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保育士ナニーに聞きました!絵本の読み聞かせってどんな効果があるのでしょう?

2024.12.24
  • 子育ての悩み
  • 子育て知識

絵本の読み聞かせの時間は、お子さまにとってもパパ・ママにとってもコミュニケーションを深める楽しいひとときでしょう。

「絵本の読み聞かせ」は、親子で楽しみながらお子さまの成長を促す素晴らしい効果がたくさんあることをご存じですか?

ここでは、保育士ナニーの視点から、読み聞かせを始めるのに効果的な時期やどんな効果があるのか、さらに効果的に行うためのコツまでをご紹介します。

また、ナニーが厳選したおすすめ絵本も紹介していますので、お楽しみに!

「絵本の読み聞かせ」はいつごろから始めるのがいいの?

乳児期(0歳~)から始めるのがおすすめ

絵本の読み聞かせは、視覚や聴覚が発達しはじめ、絵本の色やパパ・ママの声がわかるようになってくる3か月ごろから始めるのがおすすめです。

話の内容を理解できなくても、お子さまはパパ・ママの優しい声や色とりどりの絵本に興味を持つでしょう。読み聞かせを通して安心感が得られ情緒が安定します。また、早いうちから絵本に親しむことで、言葉や興味の幅も広がります。

幼児期(1歳~)は短くわかりやすい絵本がおすすめ

1歳ごろになると、少しずつ物語の内容が理解できるようになってきます。

この時期には、くり返しのあるお話やテンポが良くリズムのある絵本、ページが少なくてシンプルなお話が最適です。

短い内容だと、子どもが集中して聞きやすく、絵本の世界を楽しく感じられます。

気に入った絵本があれば、何度もくり返し読んでほしいとリクエストすることもあるでしょう。

お子様のリクエストは絵本の世界を楽しんでくれている証拠。読み聞かせは大成功です。パパ・ママも自信を持って、リクエストに何度でも応えてあげてくださいね。

絵本の読み聞かせに年齢制限はない

たとえ小学校にあがっても、パパ・ママが読んでくれる絵本を楽しみにしているお子さまは多いものです。小学生でも、少し難しかったり考えさせられたりする内容の絵本を親子で一緒に読むことで、新しい発見や会話のきっかけとなります。読み聞かせは、年齢に関係なく親子の絆を深める大切な時間です。

「絵本の読み聞かせ」にはどんな効果があるの?

言葉の発達を促す

子どもは「絵本の読み聞かせ」によって自然に新しい言葉や表現が身につきます。

大好きなパパ・ママの声で聞く言葉はお子さまにとって特別です。しっかりと記憶に残りやすく、言葉の発達を促すでしょう。

想像力が豊かになる

絵本の読み聞かせをしてもらいながら、子どもは自分の頭の中で物語をイメージしています。このイメージする「想像力」が遊びや学びの中で大切な力となり、子どもの心を豊かにしてくれるのです。

感情表現が豊かになる

絵本には、登場人物のさまざまな気持ちが描かれています。登場人物の気持ちに共感したり想像したりすることで、感情表現が豊かになってくるでしょう。

集中力が高まる

子どもにとって興味がある物語は、自然に集中力を高める効果があります。遊びや学習でも集中する力が発揮されることが増えるでしょう。

親子の絆が深まる

絵本の読み聞かせを行うことで、親子が一緒に過ごす時間が多くなり、その分絆が深まります。

パパ・ママと一緒に楽しむひとときこそが、お子さまにとって安心できる時間となり、情緒の安定や自己肯定感を高めることにつながっていきます。

「絵本の読み聞かせ」を行うときのポイントは?

毎日同じ時間に読むと安心感が生まれる

毎日、決まった時間に絵本の読み聞かせを行うことで、子どもにとってその時間が「特別で安心できるひととき」になります。

夜寝る前に読み聞かせをすると、1日を楽しく終えることができ安心して眠ることができるでしょう。

子どもの年齢や興味に合わせて本を選ぶ

子どもの年齢や興味に合った絵本を選ぶことで、読み聞かせの効果が高まります。

子どもの反応を見ながら読む

読み聞かせをしている時の子どもの表情や反応を観察することは大切です。楽しそうに聞いているときは、その表現に合わせて読むスピードや声のトーンを変えることで、さらに物語を楽しむことができるでしょう。

感想はあえて聞かない

絵本を読んだ後に「どうだった?」と感想を求めることは控えた方がいいかもしれません。

「読んでもらった後に感想を言わなくてはいけない」とプレッシャーを感じてしまう子どもは少なくないからです。

あえて感想を聞かないことで、評価を気にせず素直に物語を楽しめるようになるでしょう。

もちろん、お子さまから感想を伝えてきたり質問してきたときは、どんどん答えてあげてくださいね。

自分の感情や思考の中から湧き出る感想や疑問は、お子さまの成長を意味しています。これも、絵本の読み聞かせの醍醐味といえるでしょう。

【年齢別】読み聞かせる本を選ぶコツは?

読み聞かせにおいて、年齢に合った絵本選びはとても重要です。

年齢別に詳しく解説します。

0歳児

0歳児には、指で触った時に素材感を楽しめる絵本や、鮮やかな色使いや大きくはっきりとした絵が多い絵本を選びましょう。

パパ・ママの優しく語りかけるような声や歌うようなリズム感のある声を聞いて、お子さまは安心感に包まれ、親子のコミュニケーションが深まります。

1歳児

1歳ごろの子どもは、くり返し表現のある絵本や、触れる仕掛けがある絵本が大好きです。

日常の中に登場してくるもの、たとえば動物やくだものなどの絵本は、見覚えのあるものが登場するので興味を示します。

「トントン」「コロコロ」などの擬音語や擬態語が使われている絵本にも、興味があります。

また、ページを自分でめくることができるようになります。「めくる」という手指の巧緻性を高めるために、めくりやすいしっかりとした素材の絵本がお勧めです。

2歳児

2歳ごろの子どもは、お着替えやトイレができるようになったり、お友だちと関わって遊べるようになったりする時期です。

そのため、日常生活に関連した絵本にとても興味を示します。

身近なテーマの絵本なら、簡単な物語を理解する力も出てきているので、少し長めの物語に挑戦してみるのもいいかもしれませんね。

3歳児以上

3歳以上になると、少し複雑なストーリーやさまざまな感情表現がある絵本も楽しめるようになります。

家族の絆や友情ストーリー、困難に巻き込まれても負けない勇気を持った主人公の物語なども、この時期の子どもにはとても興味深いものでしょう。

パパ・ママが「一緒に読んでみる?」とお子さまに声をかけて、少しずつ自分で読もうとする気持ちを引き出すのも良いですね。

季節に合わせた本を選ぶ

お正月やおひなさま、七夕やお月見など、季節に合わせた絵本を選ぶことはとても大切です。

日本の四季を乳幼児期から感じることは、豊かな感性を磨く助けとなります。

さまざまな行事の導入としても、季節に合わせた絵本はおすすめです。

ご家庭で、四季折々の行事を行いながら一緒に読んだ絵本についてお話しすることで、お子さまの絵本の物語のイメージと実際のイメージが一致するかもしれません。

日常のさまざまな知識を取り入れるのにも、絵本は大切な存在といえますね。

保育士ナニーのおすすめ絵本はこの3冊!

『しましまぐるぐる』

絵:かしわら あきお   出版社:Gakken

赤ちゃんの初めての絵本として大人気の「しましまぐるぐる」。

赤ちゃんが見やすい白と黒のコントラストをベースにして、カラフルな色合いとデザインで赤ちゃんの目は絵本にくぎ付けです。

「しましま」のお魚や「ぐるぐる」のへびが出てきて、赤ちゃんの視覚を刺激します。

ナニーおすすめの読み聞かせ方をご紹介しましょう。

お子さまをお膝にのせて、「ぐるぐる」のところでえほんをくるくると動かしてみたり、「しましま」のところで上下に動かしてみたり動きをつけてあげてみてください。その時、パパ・ママの体も動きをつけるのがポイントです。

視覚と体の感覚が同時に刺激されて、お子さまは「きゃっきゃっ」と声を上げたり、動く絵本に触ろうと手を伸ばしたりして楽しんでくれることでしょう。

『しろくまちゃんのほっとけーき』

作:わかやま けん     出版社:こぐま社

親子で楽しめるロングセラー絵本としておすすめなのが『しろくまちゃんのほっとけーき』です。

しろくまちゃんがママと一緒に「ほっとけーき」を作るお話は、子どもたちが大好きな「おやつ」や「ママのお手伝い」がテーマとなっています。

また、「ぽたあん」「ぴちぴちぴち」「ぺたん」などの擬態語が子どもたちの食欲をそそり、「私も食べたい!」とリクエストされそうですね。

保育園でも、おやつの前の読み聞かせでよく出てくる絵本のひとつです。

ママのお手伝いをして、おいしいほっとけーきを仲良しのこぐまちゃんと食べるシーンや、最後に二人でお皿を洗いながら「おいしかったね」とお話するシーンは、何度読んでも子どもたちの心をつかんで離さないでしょう。

ぜひ、機会があればお子さまと「ぽたあん」と言いながら「ほっとけーき」を作ってみてください。

『ねないこ だれだ』

策・絵:せな けいこ     出版社::福音館書店

せな けいこさんの絵本はどれも人気のある絵本で、どの絵本を選ぶかは本当に迷ってしまいます。

その中でも『ねないこだれだ』は、ナニー自身が空覚え(そらおぼえ)しているほどくり返し子どもたちに読んでいる絵本のため、今回はこちらをご紹介したいと思います。

保育園の子どもたちは、いつも怖いもの見たさでこの絵本をじっと見つめているようです。

最後の、おばけが寝ない子をおばけにして一緒に空に連れていくシーンは、大人でもインパクトがあります。

それでも、この絵本がパパ・ママの子どもの頃からずっと読み続けられているのは、主人公の「おばけ」がどこか目が離せなくなる魅力があるからかもしれませんね。

まとめ

今回は「絵本の読み聞かせ」を始める時期や読み聞かせの効果、また行う際のポイント、年齢別での絵本の選び方のコツ、ナニーのおすすめ絵本などを詳しくご紹介しました。

お子さまが、大好きなパパ・ママとの絆を深め、情緒の安定につながることでさまざまな素晴らしい読み聞かせの効果が見えてきます。

それぞれのご家庭のスタイルに合わせながら、時間や曜日を決めておこなってみたり週末におこなってみたりしてみると、いつの間にか「我が家の読み聞かせタイム」ができてくることでしょう。

「絵本の読み聞かせをもう少し効果的にやってみたい!」と感じている方は、ぜひこの記事を参考にしてみてくださいね。

この記事を書いた人

五島 由紀子
保育・教育関係に携わって15年以上。保育園施設の管理職を経て、2022年よりフリーランス保育士として活動開始。保育士免許・幼稚園教諭二種免許・キッズマナー講師資格取得。現在は、1人のお子さまへ細やかな保育を行いたいと感じ、ポピンズナニーとして保育に携わっております。趣味はベリーダンス。子育てカウンセラー資格取得に向けて勉強中。

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