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現役スーパーナニー直伝!手遊び歌で育む発達と月齢別のかかわり方

2025.10.19
現役スーパーナニー直伝!手遊び歌で育む発達と月齢別のかかわり方

手遊び歌は、保育の現場やご家庭でごく自然に取り入れられている遊びのひとつです。歌に合わせて手を動かすだけのシンプルなものですが、その中には乳幼児の心と体を豊かに育む大きな力が秘められています。私はナニーとして日々たくさんのお子さまと過ごす中で、手遊び歌を楽しむ時間が、お子さまたちに笑顔をもたらし、成長の糧になっていることを実感しています。

この記事では、手遊び歌が乳幼児の発達にどのように役立つのかを、言語能力・運動能力・社会性・感情の発達の面からお伝えし、さらに月齢ごとにどのような工夫ができるのかをご紹介します。最後に、ナニーとして心に留めておきたいかかわり方のヒントもお伝えします。

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手遊び歌がもたらす発達への効果

1. 言語能力

歌のリズムや繰り返しのある歌詞は、乳幼児にとって「言葉のリズム」を体で感じ取るよい機会になります。まだ話せない赤ちゃんも、耳に入る音を真似しようと口を動かしたり、声を出したりします。

たとえば「手をたたきましょう」という手遊び歌では「たんたんたん」「たんたんたん」、「あっはっは」「あっはっは」と短いフレーズを何度も繰り返すので、リズムを覚えやすく発語につながっていきます。実際にまだ話せない月齢のお子さまが「あっあっあー」「あっあっあー」と可愛らしい声を出す様子はよく見られます。繰り返すなかで「手をたたくって、こういう意味なんだな」「あしぶみって、こうすることなのね」「あっはっはって笑うことなのね」と自然と言葉の意味を覚えていきます。

2. 運動能力

手指を動かすことは脳に良い影響を与え、脳の発達を促すと言われています。たとえば「グーチョキパーでなにつくろう」は手指を動かし、さらに「右手がグーで、左手がパーで」など左右で違う動きもします。

「あたまかたひざポン」のように、歌に合わせて指や手、腕を動かすことは、自然と細やかな運動の練習になります。リズムに合わせて全身を揺らしたり拍手したりすることは、リズム感を養うと共に体のバランス感覚を育てます。

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3. 社会性

手遊び歌は、一緒に遊ぶ相手がいるからこそ楽しいものです。大人が歌いかけ、子どもが真似をして返すというやりとりの中で、「相手と一緒に楽しむ」経験を積むことができます。これは社会性の基礎である「相互作用」を学ぶ貴重な時間になります。

4. 感情の発達

歌の世界に入り込んで楽しむことで想像力を刺激し、自己表現の楽しさを学ぶことができます。たとえば「こぶたぬきつねこ」と言う歌では「ブーブブー」と豚の真似をしたり、「ポンポコポン」とタヌキになってお腹の太鼓をたたいたり。「おべんとうばこのうた」を「象さんのお弁当を作りましょう」と言うと、大きな動作で「これっくらいの!」と歌い「アリさんのお弁当よ」と言うと、小さな声と小さな動きでアリさんのお弁当をつくります。「大きなたいこ、小さなたいこ」も目の前にまるで大きな太鼓と小さな太鼓があるように表現します。そしてとびっきりの笑顔で「楽しいね」「嬉しいね」という気持ちを安心して表すのです。

月齢ごとの楽しみ方と工夫

0〜6か月頃

この時期はまだ手を上手に動かせませんが、大人がゆったりと歌いながら子どもの手を優しく握り、簡単な動きをつけてあげるとよいでしょう。

例えば「ちょちちょちあわわ」のように手を合わせる遊びは、赤ちゃんに心地よい刺激を与えます。赤ちゃんは耳でリズムを感じ、視覚で大人の表情を見つめ、手のぬくもりで安心を覚えます。

6〜12か月頃

少しずつ手を伸ばしたり、拍手をしたりできるようになります。「いないいないばあ」や「グーチョキパーでなにつくろう」のような繰り返しのある歌を一緒に歌うと、子どもが自ら動きを真似しようとする姿が見られます。まだ完璧にできなくても、「やってみたい」という気持ちを大切に受け止めましょう。

1〜2歳頃

言葉も動きもぐんと発達する時期です。大人と一緒に歌詞を口ずさんだり、簡単な動きを覚えて繰り返したりします。「大きな栗の木の下で」など、全身を使って表現できる歌を取り入れると、のびのびと楽しめます。また、友達や兄弟と一緒に手遊びをすることで、やりとりの楽しさも広がっていきます。

2〜3歳頃

この時期になると、自分で歌いながら動きを工夫する姿が見られるようになります。「次はこうしてみよう!」とアレンジを加えるのも成長の証です。社会性も発達してくるため、みんなで一緒に歌い、同じ動きをすることが「仲間意識」につながります。集団保育の場ではとてもよい経験になります。

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ナニーとして心掛けたいこと

子どものペースに寄り添う
できる・できないではなく、「楽しんでいるか」を大切にしましょう。手が動かなくても、表情や声で応えてくれていればそれだけで十分です。

表情豊かに歌う
大人が楽しんでいる姿は、子どもにとって一番の刺激です。声の抑揚や表情を豊かにすることで、子どもはより言葉や感情を吸収しやすくなります。

繰り返しを大切にする
同じ歌を繰り返すことは、安心感と学びにつながります。大人が飽きてしまっても、子どもにとっては「もう一回」が嬉しい時間なのです。

安心できる環境で行う
周りが騒がしいと歌や動きに集中できません。落ち着ける環境で、スキンシップを交えながら行うことが効果的です。

おわりに

手遊び歌は、特別な道具もいらず、すぐに始められる遊びです。しかしその中には、言葉を学び、身体を育み、人とつながるための大切な要素がたくさん詰まっています

ナニーとして子どもたちと接する中で、「この小さな歌と動きの積み重ねが、未来につながっていくんだ」と感じる瞬間が何度もあります。保育者を目指す方も、日々の保育の中で「手遊び歌」というささやかな時間を大切にしていただけたらと思います。

手と手を合わせ、声を合わせることで生まれる笑顔は、子どもたちの成長を支える力そのものです。このように、ただお預かりするだけでなく、ご家庭の方針にのっとり、お子様の成長発達に寄与するかかわりをするのがナニーのお仕事です。あなたもポピンズでナニーとして私たちと一緒に働いてみませんか?ナニーのお仕事についてもっと知りたい方はこちらから→

この記事を書いた人

ポピンズはなこ
現役のスーパーナニーとして、日々さまざまなお子様とご家庭に寄り添っています。 3人の子どもを育てあげ、子育てがひと段落した頃、「今度は自分の好きなことを仕事にしたい」とナニーの道へ。 より深くお子様と関わるために保育士資格も取得しました。 お子様の笑顔に励まされながら、今日も心をこめてナニーのお仕事に向き合っています。

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