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雨の日も安全安心に!ナニーの送迎サポート~工夫と心配り、雨の日ならではの楽しみ方~

2025.06.18
  • ナニー
  • 子育て知識

ナニーのお仕事にはさまざまな役割がありますが、その中でも「送迎」は、ご家庭から厚い信頼を寄せられている大切な業務のひとつです。

「園やお教室のお迎えから、そのままご自宅でのお預かり」や、「お預かりの時間内にお稽古ごとへの送迎を行う」といったご依頼はよくあるパターンです。「朝ご自宅に伺いお着替え、朝食などの朝のお仕度をサポートしてから保育園や幼稚園にお送りする」というご依頼もあります。

お子さまの毎日のリズムに寄り添いながら、安全に、そして楽しく過ごす時間をつくる。それが送迎に関わるナニーの役目です。

安全に、時間通りに——信頼を支える基本姿勢

送迎のお仕事でまず大切なのは、「安全に」「時間通りに」行動することです。

徒歩でも、電車でも、バスでも、あるいはタクシーでも——そのご家庭ごとにご指定の方法に従い、落ち着いて行動することが求められます。お子さまとは必ず手をつなぎ、交通ルールや周囲への配慮を意識しながら、安全に目的地へ向かいます。

公共交通機関を利用する際には、ナニー自身がよき手本となるよう、乗り物の中では静かに過ごし、降りる人を優先するといったマナーをお子さまと一緒に実践します。こうした日々の積み重ねが、お子さまにとって大切な社会経験につながっていきます。

移動時間は、心を育む「小さな旅」

とはいえ、送迎はただ「連れて行く」「迎えに行く」だけではありません。

ナニーにとっての送迎は、移動時間を「楽しく、学びのあるひととき」に変える、クリエイティブなお仕事でもあります。

たとえば、電車やバスの中では、しりとりやなぞなぞをしたり、「次の駅はなにかな?」「あと何駅で降りるのかな?」といった会話を通して、お子さまの興味や記憶力を楽しく刺激することができます。

徒歩での移動なら、お子さまから園での出来事を聞きながら歩いたり、一緒にお歌を歌ったり、道ばたの草花や季節の変化に目を向けたり……。右と左、信号の数や色、通り過ぎるお店や建物の名前など、ふとしたことがすべて「遊びながら学べる」きっかけになります。

移動の時間には絵本やおもちゃはありません。でも、ナニーとお子さまとの温かなやりとりがあれば、それだけでじゅうぶんに楽しく、豊かな時間をつくることができるのです。

雨の日の送迎は「時間のゆとり」と「心の余裕」がカギ

晴れた日の送迎に比べて、雨の日には想像以上に気を遣う場面が多くなります。傘やレインコートを使うぶん手がふさがれやすく、足元も滑りやすくなるため、転倒などのリスクも高まります。また、交通機関の遅延や道路の混雑も想定されるので、「いつもの時間」では間に合わないことも。

だからこそ、雨の日の送迎でまず大切にしたいのは時間に余裕を持つことです。数分早くお迎えに行く、少し早めに出発することで、移動中の焦りをなくし、お子さまとしっかり向き合うことができます。

次に大切なのが、お子様の「安全な歩行」をサポートすることです。

小さなお子様は、水たまりに飛び込んでみたくなったり、葉っぱに落ちる雨粒を見つめたりと、雨の日ならではの興味がいっぱい。そんな好奇心を大切にしながらも、滑りやすい場所や段差、車の通行がある場所では、しっかりと手をつないで歩くようにしています。

特に注意したいのが、お子様が傘をさして歩く場合です。傘を持つと視界が狭くなり、バランスを崩しやすくなるため、歩道の幅や周囲の状況に応じて声をかけたり、必要に応じて傘の使い方を一緒に確認したりします。風が強い日などは、レインポンチョやフード付きのレインコートを活用することもあります。

また、両手がふさがってしまうと咄嗟の対応が難しくなるため、ナニー自身もリュックやショルダーバッグを使って、両手を空けた状態で動けるよう工夫しています。傘を持ちつつ、お子様の様子をしっかり見守ることができるよう、持ち物の持ち方にも配慮しています。

そして見落とされがちですが、濡れたものの扱いにも細やかな気配りが求められます。例えば、ベビーカーやレインカバーは、使用後すぐに畳まず、風通しのよい場所で乾かすようにしています。

お子様の園バッグや帽子が濡れていたら、柔らかい布でさっと拭いてからお渡しすることで、保護者の方にも安心していただけます。こうした小さな気遣いの積み重ねが、ナニーとしての信頼にもつながっていくと感じています。

さらに、事前にルートを再確認し、安全に通れる道を選ぶことも重要です。階段や段差、側溝など、雨の日に危険が増す場所を避けるだけで、事故のリスクをぐっと減らせます。

雨の日の送迎にあると便利なアイテム

雨の日の送迎では、ちょっとした準備が大きな安心につながります。以下は、ナニーがよく使っている便利グッズの一例です。

  • 折りたたみ傘:急な雨のときでも対応できるよう、軽くて丈夫なものを常備しておくと安心です。
  • レインコート:両手が自由になり、安全性が高まります。ポケット付きのものだと、ハンカチやティッシュもすぐに取り出せます。フード付きのものは少しの雨の時に便利です。
  • 大きめのビニール袋や撥水性のあるエコバッグ:濡れたものをサッと収納するためだけでなく、移動中の荷物にかぶせて濡らさないようにするために使用します。ナニーの濡れたレインコートなどを入れるためにも必要です。
  • 薄手のタオル:ご自宅に入る前にナニー自身の衣服や荷物を拭いたり、お子さまの荷物や足、ベビーカーやレインカバーの水滴を拭きます。 ビニール袋に入れて携行します。
  • 滑りにくい靴:ナニー自身の靴も、濡れた地面で安全に歩けるよう、しっかりしたものを選びましょう。
  • 予備の靴下:お客様のお宅では、真っ白で清潔な靴下を着用することがポピンズナニーの基本です。天候が悪い日には予備の靴下を持参します。

雨の日だからこその楽しみも

雨の日の送迎には、負荷や注意点が多い一方で、「雨の日ならではの楽しみ」もたくさんあります

たとえば、雨の音に耳をすませてみたり、「水たまりに空が映ってるね」と話しかけたり。

葉っぱの上でころころ転がる雨粒を見つけるだけでも、お子様の表情がぱっと明るくなります。ナニーは、そうした発見や気づきをお子様と一緒に楽しみながら、安全に目的地まで向かう時間を大切にしています。

「今日はどんな雨かな?」「カエルの模様の傘、かわいいわね」――そんなさりげないやりとりの中で、お子様の心も落ち着き、安心感が生まれます。

おわりに

雨の日の送迎は、ナニーにとって体力的にも注意力的にも負荷のかかる時間です。

それでも、お子様にとっては、日常の中にあるちいさな冒険。だからこそ、ナニーは安全を第一に考えながらも、その時間が楽しいひとときになるよう、心を配りながら行動しています

「雨の日も安心して任せられる」――そんな存在でいられるように。

今日もナニーは、やさしいまなざしで、お子様の一歩一歩を見守り続けています。

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この記事を書いた人

ポピンズはなこ
現役のスーパーナニーとして、日々さまざまなお子様とご家庭に寄り添っています。 3人の子どもを育てあげ、子育てがひと段落した頃、「今度は自分の好きなことを仕事にしたい」とナニーの道へ。 より深くお子様と関わるために保育士資格も取得しました。 お子様の笑顔に励まされながら、今日も心をこめてナニーのお仕事に向き合っています。

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