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子育て支援センターで働く!やりがいと仕事内容を徹底解説

2024.10.21
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子育て支援センターは、地域の子育て中の保護者と子どもを支え、子育てをサポートするための施設です。保育士として働いている方の中には、「もっと地域の親子に寄り添ったサポートや丁寧な子育て支援をしたい」と考える方もいるのではないでしょうか。そうした方には、子育て支援センターでの勤務も候補に挙がります。 この記事では、子育て支援センターの役割や目的、やりがい、仕事内容、さらに子育て支援センターで働くときに何が必要になるのかを詳しく解説していきます。

子育て支援センターとは?

子育て支援センターは、厚生労働省が推進する地域子育て支援事業の一つで、令和5年度時点で全国に8,016カ所あります。

乳幼児と子育て中の保護者が交流を深めたり、子育て中の不安や悩みなどを相談したりできる場所です。子育てに関する情報提供などもしています。 地域によっては「子ども家庭支援センター」とも呼ばれます。子育てに関する不安や悩みを持つ保護者に寄り添い、相談に応じてくれる、心強い施設といえるでしょう。

子育て支援センターの役割と目的

子どもの健やかな成長を支援し、地域の子育て支援機能の充実を図ることを目的としています。

子育て中の親同士の交流を促し、子育ての不安感や悩み事を解消することも大きな狙いです。

背景には、3歳児未満の子育ての約6~7割が家庭で行われていることや、核家族化、地域のつながりの希薄化などがあります。

また、仕事の都合や転勤などによる、自分の生まれ育った地域以外で子育てをする家庭の増加や、男性の育児参加が少ないこと、児童数の減少により同年齢の子どもと遊ぶ機会がないことなども、その必要性につながっていると考えられます。

子育て中の保護者にとって、子育て支援センターは安心して子どもを遊ばせることができる場所であると同時に、育児について学んだり、悩みを相談したりできる心の支えとなる役割も担っています。

子育て支援センターの種類と特徴

一般型と連携型

子育て支援センターは一般型と連帯型の2つに分けられます。

一般型とは、公共施設の空きスペース、空き店舗、保育所などで運営されている、常設の地域子育て拠点です。

子育て中の親子の交流の場をつくると同時に、地域の子育て支援情報の収集や提供など、その地域の子育て支援の機能を充実させる取り組みを実施しています。

連携型とは、児童館や児童福祉施設など、地域の子育て支援関連の施設で親子が集まる場を設けているものをいいます。 学童や児童館などで学齢期の子どもが来館する前の時間を活用し、子育て支援のための取り組みを実施します。

4つの基本事業

子育て支援センターでは、以下の4つの基本事業を行っています。

1.子育て親子へ交流の場の提供と交流の促進

子育て中の親子が気軽に利用できる交流の場の設置や、子育てをする親子同士が交流を深める取り組みなどを実施します。

絵本の読み聞かせやふれあい遊び、イベントなどを通して、子育て世帯同士が交流できるように援助していきます。

2.子育て等に関する相談・援助の実施

さまざまな専門知識や子育て経験を持つスタッフが、子育て中の親からの相談に対してアドバイスや支援を行います。相談の状況によっては、近隣の医療機関を紹介することも。

身体測定の実施や栄養士による離乳食相談、助産師による出産や発育に関する相談など、専門性を持ったスタッフに気軽に相談できる環境づくりを行うことで、さまざまな悩みを抱える地域の保護者をサポートしていきます。

3.地域の子育て関連情報の提供

子育てに役立つ情報の発信や一時預かり施設の紹介など、子育て中の親子が必要とする、その地域の育児や子育てに関する情報の提供を行います。

地域の子育て支援情報を広く提供することで、保護者が必要な情報を得ることができ、積極的にサービスを利用できるようにしていきます。

4.子育て及び子育て支援に関する講習等の実施

月に1回以上、子育て中の親子や、子育て支援スタッフとして活動することを希望する人を対象に講習を実施します。

保育や看護など、さまざまな専門分野を持つスタッフが、地域の保護者に対して、子育て知識の提供を行います。

核家族化が進み地域との関係が希薄になっている現代だからこそ、子育て支援センターが拠点となり、地域の子育て力を向上していくことが大切なのです。

子育て支援センターと他の施設との違い

保育士が働ける施設として、子育て支援センターのほかに代表的なものとして児童館や保育園があります。しかし、児童館や保育園と子育て支援センターとの違いはどのような点にあるのでしょうか。ここでは、それぞれの違いについて解説していきます。

児童館との違い

児童館は18歳未満のすべての児童が対象の児童福祉施設です。

児童館では、小学生を中心に幅広い年齢の子どもと関わることができます。

地域の子どもの居場所としての位置付けも強くなってきており、子育て支援というよりは子どもたちの遊びや学習の見守りがメインになるかもしれません。

保育園との違い

保育園は保護者が仕事をしている、病気の状態にあるなどの理由により、家庭で十分な保育ができない場合に、保護者に代わって保育するための児童福祉施設です。

0歳から小学校に入学するまでの子どもが集団で過ごしています。

子育て支援センターでの一時預かりと異なり、預かる時間が長く、また給食やお昼寝があるなど食事や睡眠の時間が確保されていることが特徴です。

子育て支援センターの仕事内容

子育て支援センターでの仕事としては、以下が挙げられます。

・イベントの企画や運営

・室内整備や安全点検

・保護者からの育児相談の対応

・利用者の受付や利用案内

・子どもの遊びの見守り

・地域の子育て支援機関との連絡 など

絵本の読み聞かせやふれあい遊び、子どもの年齢別に親子の交流会などのイベントを企画することもあります。

親子の遊びの幅を広げたり、子育てをする保護者同士がつながるきっかけをつくったりすることも、保育士の大切な役割です。

子育て支援センターの働く魅力

子育て支援センターは、毎日決まった子どもと関わる保育園と違い、日々利用する親子が異なります。そのため、誰でも心地よく過ごせる場所となるような環境をつくっていくことが必要です。

ここでは、子育て支援センターでの魅力ややりがいについてお伝えします。

子育てをサポートするやりがい

子育て中の親子に関わりながら、悩みを抱えている親に寄り添ってサポートする仕事は、大きな充実感を得られます。

話を聞いて保護者の心の負担を軽くしたり、イベントや面談を通じてお子さまの様子を保護者に共有したりと、子育てが楽しくなるようにサポートしていくことは、保育士としての喜びでもあるでしょう。

多くの親子と関われる

子育て支援センターは、0歳児から就学前の子どもと保護者が利用する施設のため、幅広い年齢の子どもと関わることができます。 また、さまざまな背景を持った親子と関わることで、保護者支援の側面としても、学びを深めながら保育士としての経験を積んでいくことができるでしょう。

専門性を高められる

子育て支援センターでは、家庭の子育てを支援するため、個別の関わりを必要とする場面が多くあります。

子育てや家庭のことなど、さまざまな事情や思いを抱える保護者と対話する機会も多く、保育士としての経験に支援者としての視点が加わることで、より保護者支援への理解を深めることができるでしょう。

子育て支援センターは、その地域で暮らす親子にとっての居場所となります。 地域の身近な場所で、乳幼児のいる子育て中の親子の支援を行うことは、地域の子育て力を向上することにもなるでしょう。

子育て支援センターで働くために必要なこと

子育て支援センターで働くためにはどのような資格が必要になるのか、また求められるスキルにはどのようなものがあるかを解説していきます。

必要な資格

国の「地域の子育て支援拠点事業」では、子育て支援センターのスタッフについて、「子育て支援に関して意欲があり、子育てに関する知識・経験を有する者」と明記されています。

保育士資格、幼稚園教諭、子育て支援員など、保育や子育てに関する資格を求められることが多いようです。 場所によっては無資格でも募集している場合がありますが、子育てや子どもに関する知識や経験が必要なことが多いでしょう。

求められるスキル

子育て支援センターでは、子育て中の親子のさまざまな対応や相談を受けるため、子育てや保育に関する知識や経験が必要なことが多くあります。

さまざまな背景を持つ保護者と関わりを持つようになるため、コミュニケーション能力も大切です。

子育ての悩みや不安感を受け止め、親子に寄り添う声掛けをすることが、安心して利用してもらうことにつながります。 また、季節のイベントや親子同士の交流を深める機会を企画することもあるため、遊びの引き出しを多く持っておくとよいでしょう。

まとめ

子育て支援センターは、子育て中の親子が交流し、子育ての不安や悩みを相談することができる、地域になくてはならない場所です。

核家族化が進み地域とのつながりが希薄となっている中で、子育て支援センターは、安心して遊んだり子育ての悩みを相談したりできる心強い施設といえます。

子育て支援センターでの保育士の仕事は、親子のサポートだけでなく、イベントの企画や子育ての講習会の実施など多岐にわたります。

さまざまな側面から地域の子育てを支えることができる、とてもやりがいのある仕事です。

また、同じように地域の子育て支援に関わる仕事の1つとして、ベビーシッターやナニーがあります。

ベビーシッターやナニーとしての経験やスキルも、子育て支援センターで活かすことができます。さまざまな家庭と関わり、一人ひとりの子どもに丁寧に応じてきた経験は、保護者の子育ての悩みを解決することに役立つはずです。

ポピンズファミリーケアでは、お子さまの成長を見守るもう一人の家族として、ナニーの仕事をすることができます。

子育て支援に関わりたい、子育てをするご家族に寄り添った支援をしたいと考えている方は、ナニーとして働くことも視野に入れてみてはいかがでしょうか。

この記事を書いた人

すがわらみさと
1990年生まれ。四年制大学で保育・幼児教育について学び、幼稚園教諭一種免許と保育士資格を取得。卒業後は、保育園や認定こども園で約10年の勤務経験があります。現在はベビーシッターとして独立し、保育系ライターとしても執筆活動をしています。保育士やベビーシッターとしての経験と知識をもとに、わかりやすく伝える文章を書くよう心がけています。

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