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黒子として振る舞うということ―ポピンズファミリーケアのナニーに求められるプロフェッショナリズム

2025.05.19
  • ナニー
  • 資格・キャリアアップ

「ナニー」という職業に、どのようなイメージを持っていますか?

子どもと遊んだり、成長をサポートしたり――愛情と責任感に満ちた素晴らしい仕事であることは間違いありません。しかし、ポピンズファミリーケアが求めるナニーには、もう一つ、非常に重要な素養があります。それが、黒子として振る舞う力です。

黒子とは、舞台の上で演者を支える存在。目立つことなく、ただひたすらに主役を引き立てる役割です。ナニーの仕事も、まさにこれに通じます。

今回は、「黒子として振る舞う」ということの意味、そしてそこに秘められた誇りについて、お伝えしたいと思います。

「黒子」という立ち位置

歌舞伎や伝統芸能の世界では、黒装束を身にまとった「黒子」が舞台上を行き交います。観客の視線には入っていても、舞台の進行を妨げない。大道具を素早く入れ替えたり、役者をサポートしたり――しかしあくまで「いないもの」として振る舞うのが黒子の仕事です。

目立たず、存在感を消し、誰よりも舞台を支える。それは、決して簡単なことではありません。自分を抑え、状況に合わせて動き、役者の一瞬の動きすら見逃さずに察する。黒子のプロフェッショナリズムは、舞台芸術を陰から支えるための最高の技術と心得に満ちています。

ナニーもまた、家庭という小さな社会において、同じ立場を求められます。ご家庭での主役は、あくまでお子さまとご家族。その中で、そっと手を差し伸べ、必要なサポートを提供する――そんな黒子的精神が、ポピンズファミリーケアのナニーには欠かせないのです。

ナニーに求められる「黒子力」

ナニーは自己流を押し付けることをしません。主役はお子さまとご家族。ナニーは、その背後から支える存在です。もちろん、時には教育的指導をする場面もあります。しかし、それも「家庭の方針に寄り添う」という前提のもとに行われます。自分自身の流儀を押しつけるのではなく、ご家庭のリズムや考え方を尊重し、それに溶け込む柔軟さが求められます。

例えば、食事の時間にお子さまがぐずった時。

ナニーは、叱りつけるのではなく、ご家族がこれまでどのように対応してきたかを思い出し、同じトーンで関わろうとします。お子さまにとっては「いつも通り」の安心感を保つことが何より大切だからです。

ナニーの「黒子力」は、目に見える成果ではありません。しかし、その影には、目立たない努力と細やかな配慮が息づいています。

黒子として働くための心構えとスキル

観察力と先読み力

黒子に必要なのは、言われる前に動く力。ナニーもまた、状況を素早く読み取り、お子さまやご家族が次に何を必要とするかを察知します。

  • お昼寝のタイミングを逃さない
  • お子さまが飽きてきた瞬間に次の遊びを用意する
  • 親御さんがお忙しそうなら、さりげなく家事をサポートする

こうした細やかな観察と先回りの力が、信頼へとつながっていきます。

適切な距離感

親しみやすくありながら、踏み込みすぎない。「黒子」であり続けるためには、絶妙な距離感を保つことも重要です。

家族のように心を寄り添わせますが決して家族ではありません。むしろ、プロフェッショナルとして一定の距離を保ち、冷静な判断を下せる立場でいることが、よりよいサポートを可能にします。

柔軟な対応力

ご家庭ごとに文化も価値観も違います。自分の価値観に縛られず、その家庭、その子どもに合わせて柔軟に対応する――そんな器の大きさが求められます。

ご家庭が何を大切にしているのか、何を望んでいるのか――それを正しく理解するには、ただ話を聞くだけでなく、背景をくみ取り、観察し、対話を重ねていく必要があります。ナニーはその「大切」を読み取り、自身の知識と経験を組み合わせてご家庭とのすり合わせをし、「最善の行動」を選択します。

そのうえで「何を、どのように、なぜやるのか」ご家庭に納得していただける根拠のあるお世話をします。

ナニー自身も学び、磨く

「ご家庭の方針を尊重し、自己流を押し付けない」こと。これはナニーとして絶対に守るべき姿勢です。同時に、提案できるだけの知識や経験を常に更新していくことも、プロの条件です。

最善の行動を選択するためには、「自分自身が正しいかどうか」を常に問い続け、知識をアップデートすることが不可欠です。学びを止めない姿勢が必要です。

ポピンズファミリーケアでは、そのために研修制度や学びの場をしっかり整えています

継続的に関わるナニーだからこそ

一時的なサポートであれば、マニュアル通りの行動だけでも十分かもしれません。しかし私たちが目指すのは、継続的に関わり続けるナニーとしての在り方です。時間をかけて関係性を築き、生活リズムを把握し、少しずつ信頼を深めていく。そうしてはじめて見える「そのご家庭の本当の望み」に寄り添うことができるのです。

黒子としてのふるまいとは、見えないところで、ご家族の理想の子育てを形にするということ。ナニーは、主役ではありません。

けれど、その存在がなければ、家庭という舞台は決してなりたたない――それほどに重要な、プロフェッショナルな存在なのです。

終わりに

黒子として、家庭を支えるナニー。

それは、ただの裏方ではなく、「信頼」「提案力」「柔軟性」「観察力」――あらゆるプロフェッショナリズムが求められる仕事です。

ポピンズファミリーケアは、そんな「黒子」としての矜持を持つナニーを求めています。

子どもの成長を支え、ご家族の想いを形にし、自分の技術と知識が誰かの人生の一部になっていく――その実感は、何にも代えがたいものです。

そんな特別な役割を担ってみませんか?あなたの中に眠る「黒子力」、私たちは待っています。

ご興味のある方はぜひこちらからご応募ください→

この記事を書いた人

ポピンズはなこ
現役のスーパーナニーとして、日々さまざまなお子様とご家庭に寄り添っています。 3人の子どもを育てあげ、子育てがひと段落した頃、「今度は自分の好きなことを仕事にしたい」とナニーの道へ。 より深くお子様と関わるために保育士資格も取得しました。 お子様の笑顔に励まされながら、今日も心をこめてナニーのお仕事に向き合っています。

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