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「教育ベビーシッター」として一人のお子さまと深く向き合えることが「ナニー」の魅力

2024.10.29

ナニーとは、欧米諸国で知られる教育ベビーシッターです。ナニー発祥の英国では、英国王室のロイヤルファミリーにも選ばれている職業であり、保育と教育の面からお子さまのお世話をする保育のプロフェッショナルとされています。

株式会社ポピンズファミリーケア(以下、ポピンズファミリーケア)は、ご利用者さまのご家庭を訪問し、教育ベビーシッターのサービスを提供しています。ポピンズファミリーケアでは、世界的な名門校ノーランド・カレッジのプログラムを専門研修に取り入れ、教養から人格まで最高水準のナニーを育成し、大切なお子さまを家族のように見守ります。

今回は保育のプロである「ナニー」について、ポピンズファミリーケアのナニーとして活躍されているYさんにお話を伺いました。

お子さまの成長に寄り添えるナニー

—はじめにナニーになったきっかけを教えていただけますか。

保育士、幼稚園教諭として保育・教育関係の仕事を15年以上続けてきました。幼児教室で先生をサポートした経験もあります。2022年に保育園を退職し、現在は経験を生かしてフリーランスの保育士をしながら、子育て支援教育カウンセラーの資格取得を目指しています。

ナニーになったきっかけは「一人ひとりのお子さまと深く関わっていきたい」と思ったことです。これまで携わってきた集団保育は、1日のスケジュールが決められており、どうしても1人のお子さまと深く関わる時間が限られていました。一方で、興味を持ったことに時間を忘れて没頭する子どもたちもたくさんいるため、こうした子どもたちと深く関わりたいと思ったことがきっかけです。

例えば、2歳頃の子どもは言葉で上手に表現することは難しくとも、ひたすら何かに没頭していることがあります。私は、こうした経験が将来大きく花開く種になるかもしれないと思っています。私自身も子育て経験があるので、こうした時期はとても大切にしたいと思っており「時間を気にせず1人のお子さまと深く関わりたい」との想いから、ナニーになりました。

—ナニーの1日のスケジュールを教えていただけますか。

はい。ポピンズファミリーケアでは、24時間365日のナニーサービスを提供していますが、私の場合は朝の8時から夕方の18時までを担当しています。1日のスケジュールは、朝の8時頃に朝食が済んだお子さまを保護者様から引き継いでスタートします。このとき、保護者様とお子さまの体調などの情報を共有します。

午前中は家の中でお絵描きしたり、お天気や気温が問題なかったらお外に出かけたりして過ごします。夏は気温が高くなければ、公園で遊んでから児童館に行くことが多いですね。児童館には同じような月齢の子どもたちがいるので、一緒に遊んでコミュニケーションをとれるようにしています。夏の児童館では水遊びができるので、お子さまも楽しみにしていますね。

午前中は大体11時半頃まで自由な時間を過ごします。昼食は保護者の方が用意してくださったものを差し上げて、そのあとは2時間半ほどお昼寝タイムです。

お昼寝の後はおやつタイムですが、おやつも保護者の方に用意して頂いています。午後は居宅訪問型保育事業(認可保育園への入園が待機になったお子さまを対象に、自宅に保育者が訪問して保育を行う認可保育事業)のプログラムに沿って、粘土を使った制作やシール貼りなどを行っています。

お子さまがお散歩したがるときは「絶対に手を離さない」ように約束してから出かけます。外出のときは公共マナーを覚えてもらうように意識していますね。あと、お子さまが何かに集中しているときは、中断せずにそばで見守るように意識しています。例えば、車が大好きなお子さまはずっと車を見続けているので、しっかりと手をつないで一緒にそばにいるようにしています。

保護者の方は大体18時頃に帰宅されるので、引き継ぎをしたら1日が終了です。

お子さまが興味を示すのを待つことを大切に

—どのようにして、お子さまの興味を引き出しているのでしょうか。

大人は子どもに対して「やってみたら良いのに……」と思い、つい何かをやらせがちですよね。でも、子どもは興味を持つと自分で始めるので、基本的には無理にさせないようにしています。そのため、まずは私が1人で楽しそうにやってみるようにしています。そうすると、チラチラと横目で気にしはじめるので、そこでようやく「ちょっとやってみる?」と声をかけます。

保育園の集団保育のときと同じように、お子さまは他の人が楽しそうにしていると、自分もやってみたいと興味を示します。そのため「なんか楽しそうだな……。何してるんだろう?」とお子さまがイメージできるように意識していますね。

—印象に残っているエピソードがあれば教えていただけますか。

お声をかけてもなかなか振り向いてくれなかったお子さまのケースですが「先生は保育園で働いていたんだよ」とお話ししたところ、グッと興味を持ってくれました。そこで「保育園ごっこをしよう!」と、一緒にてるてる坊主を作ることにしました。2歳半で意思表示もできるお子さまだったので、折り紙などの材料を選んで一緒に作りました。1日が終わったあと「また来てね!」と言われたときは嬉しかったですね。

保護者様に信頼していただくために、報告はプロの視点で

—保護者様とのコミュニケーションで意識していることを教えてください。

一番最初にお会いするときの印象を大切にしています。初対面でつまずいてしまうと、その先々のコミュニケーションがぎくしゃくしてしまうので、まずは笑顔を意識して、言葉遣いや礼儀の正しさに気を付けています。大切なお子さまをお預かりする以上、保護者様から信頼していただくことが、ナニーとして最も大切なことだと思っています。

また、どれだけお子さまのことをしっかりと見ているのか、保護者様には教育と結び付けて報告するようにしています。例えば「粘土の制作で手の巧緻性が発達するような遊びをしました」ですとか、細かい作業を正確にできるようになったことをお伝えしていますね。教育ベビーシッターとして、保護者様とは異なる視点からの気づきをお伝えしています。

—お子さまの体調が悪いときはどうされているのですか。

保護者様とお子さまの状態をしっかり共有して、何かあればすぐに会社を通して、連絡するようにしています。例えば、お子さまの具合が悪いときは、お昼寝の時間が長くなったりするので、普段と異なる点はお引き渡し時に事細かに保護者様にお伝えするようにしています。あと「ゆっくりお休みした方がいいかもしれません」と一言添えるようにしていますね。

—ナニーの仕事を行う上で、どんなときに難しさを感じますか。

そうですね。保育園のような集団保育と、ナニーのような個人保育との”差”かもしれません。それぞれ良いところはあるのですが、集団保育だと同じ月齢の子が周りにたくさんいるので、自分でオムツを脱いだり、パンツを穿いたりといったことが自然とできるようになります。一方、個人保育ではそうしたイメージが湧かないので、トイレや排泄に関わる習慣がなかなか身に付かないことがありますね。そのため、お子さまが自分でできるように頻繁に声がけをしています。

特に児童館に行くときには、同じ月齢のお子さまと一緒に遊んで、社会性を学んでもらうように意識しています。

 「安心してナニーを続けられる」のは充実した研修とフォローアップ

—ナニーを通して得たやりがいや達成感、学びについて教えてください。

一番大きなことは「一人ひとりのお子さまと深く接して、成長を手助けしたい」との思いを実現できたことですね。また、ナニーとして子育てする保護者の方の想いに触れることができたことも、ナニーだからこその経験だと思います。

あるとき、図書館から本を借りてきて、毎日読み聞かせをされているお母さまがいらっしゃいました。そのお母さまのお子さまと図書館に行ったとき、どんな本を選ぶのか観察していたのですが、そのお子さまはお母さまが読み聞かせしてくれる本を選んでいたのです。ナニーとして、お母さまの想いを感じられたことが嬉しかったですね。

—ポピンズファミリーケアのナニーになって、よかった点を教えていただけますでしょうか。

いろいろありますが、まずは研修制度が充実している点ですね。特に、ナニーとしてご家庭との関わり方に特化した研修があったので、初めてでも安心できました。

また、フォローアップがとてもしっかりしているので、何かあっても安心できる点もよかったです。私自身、良かれと思ってやったことが、派遣先にご迷惑をかけてしまうことがあったんです。そのとき「後の対応はやっておくので、次回から気を付けてくださいね」とフォローしてくださり、困ったことがあっても「安心して続けられる」と思いました。

あとは、ナニー経験者の集まりがあり、たくさんアドバイスをいただけた点です。始めた当事は分からないことばかりだったので、たくさん質問してしまったのですが、みなさんとても丁寧に答えてくださって。翌日が初めての訪問日だったので、不安を解消できました。

—ナニーのお仕事に取り組んでみたいと考えている方へ、メッセージをお願いいたします。

そうですね。先ほどもお伝えしたように、ポピンズファミリーケアは研修制度がとても充実しているので、安心して始めることができると思います。もし何かあったとしても、きちんとフォローもしていただける安心感もあるので、お子さまと接することが好きであれば、ぜひとも取り組んでいただきたいなと思います。

この記事を書いた人

蜂巣 稔
ビジネスライター・ブックライター。葉山ウインズ合同会社代表。外資系IT、日本コカ・コーラを経て独立起業。企業取材・インタビューを中心に活動中。宣伝会議 編集・ライター養成講座、上阪徹のブックライター塾を卒業。息子が8歳の時からシングルファーザーとして子育て。中学受験も経験。子育てとフルタイムの仕事の両立に悩んだことも。

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