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院内保育とは?一般保育との違いや働く上でのメリット・デメリットを徹底解説

2025.05.26
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院内保育とは? 

院内保育とは、医師や看護師といった医療従事者が安心して働けるよう、病院内やその近隣に設けられた保育施設で子どもを預かる保育サービスです。

一般の保育とは異なり、夜間保育の対応や少人数制など、院内保育ならではの特徴があります。院内保育士の仕事内容や働くメリット・デメリット、給与の相場や夜勤手当など、気になるポイントも多いでしょう。

院内保育とは?その役割と背景

院内保育は、通常の保育園や幼稚園と異なり、医師や看護師、病院スタッフの子どもを預かることを目的としています。

日本では医療業界の人手不足が深刻化しており、特に女性医療従事者が働きやすい環境を整えるために、院内保育の需要が年々増加している状況です。

医療従事者の労働環境改善の必要性

医師や看護師などの医療従事者は、早朝から深夜、さらには24時間体制での勤務を求められることが多い職種です。特に、夜勤や長時間勤務が日常的であるため、一般的な保育園の開園時間では対応しきれないケースが少なくありません。
そのため、院内保育は医療従事者が安心して働ける環境を整えるために設置され、働く保護者の負担軽減に大きな役割を果たしています。

少子化社会における働き方支援

少子化が進む中、働きながら子育てをする保護者を支援する取り組みが求められています。特に、女性が多い医療従事者の職場では、出産後も仕事を続けられる環境づくりが急務です。院内保育は、子どもを職場近くで預けられるという利便性から、育児と仕事を両立するための重要なサポートとなっています。

医療現場における人材確保の課題

医療現場においても人材不足が深刻な課題となっています。院内保育の設置は、医療従事者が職場を選ぶ際の大きなポイントとなるため、優秀な人材を確保しやすくするための施策としても注目されています。

これらの背景から、院内保育は単なる福利厚生の一環ではなく、医療の質を支える重要な基盤として必要とされています。

参考

厚生労働省 院内保育等の推進について

院内保育と一般保育の違いとは?

院内保育と一般保育にはいくつかの違いがあり、それぞれの施設の特性に応じた運営が行われています。子どもの年齢や保育時間、施設設備、保護者との連携面での違いを見ていきましょう。

対象となる子どもたちの年齢と特徴

院内保育は、主に0~6歳の未就学児が対象ですが、一般保育と比較して0~2歳児が多い傾向があります。また、院内保育の定員は施設によって規模は異なるものの、1施設あたりの平均の定員は約32人、実際の受け入れ園児数は平均20人となっています。多くの院内保育では少人数制が一般的で、一人ひとりにきめ細やかなケアが提供されるのが特徴です。

参考

日本医労連2022年度院内保育所実態調査結果 概要

保育時間と夜間保育の有無

院内保育の保育時間は、通常の保育施設よりも長く設定されていることが一般的です。医療現場は夜勤や変則勤務が多いため、夜間保育を実施している施設もあり、保護者の働き方に柔軟に対応しています。

一般保育施設が日中のみの対応であることが多い中、院内保育では夕食の提供や寝かしつけといった夜間特有のケアが充実しています。

施設設備や保育環境の違い

一般保育に比べ、院内保育は病院内や隣接施設での運営が多いため、園庭がないケースが一般的です。そのため、屋外活動の頻度は限られるものの、代わりに安全性に配慮した室内遊びや、近隣の公園を利用した散歩などが取り入れられていることが多いようです。

また、感染症対策が徹底されており、病院内での基準に基づいて衛生管理が行われています。

特に医療従事者の子どもが多く通うため、健康管理が重視される点が院内保育ならではの特徴といえるでしょう。

保護者との連携のしやすさ

院内保育は、同じ敷地内や近隣に保護者が勤務しているため、緊急時にすぐ連絡が取れるという利点があります。

保育士と保護者との連携が一般保育に比べて取りやすく、子どもたちの様子や体調の変化について迅速に情報共有ができます。

また、急な残業や勤務時間の変更など、医療現場の都合に応じた柔軟な対応が求められるため、保護者とのコミュニケーションが密に取られている点も、院内保育の特徴の一つです。

参考

日本医労連保育対策委員会 2022年度 院内保育所実態調査結果について

院内保育で働くメリット

少人数保育での丁寧なケア

院内保育では、少人数制を採用している施設が多く、保育士一人あたりが担当する子どもの人数が少ないことが特徴です。乳幼児が多い院内保育では、保育士が一人ひとりの発達状況や体調を把握し、きめ細やかなサポートを提供できます。

また、季節ごとのイベントの数が少ない院内保育施設では、学期ごとの準備に追われる心配も少なく、子どもたちの日常に寄り添えます。一般的な保育園では最大定員の子どもたちと日々向き合う現場が多いですが、院内保育では比較的時間をかけて子どもたちと向き合い、保護者へ子どもの様子を共有することもできるでしょう。

医療従事者との近い連携による安心感

院内保育は病院内や病院に隣接しているため、医療従事者である保護者と円滑に情報共有や連携を行える環境が整っているのが利点の一つです。

例えば急な発熱など、子どもの体調に急な変化があった場合でも、すぐに保護者へ連絡ができ、医療従事者にすぐに診てもらえます。

保護者や医療従事者がすぐ傍にいるということは、安心して働ける要素の1つとも言えるでしょう。

夜勤手当など給与面のメリット

院内保育では、医療従事者の夜勤に対応するため、夜間保育を提供している施設もあります。

特に早朝対応や夜勤対応を行う院内保育施設では、手当が手厚いことが多く、通常の保育園よりも高い報酬を得ることが期待できるでしょう。

職場の福利厚生や待遇の良さ

院内保育では、病院同様の福利厚生や待遇が適用されることが多く、保育士にとっても魅力的な環境が整えられていることが多いです。

例えば、健康診断や予防接種が受けられたり、充実した休暇制度や産休・育休の取得ができたりといった支援も期待できます。

延長保育のお子さんがいる場合でも、日勤、夜勤、宿直など勤務時間がしっかりと区切られているため、後半のシフト担当者に引き継ぎを行えば残業の心配も少なく、ライフワークバランスを整えやすい職場でもあります。

院内保育で働くデメリット

変則勤務や夜勤の負担

院内保育士の勤務には、医療従事者のシフトに合わせた変則勤務や夜勤が必要となる場合があります。院内保育では病院の夜間診療や緊急対応に合わせて子どもを預かるため、夜遅くまでの勤務や早朝からのシフトが発生することが少なくありません。不規則な勤務形態は負担が大きいと感じる人もいるかもしれません。

参考

日本医労連保育対策委員会 2022年度 院内保育所実態調査結果について

自由度の低い保育内容

院内保育では、病院内の環境や医療従事者の仕事に配慮した保育が求められるため、保育内容に制限がかかることが多いです。院内保育施設のスペースによっては、園庭やプール、楽器などの設備が不足していたり、大きなイベントなどが行えなかったりする場合もあります。

保育士としての創意工夫が求められる一方で、限られたスペースでの活動が中心となり、物足りなさを感じることもあるかもしれません。

スキルアップの機会の不足

院内保育では、園全体での大規模な保育行事や地域交流といった経験を積む機会が少なく、保育士として成長を図るための場面が限られる場合もあります。特に、一般の保育施設で実施される外部研修や教育プログラムが少ないため、スキルアップの機会が不足することもあるでしょう。

院内保育士の仕事内容と一日の流れ

朝の受け入れから夜間保育までの具体例

院内保育は、医療従事者の勤務スケジュールに合わせて保育時間が設定されるため、一般の保育施設よりも朝が早く、夕方以降も遅くまで保育が続くことが多いです。子どもの保育や遊びの提供、食事や排せつ、着替えなどの身の回りの援助など、一般的な保育園と同様の業務が行われます。

ただし、一斉保育よりも個別の遊びなどの自由保育を充実させている園が多いようです。

夕方になれば夕食の準備をサポートし、夜間保育では子どもたちが安心して眠れるよう寝かしつけを行います。夜勤のある医療従事者が子どもを預けることもあるため、院内保育士は深夜まで対応することが求められる場合もあります。

子どもたちのケアや保育環境の特徴

院内保育は24時間体制であることが多く、夜間保育に対応しているケースがほとんどです。一般の保育所よりも開園時間が長く、保育士の勤務時間も夜間までのシフトが組まれることが多いでしょう。

また、保育時間が長くなる子どもが多いため、保育士は子どもたちが規則正しい生活ができるように見守り、援助する役割を担っています。

院内保育士の給料と待遇は?

給与の相場と地域差

院内保育士の給与は、一般の保育士と同様に経験や地域によって異なります。病院勤務の特殊性から、若干高めの水準が期待できますが、地域差も大きく、地方の医療機関では給与が低めに設定されることも少なくありません。

院内保育士の求人は、病院や医療法人によって個別に条件が異なるため、希望する地域の平均的な給与を確認することが重要です。

夜勤手当や施設による待遇の違い

院内保育士には、夜勤や早朝・深夜勤務が求められるため、手当が支給されることが一般的です。さらに、病院が運営する保育施設では、医療従事者向けの福利厚生が適用されることが多く、医療費の一部補助や休暇制度が充実している場合もあります。

参考

日本医労連保育対策委員会 2022年度 院内保育所実態調査結果について

まとめ

院内保育は、医療従事者が安心して働けるようにサポートする、重要な役割を担う保育サービスです。病院内で働く保育士として、院内保育ならではの責任感と充実感を持ちながら、子どもたちとその家族を支える仕事といえます。

しかし、夜勤や長時間勤務など特殊なシフトに完全に対応するには、柔軟な保育体制が必要です。ここで注目されるのが、ナニーという選択肢です。

ナニーは、個別の家庭環境や子どもの生活リズムに合わせた柔軟な対応が可能です。院内保育と異なり、家庭でのケアを行い、夜勤や突然のシフト変更にも柔軟に対応できます。

また、ナニーは家庭での育児サポートを通じて、子どもの成長・発達に寄り添うことができ、医療従事者がさらに集中して仕事に取り組む環境を整えることができます。ポピンズナニーサービスは、こうした医療現場のニーズに応えるためにも理想的な選択肢といえます。

ポピンズナニーサービスは365日24時間フルサービスを行っているため、医療従事者のお子様の夜間のお預かりも多く手掛けています。専門知識を持つナニーが個々の家庭に寄り添い、保育の質を高めるとともに、働く保護者様ののライフスタイルに合わせたきめ細かなサポートを提供しています。

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この記事を書いた人

すがわらみさと
1990年生まれ。四年制大学で保育・幼児教育について学び、幼稚園教諭一種免許と保育士資格を取得。卒業後は、保育園や認定こども園で約10年の勤務経験があります。現在はベビーシッターとして独立し、保育系ライターとしても執筆活動をしています。保育士やベビーシッターとしての経験と知識をもとに、わかりやすく伝える文章を書くよう心がけています。

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