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保育士は何歳まで働ける?長く働くコツも紹介

2024.09.27
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  • 職種・働き方

保育士業務はやりがいがある一方で、体力勝負でもあります。保育士を続けたいという思いはあるものの、保育の現場では何歳まで働けるのでしょうか。

この記事では「保育士は何歳まで働けるのか」という点や、長く働くコツを紹介します。

保育士は何歳まで働ける?

保育士の定年はこれまで60歳が通常でしたが、段階的に引き上げられることになりました。公立と私立の保育園の場合を、それぞれ見ていきましょう。

公立保育園の場合

公立保育園で働く保育士は地方公務員になるので、定年は60歳です。再雇用制度を利用すれば、65歳まで延長して働くこともできます。

高年齢者雇用安定法の改正により、定年年齢は段階的に引き上げられ、2031年には65歳になる予定です(※)。

65歳までの雇用確保(義務)に加え、65歳から70歳までの就業機会を確保 するため、高年齢者就業確保措置として、以下のいずれかの措置を講ずる努力 義務を新設。(令和3年4月1日施行) ① 70歳までの定年引き上げ ② 定年制の廃止 ③ 70歳までの継続雇用制度(再雇用制度・勤務延長制度)の導入 (特殊関係事業主に加えて、他の事業主によるものを含む) ④ 70歳まで継続的に業務委託契約を締結する制度の導入 ⑤ 70歳まで継続的に以下の事業に従事できる制度の導入 a.事業主が自ら実施する社会貢献事業 b.事業主が委託、出資(資金提供)等する団体が行う社会貢献事業

※厚生労働省:高年齢者雇用安定法改正の概要 p2

https://www.mhlw.go.jp/content/11600000/000694689.pdf

私立保育園の場合

私立保育園の場合、通常経営側が定年の年齢を決めます。現在は定年が60歳、再雇用で65歳まで働けるケースがほとんどですが、将来的には65歳定年が標準となることが予想されます。

その上で、時短やパートで働くなどの働き方を、上司と話し合って決めるのが一般的です。

保育士の平均年齢はどのくらい?

保育士の平均年齢は、2019年時点で36.7歳です。内訳や勤続年数などを見ていきましょう(※)。

※厚生労働省:保育の現場・職業の魅力向上検討会(第5回)参考資料1令和2年8月24日 保育士の現状と主な取組 p39

https://www.mhlw.go.jp/content/11907000/000661531.pdf

保育士の平均年齢

2019年の賃金構造基本統計調査によると、保育士の平均年齢は36.7歳、勤続年数の平均は7.8年です。下の表は2018年度の調査結果で、保育施設の性別・年齢層別職員構成割合(平均)を表しています(※)。

年齢構成割合(%)
30歳未満32.9
30歳代25.6
40歳代20.5
50歳代14.4
60歳代5.7
70歳代0.7
合計100

保育職員の約3分の1が30歳未満である一方、50~70歳代が20.8%です。保育士は、平均年齢が低いという実情がある中、それでも約5人に1人は50歳以上の職員の活躍が見られます。

※厚生労働省:保育の現場・職業の魅力向上検討会(第5回)参考資料1令和2年8月24日 保育士の現状と主な取組 p28

https://www.mhlw.go.jp/content/11907000/000661531.pdf

保育士の平均年齢が低い理由

保育士の平均年齢が低い理由は、以下の2点が考えられます。

 ●女性が9割以上を占める職種である

 ●体力的負担が大きい職場環境である

「出産育児のために休職する」「家庭事情を優先するために仕事を控える」というのは、女性ならではの事情です。

また「体の一部に負荷がかかる」「体力を消耗する」という業務が多く、これらが保育士年齢の平均値が低い主な原因となっています。

保育士として長く働くコツ

ここからは、現役の保育士として長く働き続けるコツを4つお伝えしていきます。

働きやすい職場を選ぶ

ある程度年齢が上がっても働き続けるためには、働きやすい職場を選ぶことが肝要です。職場環境の以下の点について、改めて考えてみましょう。

  • 子どもの数
  • 施設の構造や広さ
  • 通勤のしやすさ
  • 園の経営方針
  • 上司の考え方
  • 全体的な雰囲気
  • 発言のしやすさ など

全てにおいて理想的というわけにはいかないでしょう。自分にとっての優先順位の高いもの、ワークライフバランスをとるために欠かせないことを、一度書き出してみるのも有効です。その上で、総合的に判断してください。

働きやすい環境に身をおくことは、仕事を長く続けるためのポイントです。

心身のケアをしっかりと行う

現役で働き続けるためには、精神面・肉体面の両面でのケアが欠かせません。

日頃からストレスを溜めずに、溜まったときはすぐ解消することを心掛けましょう。人と交流したり、趣味や運動を楽しんだりするのも効果的です。

また、定期的な体のメンテメンテナンスは、極力行うようにしてください。

保育業務は体を酷使する場面が多く、現場を見渡せば腰や膝、手指にトラブルを抱える人が少なくないのが実情です。

運動、バランスのとれた食事、十分な睡眠時間の確保を心掛け、心と体の両面が元気に活動できる状態を、常に保つようにしましょう。

自分に合った雇用形態を選ぶ

自分に最適な雇用形態を選び、保育士として長く働きましょう。パートや派遣、短時間の正社員という雇用形態にシフトすれば、時間や業務が軽減されます。逆に体への負担を減らし、経験や保育スキルを活かして、管理職を目指すのも一案です。

自分に合った雇用形態はどのようなものなのかを考えて、仕事を続けていきましょう。

無理に一つの職場にこだわらない

保育士として長く働くためには、一つの職場にこだわる必要はありません。

前述した職場環境を見直すポイントを参考に、現在の職場が年齢を重ねても働き続けるのに無理がないか確認してください。

自分が近い将来どのような働き方をしたいか、職場に50代・60代の職員がいるかなど、さまざまな角度から考えてみましょう。

広く情報収集し、柔軟に選択肢を広げていくことで、自分が働きやすい職場で無理なく保育士を続けていきましょう。

まとめ

この記事では「保育士は何歳まで働けるのか」という点や、保育士の平均年齢が低い理由、また長く働き続けるためのヒントをお伝えしました。

保育士自身が長く働きたいと思うのと同様に、周囲の保育士や園側もできるだけ長く働いてほしいと願っています。なぜなら、人生経験を積んだ保育知識の豊富な人材は、その存在自体が周囲に安心感を与えるからです。保護者からより厚い信頼も得られる可能性も高いでしょう。

若い保育士と連携して働くことも大切です。力仕事をしてもらったり、こちらも保育のヒントやこれまでの事例を伝えたりと、助け合って働きましょう。

自分に合った職場環境や雇用形態を選択し、日々自身の体の状態と対話しながら働き続けてください。保育士は、長く続けられる仕事です。

また保育士資格を活かして、他の仕事をしてみるのもおすすめです。

例えば、ベビーシッターはいかがでしょうか。体への負担が少なく、それまでの保育スキルが活かせます。

中でも「ポピンズ」は国認定のベビーシッター研修を所有しており、ポピンズが提供する研修を受けることで認定ベビーシッターとして活躍することが可能になります。初めてベビーシッターの仕事をされる方には特におすすめです。

さらに、ポピンズナニーサービスの教育ベビーシッター(=ナニー)として働く場合には、本社にはコーディネーターと呼ばれる電話窓口があり、サポート体制が充実していますので、ベビーシッターのお仕事に興味はあるけれど、不安・・・という方は、まずポピンズのナニーとしてお仕事をはじめることを検討されてはいかがでしょうか?

この記事を書いた人

米川幸子
早稲田大学卒業後に、子ども英会話教室や進学塾、学童、児童発達支援施設、認定こども園、大型保育園などでの経験を経て、現在はインターナショナル保育園で勤務しています。特技は子どもの成績を向上させることで、自分の頭で考え、行動できる子どもになるための教育法について、常に現場で考察しています。

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