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発達特性のあるお子さまが安心して小学校の入学式を迎えるために

2025.04.04
  • 子育ての悩み
  • 子育て知識

はじめに

小学校の入学式は、お子さまにとって新しい環境への第一歩です。期待に胸を膨らませる一方で、発達特性のある子どもにとっては、

  • いつもと違う環境
  • たくさんの人
  • 長時間の着席

といった要素がストレスになることもあります。しかし、事前の準備やちょっとした工夫で、不安を和らげ、スムーズに当日を迎えることができます。

ここでは、児童発達支援事業所で働く看護師ナニーが、初めての入学式を楽しく過ごすための方法をご紹介します!

事前準備で安心感を高める

制服やランドセルに慣れる

入学式当日に初めて制服を着ると、着心地の違和感から落ち着かなくなることがあります。そこで、事前に何度か着る機会を作り、慣れておくことが大切です。また、制服をハンガーにかけて見える場所に飾っておくことで、「これを着て学校に行くんだ」と視覚的に理解しやすくなります。ランドセルも同様に、背負う練習や開け閉めの練習をしておくと安心です。

入学式の流れを伝える

「どんなことをするのかわからない」ことは、大きな不安につながります。見通しを立ててあげることで、安心感を持ちやすくなります

・式典の様子の動画を見せる

進学先の学校と面談をする際に、前年度の式典の映像をもらえるか相談し、自宅で見ておきましょう。動画を見るときは、「自分がどこに座るのか」「どのタイミングで動くのか」を、大人と一緒に確認するとイメージしやすくなります。

・写真やイラストを使い、流れを可視化する

「受付をする → 会場に入る → 名前を呼ばれる → お話を聞く → 終わる」など、写真やイラストを使って流れを伝えると、当日のイメージがつかみやすくなります。

・家でリハーサルをする

可能であれば、自宅や療育施設で簡単なリハーサルをしてみましょう。

例えば、「名前を呼ばれたら手を挙げる」「静かに座る」などの練習をすると、当日も落ち着きやすくなります。ただし、繰り返し強要すると逆に嫌になってしまうこともあるため、できたらしっかり褒めてあげましょう。

環境の変化に慣れるための工夫

学校や式場の下見をする

新しい環境が苦手な子どもにとって、「見たことがある場所」になるだけで安心感が生まれます。可能であれば、入学前に学校を訪れ、校舎や校庭を見学しましょう。親子で通学路を歩いたり、先生や上級生と接することで、「ここに通うんだ」という意識が生まれ、不安が軽減されます。

また、入学式前日に見学を受け入れている学校も多いため、式が行われる体育館や教室を一緒に見ておくのも良いでしょう。

「ここに座るんだね」「この扉から入るんだね」と具体的に確認しておくことで、当日の戸惑いを減らせます。加えて、トイレの場所や避難経路を確認しておくと、万が一の時にも安心です。もしトイレが和式だった場合は、事前に和式トイレの練習をしておくと、当日焦らずに済むかもしれません。

座る位置や避難場所を考える

大勢の人がいる環境が苦手な場合、できるだけ端の席に座ると落ち着きやすくなります。事前に学校に相談し、「入り口に近い席」「退出しやすい位置」などを確保できるか確認しておくのも一つの方法です。

また、途中で疲れたり不安になったりしたときの「休憩場所」を決めておくと、安心感が増します。

入学式当日のサポート

リラックスできるアイテムを持参

いつも持っているハンカチや小さなおもちゃなど、「触ることで安心できるもの」をポケットに入れておくと、緊張を和らげることができます。

ただし、学校のルールがあるため、事前に持ち込み可能か確認しておくと安心です。

式が始まる前に気持ちを落ち着かせる

入学式前に、深呼吸や簡単なストレッチをして、リラックスする時間を作るのも効果的です。また、音や人混みに敏感な子どもにはイヤーマフを使うのも一つの方法です。

パパママにとっても初めての入学式

「ちゃんと座っていられるかな…」「みんなに迷惑をかけないだろうか…」と不安に思うパパママも多いと思います。最近では、幼稚園・保育園と学校が連携(幼保小連携)し、スムーズな入学をサポートする取り組みが増えています。

また、学校と事前に面談を行い、不安なことを相談するのもおすすめです。

例えば、「補助の先生をつけてもらえないか」「聴覚過敏があるのでイヤーマフの使用が可能か」など、具体的に伝えると対応しやすくなります。もし途中で離席することがあっても、その日を元気に迎えられたことをたくさん褒めてあげましょう。

入学式当日が大変だったとしても、卒業を迎える頃には良い思い出になっているはずです。

おわりに

入学式は、お子さまとって新しい環境への第一歩です。

事前準備や環境調整をすることで、不安を少しでも和らげ、落ち着いて参加できるようになります。

大切なのは、「入学式を完璧にこなすこと」ではなく、「安心して新しい一歩を踏み出せること」

できる工夫を取り入れながら、お子さまにとって楽しい入学式になるようサポートしていきましょう!

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この記事を書いた人

Naoka
看護師、保育士、養護教諭の資格を持つナニーとして活動しています。これまで保育園や小学校、放課後デイサービスなど、さまざまな現場で経験を積んできました。現在ナニーのお仕事をしながら、療育施設にて自閉症スペクトラム症のお子さまたちの支援に取り組んでいます。

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