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五月病は大人だけじゃない? 子どもの“新年度疲れ”に気づくポイントと家庭でできるケア

2025.05.13
  • 健康管理
  • 子育ての悩み

子どもの“新年度疲れ”に気づくポイントとご家庭でできるケア

4月からの新生活が始まって1か月。子どもたちは、新しいクラスや先生、お友達との関わりの中で、たくさんの「がんばり」を積み重ねています。でも、ゴールデンウィークが明ける頃から「なんとなく元気がない」「学校や園に行きたがらない」「体調を崩しやすい」——そんな変化に気づくご家庭も少なくありません。

実は、大人の「五月病」と呼ばれる状態は、子どもにも起こりうるものなのです。

この記事では、子どもの5月の心と体の疲れについて、看護師ナニーの視点も交えながら、ご家庭でできるサポート方法をご紹介します。

「五月病」って何?——実は正式な病名ではありません

「五月病」という言葉は耳にするものの、実は医学的な診断名ではありません。主に「新しい環境に適応する中で心身に疲れがたまって起こる一時的な不調」を指します。医療的には「適応障害の一つ」と考えられていますが、「障害」と聞くと身構えてしまう親御さんもいらっしゃるかもしれません。適応障害は「新しい環境に慣れようと頑張った結果、ちょっと疲れてしまった心と体のサイン」と捉えるとよいでしょう。

多くの場合、無理せず環境やサポートを整えることで自然と回復していきます。

子どもたちは、新学期の

  • 新しい学校や園
  • 新しい先生や友達
  • 新しい生活リズム

といった変化に心も体もフル稼働させています。特に「頑張り屋さん」「周りに気を使いやすい子ども」「不安が強い子ども」は、知らず知らずにストレスを溜めこみやすく、「もう少し頑張らなきゃ」と無理をしてしまうことも。

周りの大人が「そんなことがあるんだ」と知っておくだけでも、安心して見守れるはずです。

子どもに現れやすい“5月疲れ”のサイン

体のサイン

  • 朝なかなか起きられない、眠りが浅い
  • ぼーっとしている、元気がない
  • 疲れやすい、だるそう
  • 食欲が落ちる
  • 頭痛、腹痛、発熱や風邪を繰り返す

心のサイン

  • イライラ、甘え、不安が増える
  • 好きだったものへの興味が薄れる
  • 登校、登園を渋る
  • やる気が出ない・表情が乏しくなる

自律神経の乱れにもご注意を

春から初夏は、気温差や気圧の変化が大きく、自律神経が乱れやすい季節です。自律神経のバランスが崩れると、

  • だるさ
  • 頭痛
  • 食欲不振
  • 不眠

といった体調不良として現れます。看護師ナニーとしての経験でも、5月は「お腹が痛い」「眠そう」「食が進まない」といった小さな変化が増える時期。一番戸惑っているのは実はお子さま自身です。

「体調を崩しやすい時期なんだな」と受け止め、無理をさせず休養を優先しましょう。

ご家庭でできるサポート5つ

生活リズムを整える

  • 朝は同じ時間に起き、朝日を浴びる
  • 夜はテレビ・ゲームを控え、決まった時間に寝る
  • 朝昼晩バランスよく食事をとる

ご両親も生活リズムを整えることで、自然とお子さまにも良い影響が広がります。

予定を詰めすぎない

  • 週末は「何もしない日」をつくる
  • 習い事やお出かけも無理のない範囲で

「ちょっと暇そう」なくらいが5月にはちょうど良いと考えてみましょう。

お子さまの気持ちを受け止める

  • 「どうして?」と問い詰めず、まず耳を傾ける
  • 「疲れて当然だよ」「頑張ったね」と肯定する
  • 一緒に「どうしようか?」と解決策を考える

ご両親が安心感を示すことで、お子さまは自分の気持ちを整理しやすくなります。

学校(園)の話題を少しずつ出す

  • 「〇〇さん、今どうしてるかな?」
  • 「あと何日で学校(園)だね」

休み明けの見通しを持たせることで、気持ちの準備がしやすくなります。

どっしり構えて焦らない

ご両親が慌てたり不安な姿を見せると、お子さまは「頑張らなきゃ」と無理をしてしまうことも。「そういう時もあるよ」と堂々とした態度で接することで、お子さまも安心できます。

受診や専門家への相談が必要な場合

以下のような場合は、小児科やスクールカウンセラーへの相談をおすすめします。

  • 体調不良が1週間以上続く
  • 頭痛・腹痛・発熱が頻繁に起こる
  • 食欲が戻らない
  • 登校、登園しぶりが強く続く
  • 夜眠れない、朝早く目覚める状態が続く

看護師ナニーとしても、「無理をせず、まず小児科で相談してみる」「学校の先生に伝えてみる」という選択肢を持っておくことは、とても大切だと感じています。

まとめ

「五月病」と呼ばれる子どもの疲れは、多くの場合一過性のものです。

ご家庭で

  • 生活リズムのサポート
  • 小さなサインへの気づき
  • 「疲れても大丈夫だよ」という安心感

を意識することで、子どもは無理せず回復していきます。一方で「頑張れ!」「誰にでもあることだよ」と安易に励ますことは、知らず知らず子どもを追い詰めることもあるので注意が必要です。

ご家庭で安心できる居場所をつくること。これが、お子さまが元気を取り戻す一番の近道だと、私たち看護師ナニーも日々実感しています。もし「じっくり見守る余裕が持てない…」という時には、私たちナニーのような専門家の力を借りることも検討してみてください。

信頼できる大人がそばにいることで、お子さまは安心して心も体も整えていけるはずです。ご家庭のペースで、焦らずゆっくり見守ってあげてくださいね。

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この記事を書いた人

Naoka
看護師、保育士、養護教諭の資格を持つナニーとして活動しています。これまで保育園や小学校、放課後デイサービスなど、さまざまな現場で経験を積んできました。現在ナニーのお仕事をしながら、療育施設にて自閉症スペクトラム症のお子さまたちの支援に取り組んでいます。

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