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自由と放任はどう違う?ポピンズナニーが実践主体性を育む「エデュケア」とは

2025.05.07
  • ナニー
  • 教育

保育を行う上で「自由保育」と「放任保育」の違いについて考える場面が出てくることがありますね。「なんとなく違いは分かるけど、決定的な違いを説明するのは難しい」という方も多いのではないでしょうか。今回は、保育や子育てにおける「自由」と「放任」の違いを詳しく解説していきます。

また、保育のプロフェッショナルであるポピンズナニーが実践している「エデュケア」という独自の教育法についてもご紹介したいと思います。

保育や子育てにおける「自由」とは?

保育や子育てにおける「自由」とは、生活や遊びを通して子ども一人ひとりが主体的に行動することです。ここで大切なのが、子どもへの大人の関わり方となります。

大人は子どもの自主性を尊重しながら、子どもの興味関心を引き出すような遊びのヒントを提供し、生活の中で子ども自身が様々なことを選択できるよう導きます。つまり、自由な保育や子育ては、子どもが主体的に行動して自主性を育めるよう、大人が環境づくりを行いながら、責任をもって子どもと関わることで成り立つものなのです。

保育や子育てにおける「放任」とは?

保育や子育てにおける「放任」とは、子どもが好きなように遊んでいるとき、大人がその行動に対して何も口を出さず、責任を持たない、無関心の状態をいいます。「子どもがそれぞれ好きなことをして遊ぶ」というところで「自由」と「放任」は共通しているように見えますが、決定的な違いは大人が関わっているか否か、というところにあります。

大人が子どもに対して無関心な環境では、子どもは成長が見込めないどころか、注目して欲しくて大人の興味を引く行動をするようになってしまうのです。そのような環境で育った子どもは、承認欲求が強く周囲の評価ばかりを気にする大人に成長してしまう可能性が高いでしょう。

「自由にのびのび育てる」ことはなぜ大切なの?

文部科学省が提唱している、新・学習指導要領の「生きる力」についてご存じでしょうか?
「主体的に判断・行動・解決する力」「豊かな人間性」「健康や体力」など、変化の激しいこれからの社会を生き抜くために必要なこういった力を「生きる力」と称しています。

※学習指導要領「生きる力」

乳幼児期に「自由にのびのび育てる」ことは、「生きる力」を育てることにつながります。

主体的に判断・行動・解決する力が育つ

子ども自身が自分で考えて選択し、答えを出すことで主体性が育まれます。大人は、子どもに「〇〇と△△どちらがいい?」「☐☐したい?」など、「はい」「いいえ」で答えられる質問をなるべく避けて、子ども自身で考えて答えるような質問をすることを意識してみてください。

たとえば、「今度のお休みの日は何がしたい?」「今日は、どの靴を履いていく?」など、子ども自身が答えを考える必要がある質問をすることで、主体的に判断・行動・解決する力が身に付きます。

もし、まだ一人で考えるのが難しい様子がうかがえたときは、いくつかの選択肢を用意してあげることで、だんだん判断力がついてくるでしょう。

豊かな人間性が育つ

豊かな人間性とは、相手への思いやりや感謝の心を持つこと、自分をコントロールして他者と協調する力を持つことです。子どもはのびのびと自由に遊ぶ中で、様々なものに興味を持ちます。

たとえば、空き箱やペットボトル、新聞紙や紐などの廃材を準備しておくと、子どもは自由に好きなものを作り始めるでしょう。「何を作ろうかな」「どうやったらできるかな」と試行錯誤する中で、創造力や工夫する力、失敗してもあきらめない忍耐力が育くまれます。

また、「ごっこ遊び」は、子どもが大好きな遊びです。自分の日常の経験を活かしてごっこ遊びに反映させたり、お友だちと役割分担をしたりしながら遊ぶことで、表現力や協調性が育まれます。

自由にのびのびと遊ぶ中で、このような豊かな人間性が育っていくのです。

健やかな身体が育つ

乳幼児期は特に、大人が子どもの環境設定をしっかりと行うことが重要です。のびのびと遊べる場所へ連れて行ったり、子どもが興味を持つような外遊びやゲームの提案をしたりして、主体的に体を動かして健やかな身体が育つようサポートしてあげましょう。

また、健康でいるためには日々の生活習慣や食事が大切です。乳幼児期は、大人がサポートしながら子どもが主体的に規則正しい生活ができるようにサポートしてあげましょう。ここでも、大人が「もう寝る時間よ」「歯磨きしなさい」など誘導するのではなく、子どもが「次に何をするのか」「どうするのがいいか」を、自分自身で考えて行動できるような声掛けを意識します。

たとえば、夕食を食べた後にお風呂に入って歯磨きをして就寝、という生活習慣を身につけるためには、子どもにどのような声掛けを行うのがよいでしょうか。大人は「ご飯おいしかったね、今日もたくさん遊んだから、体をきれいにして気持ちよくしたいね」などと、次に何をしたらいいかと連想できるような声掛けをしてみましょう。子どもは、自分で「気持ちよくなりたいから、お風呂に入ろう」と行動を起こすことで、自分自身が選択した行動と認識します。

つまり「お風呂に入りたいから入る」と考えるため、主体的に行動しながら健康的な生活習慣が身についていく、ということです。

また、健康な体と情緒の安定は密接な関係があります。健やかな身体が育つことで、イライラやストレスに対応できる強い精神力が育まれます。変化の激しいこれからの社会を生き抜くために必要な「生きる力」を持った大人に成長することができるでしょう。

ポピンズナニーのエデュケアは「自由にのびのび育てる」保育のお手本

ポピンズのナニーは、「エデュケア」を通して自由にのびのびと保育を行い、生活や遊びを通してお子さま一人ひとりが主体的に行動できるようサポートしています。

ポピンズのエデュケアとは

ポピンズのナニーは、ポピンズ独自の教育法としてエデュケーション(教育)とケア(保育)を組み合わせた「エデュケア」という保育を行っています。乳幼児期からのお子さま一人ひとりの個性と能力を育み、知的好奇心を刺激して主体的に考える力や表現力を伸ばす保育として、ポピンズナニーが実践している教育法です。

ポピンズエデュケアは人生で最も重要な時期の人間教育を目指します。

教育方針

  • 寛容な人間
  • 聡明で愛情深い人間
  • 探求心の旺盛な人間
  • グローバル社会で活躍できる人間

この教育方針は、文部科学省が推奨する「変化の激しいこれからの社会を生き抜くために必要な生きる力を育てる」ことにつながります。エデュケアでは、お子さま一人ひとりの持って生まれた力を見極め、伸ばし、新しい可能性を見つけて引き出すために、ナニーは環境設定を行いながら、責任をもってお子さまと関わっています。

ポピンズナニーのエデュケア実践法

ポピンズのナニーが実践しているエデュケアを具体的にご紹介しましょう。

たとえば、ナニーが率先して美しく丁寧な日本語を使うことで、お子さまが自然と美しい日本語を言語として習得していきます。

また、散歩中にお子さまが公園にいる鳩に興味を示したら、「鳩がたくさんいるね」「一緒に数えてみようか」などの声掛けを行うことで、数量に興味を持つようになっていきます。季節を感じられる公園で一緒に木の実や草花を見つけて持ち帰り、季節の制作を行うことで、創造力や表現力が身につきます。

児童館などを訪問して、お子さまに自分以外の他者と交わる体験をさせてあげるのも社会性、コミュニケーション能力を育むよいチャンスでしょう。そして、「よくできたね」「〇〇ちゃんが△△してくれて、とてもうれしいわ」などお子さまが自己肯定感を高められるような声掛けを常に心掛けています。

今回は、「自由」と「放任」の大きな違いは、子どもに対する大人の関わり方である、という解説をしました。大人が環境設定を行いながら、責任をもって子どもと関わることが保育や子育てを行う上でとても重要であるということを理解していただけたのではないでしょうか。

そして、ポピンズナニーのエデュケア実践法についてもご紹介しました。エデュケアは、日常の中でお子さまの知的好奇心を刺激して主体的に考えたり表現したりできるようにする教育法です。

今回ご紹介した実践法で「これは使えそうだな」と思えるものがあったら、ぜひ保育に取り入れてみてくださいね。

ポピンズナニーは、このような関わり方をしながらお子様の成長に寄与する、とてもやりがいのあるお仕事です。ご興味のある方はぜひ一緒にお仕事をしてみませんか?詳しくはこちらをご覧ください→

この記事を書いた人

五島 由紀子
保育・教育関係に携わって15年以上。保育園施設の管理職を経て、2022年よりフリーランス保育士として活動開始。 保育士免許・幼稚園教諭二種免許・子育て支援教育カウンセラー資格・キッズマナー講師資格取得。ポピンズナニーの経験を活かした保育・教育特化ライター。 現在は、保育に携わりつつ、心理カウンセラーとしてSNS相談サイトや心理カウンセリングサイトでのカウンセラー業務を行っている。趣味はベリーダンス。産業カウンセラー資格取得に向けて勉強中。

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