを起こしやすい状態にあります。また、冬になると、空気の湿度が下がり、皮膚の水分も失われやすくなります。特に暖房の使用により、室内の乾燥がさらに進むことも一因です。乾燥しやすい時期には、特にしっかりとスキンケアをしてあげることが大事になってきます。

乾燥肌対策の基本

赤ちゃんの肌はデリケートですが、成長するにつれて次第に強い肌になっていきます。赤ちゃんの肌に負担をかけないように丁寧に日々のスキンケアをしっかりと行うことで、刺激や乾燥に負けない、整った肌を目指すことができます。

肌トラブルを防ぐには、日常生活の中でのスキンケア習慣が大切です。以下のポイントを押さえて、。

保湿を習慣化する

適切なタイミングで保湿することが重要です。

・お風呂上がりに保湿

お風呂から出た後の肌の乾燥を予防するには、お風呂上がり5〜10分以内を目安に、たっぷりと保湿クリームや乳液を塗ることをお勧めします。特にお風呂上がりは、お肌の水分が蒸発し、肌が乾燥しやすくなっています。

塗る量の目安は、ティッシュペーパーがくっつく程度の量です。たっぷり塗ってあげましょう。

・気がついたタイミングで

入浴後のタイミング以外にも、乾燥していることに気がついたタイミングで保湿をしましょう。朝晩と決めてルーティン化するのもいいですが、こまめに塗ってあげることでより乾燥を防ぐことができます。軟膏やクリームなど、医師より処方されたお薬は指示された量と回数で塗りましょう。

入浴時のポイント

お風呂でのケアが肌の乾燥予防に直結します。

・お湯の温度

高温のお湯は皮脂を過剰に洗い流してしまいます。37〜39度程度のぬるめのお湯を使用してください。

・体の洗い方

ボディーソープを使用する際は、ゴシゴシと洗うのではなく、摩擦が起きないようたっぷりとした泡で優しく洗うことが大切です。また、赤ちゃんは冬でもたくさん汗をかきます。なので脇や股の付け根などの皮膚がシワになっている部分、首周りや、顔のT字ゾーンを中心に洗ってあげてください。

・体を拭く際の注意

タオルでゴシゴシ擦らず、優しく押し当てるように水分を拭き取ります。

室内環境を整える

乾燥した環境を避ける工夫も必要です。

・湿度管理

加湿器を使って湿度を50〜60%程度に保つと、肌の乾燥を予防できます。

・暖房器具の見直し

エアコンやヒーターは乾燥を招きやすいため、使用時にはなるべく風が直接当たらないようにし、加湿を心がけましょう。

保湿剤選びのポイント

以下を参考に、適切なスキンケア用品を選びましょう。

保湿剤の種類の違い

ここでは代表的なものを3つあげていきます。

・ローション

さらっとした使用感で、肌に馴染みやすいタイプです。広範囲に広げて塗ることができます。夏場にさっぱりと保湿ケアをしたいときに活躍をします。

・クリーム

水分と油分のバランスが良く、保湿力が高いです。肌が乾燥しやすいお子様にはこのタイプがお勧めです。冬場や乾燥が気になる時に適しています。

・軟膏

傷や膿んでいる部位に塗ります。重度の乾燥やひび割れに効果的ですが、べたつきが気になる場合があります。

これらは、お子様の肌の状態によって使い分けることで、効果が変わってきます。その時期に合ったものを探していきましょう。

保湿剤の成分の違い

皮膚に水分を取り込み、乾燥を防ぐもの(モイスチャライザー)

・ヘパリン類似物質

持続的な保湿効果があります。

・セラミド

肌のバリア機能を整え、水分保持力を高めます。市販品に含まれています。

皮膚に膜をはり、水分が逃げるのを防ぐもの(エモリエント)

・ワセリン製剤

刺激が少なく、安く手に入ります。肌の水分を補う効果はないので、ローションや化粧水などでしっかりと水分を補給した後で塗りましょう。

古い角質を除去し皮膚を柔らかくするもの

・利尿製剤

尿素には、皮膚に水分を蓄え、古い角質を除去し皮膚を柔らかくする効果があります。

乾燥肌が引き起こすトラブルとその対処法

乾燥肌を放置すると、以下のトラブルが発生する可能性があります。

かゆみ

皮膚が乾燥すると、かゆみを引き起こすことがあります。かきむしりを防ぐために、爪を短く切り、肌に優しい保湿剤を使いましょう。

爪切りは爪への衝撃が大きく、割れてしまう場合もあるので、やすりを使うことをお勧めします。特にお風呂上がりのタイミングですと、爪が水分を含んでおり、適度な弾力があるため、トラブルが少ないです。電動のものもあるのでお子様にあったものを調べてみましょう。

あかぎれやひび割れ

重度の乾燥が進むと、皮膚がひび割れることがあります。この場合は、保湿だけでなく、ワセリンや軟膏を活用してください。

アトピー性皮膚炎

乾燥肌が慢性化すると、アトピー性皮膚炎のリスクが高まります。症状が出た場合は早めに専門医に相談をしましょう。

お子さまと楽しくスキンケアを習慣化しましょう

お風呂上がりの保湿を嫌がるお子様も多くいらっしゃいます。

スキンケアを習慣化できるよう、お子様と楽しみながら取り組む工夫をしましょう。保湿をご依頼された時、ナニーが実践している方法を今日は特別にお伝えします!

スキンケアタイムを楽しい時間にする

お気に入りのクリームや保湿剤を選んでもらったり、スキンケアをゲーム感覚で行うと、お子様も前向きに取り組めます。

乳幼児さんの場合は、歌いながらスキンケアをしてあげると大喜びします。

・ふれあい遊び歌「ラララ ぞうきん」でスキンケア

ベビーマッサージの講座に行かれたことのある方なら知っていらっしゃる方も多いかもしれません。笑顔で赤ちゃんと見つめ合いながら歌い、優しく撫でてあげましょう。他にもたくさんふれあい遊びの歌がありますので、一緒にお気に入りの一曲を見つけてくださいね!

幼児さんには、

・大人がお手本を見せる

「ここはポンポンと塗るんだよ!」「スベスベになったね〜!」とポジティブな声かけをしながら楽しく塗ってみましょう。

・保湿剤でお絵描きクイズ

背中に塗り伸ばしながら、何を書いたでしょう?とクイズを出しながら、楽しくスキンケアをしてみましょう。

保湿剤を手のひらで温めてから塗る

特に冬場ですと、お部屋に置いてあるローションが冷たく感じ、嫌がってしまうお子様もいらっしゃいます。大人が手のひらで温め、体に塗ってあげることでなるべく不快感を消してあげましょう。マッサージのように手を体に沿わせ、塗ってあげることで、お子様も気持ちが良いと感じられると思います。

注意が必要なサイン

乾燥肌が深刻化すると、以下のサインが見られる場合があります。

・赤みが強くなる。

・かゆみで夜眠れない。

・皮膚が厚く硬くなる。

これらの症状が見られた場合は、早めに専門家を受診し、適切な治療を受けることをおすすめします。

まとめ

冬の乾燥シーズンに、適切なスキンケア習慣を身につけることで、お子さまのデリケートな肌を守ることができます。日常生活での小さな工夫が、大きな肌トラブルの予防につながります。この記事を参考に、今日から早速ケアを始めてみてはいかがでしょうか?

お子さまの健やかな成長と笑顔のために、ぜひこの記事を活用してください!

この記事を書いた人

Naoka
看護師、保育士、養護教諭の資格を持つナニーとして活動しています。これまで保育園や小学校、放課後デイサービスなど、さまざまな現場で経験を積んできました。現在ナニーのお仕事をしながら、療育施設にて自閉症スペクトラム症のお子さまたちの支援に取り組んでいます。

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