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お散歩でみつけよう!学びと発見はこんなところに

2024.12.27
  • 子育ての悩み
  • 子育て知識

お散歩は、五感や運動能力の発達のため推奨されています。

しかし、ただ歩いているだけで本当に子どもの成長に役立つのか不安に感じている方もいるのではないでしょうか。

日常の散歩をもっと楽しく、もっと有意義なものにするには、どのように工夫したらよいのでしょうか。

保育のプロであるナニーがお散歩の時にしている事をお伝えしますので、参考に考えてみましょう。

お散歩のねらい

①身体的発達のサポート

歩くことは、子どもの筋肉や骨格の発達、バランス感覚の向上に繋がります。歩くことにより体力がつき、基礎代謝も上がり、心肺機能も高まります。

②自然との関わりを通じて感性を磨く

季節の変わり目や、自然の中での小さな発見は子どもの五感を刺激し、感受性や想像力を育む素晴らしい機会となります。

③生活リズムを整える

日光を浴びるとセロトニンと呼ばれるホルモンが分泌されます。夜間の睡眠の質が高まるのです。たくさん歩くことで食欲が増し、夜はよく眠れるようになり成長に大きく繋がります。

④挨拶の大切さを学ぶ

お散歩中、地域の人と出会う時に「こんにちは」「さようなら」と大人が挨拶の見本を見せましょう。相手から返礼があることで自分が認められたと感じる事ができます。これは、子どもの自己肯定感を高めます。また、自分から挨拶をするのを習慣にすれば、子どもの積極性や主体性を育む事にも繋がります。

⑤気分転換をする

外出することによって、いつもと違った空気を感じることができます。

⑥交通ルールを覚える

道路の歩道の部分を歩く、急に飛び出さない、横断歩道を渡るなど

簡単なルールから伝えます。

年齢別お散歩を有意義に過ごすコツ

0歳児 声を掛けながら歩いてみよう

生後28日未満の新生児は、感染症に対する抵抗力が弱いため、なるべく外出を控えた方がよいとされています。赤ちゃんのお散歩デビューは、1ヶ月検診の後を目安にします。

◆散歩時間

最初は5〜10分程度からスタートし、少しずつ時間を延ばしていきましょう。慣れてきたら30〜60分程度が目安です。

◆場所

自宅周辺をぐるっと周るだけでも外の光や風、音を感じられます。公園は更に刺激がたくさんあります。草木や花、カラフルな遊具、子ども達の遊んでいる声、鳥のさえずりなどです。

◆頻度

毎日必ず行かなければならない訳ではありません。

「買い物に行くついでに」

「用事を済ませるついでに」という感覚でお散歩を楽しみましょう。

◆お散歩中にやってみよう!

0歳児はまだ話すことが出来なくても、視覚や聴覚によってさまざまなものを感じ取っています。子どもが見たものを、大人が声に出して伝えることで、言葉が育つと言われています。

「風が吹いて気持ちいいね!」

「ワンワンが来たね!」

「葉っぱが、ひらひら落ちてきたね!」とお散歩中に見つけた事をナニーがお話しするとお子様は声を出して応えてくれます。

1〜2歳児 子どものペースでお散歩しよう

1歳になると目に入る全てが新鮮な驚きです。自我が芽生え、歩行が安定することで好奇心と冒険心が育ち「自分で歩きたい!」という気持ちが出てくる時期です。

お散歩の距離を長くしたり、自分で歩いたりすることで、お散歩を一層楽しめるようになります。

お散歩途中には、子どもの目が輝く瞬間がいっぱいです。四季の変化を五感で感じながら、学びへと繋げていきます。

2歳児は自我の発達から自己主張もでてきます。何事にも興味津々、自分でやりたい!という気持ちの芽生えをしっかりと受け止め、お散歩中に興味のあるものがあったらぜひ、立ち止まってみましょう。 

◆お散歩中にやってみよう!

やりたい気持ちや、子どもの揺れ動く気持ちに寄り添い、共感することを大切にしましょう。

公園に行くと、遊具で遊びたい気持ちがでてくる年齢です。急に走り出し、他の子どもにぶつかりそうになったり、車や自転車と接触しそうになったりと危険は多いので、サポートは欠かせません。お話しも理解が出来る年齢ですので、先にお約束をするのもおすすめです。

例えば、「手を繋いで公園まで行こうね」「お友達と仲良く遊ぼうね」「公園の中では1人で走らないお約束ね」と幾つかのお約束をします。

そして約束が守れたり、挑戦したことが出来たりしたら褒めましょう。他にも虫を発見した時や、きれいなお花を見つけた時など「見つけたね!」とたくさん褒めましょう。大人にとって当たり前のことでも、子どもにとっては大きな成長、大きな喜びです。お子さんの目をよく見てください!キラキラしています。さらに、褒めてもらえたことで「また、やってみよう!」とやる気に満ちあふれることでしょう。

共感し、一緒に喜び、褒めることで子どもの自己肯定感が育まれるのです。自己肯定感が高くなると自分を受け入れ、自信を持つ事が出来るようになります。自分のことが好きで、自分には価値があると思えているので、ものごとに積極的に取り組むことが出来るのです。

3歳児〜 探究心を高める工夫をしよう

好奇心旺盛になり、きれいな葉や木の実を拾ったり、虫を触ったりと、見るだけではなく、自分で行動するようになります。

また、散歩をしながら信号の色の意味など、簡単な交通ルールを覚えられるようになります。

◆お散歩中にやってみよう!

子どもが興味を持つような言葉掛けをしてみましょう。

例えば、「あの花は何色かな?」「バスはどこに行くのかな?」などお散歩中に目に入ったものを子どもに質問してみましょう。子どもの発想で大人の思いつかないような、かわいいお返事が返ってくるかもしれません。

子どもが返事に悩んだときは、そこでストップせずに大人も一緒に考えながら会話を楽しみましょう。そうすることによって、子どもの好奇心がより湧くでしょう。

子どもからも大人に質問がしたい時期です。

「この花はなに?」

「この虫は何をしてるの?」など尋ねられるかもしれません。  

もし答えがわからない時は、「お家に帰って調べてみようね」と学習する時間を設けることで、子どもの探究心を深めるきっかけになるでしょう。

3歳児以降は更に発展してみよう

  • 落ち葉や木の実が落ちていたら「これはどこから落ちてきたのかな?」と、下だけではなく上を見上げてみて発想を変えてみよう
  • 集めたものの大きさや色を比べてみよう
  • 集めたものを色別に並べてみよう
  • どんぐりにもいろんな形や種類があるので並べて比べて調べてみよう

探したり集めたり観察したり。楽しみ方はいろいろあります。

集めたもので製作あそび

落ち葉を数枚拾ったものを使って、製作あそびに発展させましょう。

お散歩中の出来事を思い出し、お話ししながら作ると更に楽しい時間を過ごせます。

<材料>

  • 画用紙
  • クレヨン
  • のり
  • ハサミ
  • 落ち葉数枚

<作り方>

①画用紙をふくろうの形に切ります。

②クレヨンで、ふくろうの目と口を描きます。

③落ち葉を羽に見立てて、のりでふくろうに貼ります。

お散歩中の持ち物

以下があると安心です。

  • 飲み物 子どもは動きが活発なため、大人よりも汗をかきます。気温は低くなっても、水分補給を忘れずに
  • 帽子 直射日光を避けます
  • 上着又はバスタオル お散歩スタート時よりも急に温度が下がる日もあるので、必ず持参します。バスタオルはベビーカーに座った時のひざ掛けとして役立ちます
  • 子どもの靴は履き慣れた運動靴 サンダルやブーツよりも履き慣れた運動靴にしましょう

まとめ

お散歩中にナニーとして一番気をつけている事は安全面です。

怪我や交通事故がないように常に目を配り、気を配っています。

そして常にお話し掛けをして興味を引き出すように心掛けています。

目にしたものに合ったお歌を歌ったり、会話の中からお子さまからのアイデアの提案をひきだしたりなど発展に繋げていきます。

お散歩は工夫次第で、子どものさまざまな姿に出会えるのです!

子どもは日常の中で多くのことを学んでいます。

大人が機会をつくり、しっかりサポートすることで、より豊かに成長していくことでしょう。

明日からのお散歩に是非、取り入れてみてはいかがでしょうか。

この記事を書いた人

ハタノケイコ
大学にて幼児教育を学び幼稚園教諭ニ種取得。 卒業後は大手百貨店に就職し接客について学ぶ。 児童館での読み聞かせボランティアをきっかけに再び保育の仕事へ。 40代でポピンズに入社し様々な保育現場で仕事をしながら保育士資格取得。 10年の経験と自身の子育てから感じた事を記事に書いて発信中。

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