現役スーパーナニーが語る、はじめてのご訪問で気をつけていること
- ナニー
- ベビーシッター

ナニーとしてご家庭を訪問するお仕事は、毎回が新鮮な出会いの連続です。その中でも、「初めてのご訪問」というのは、ナニーにとって特に大切なタイミング。お母様やお子様にとっても、ナニーという存在に初めて触れる機会であり、「この方に大切なわが子を預けても大丈夫かしら?」という不安と期待が入り混じる時間です。
今回は、現役のポピンズスーパーナニーが、実際の経験をもとに「初めてのご訪問で気をつけていること」をお伝えします。これからナニーを目指す方にとって、少しでも参考になれば幸いです。
contents
前日の「事前連絡」は、信頼の第一歩
ポピンズナニーサービスでは初めてのご訪問の前日には、特にご要望がない限り必ずご家庭にお電話をさし上げています。お母様にとっては、見知らぬナニーが来るというのは、少なからず緊張を伴うこと。その不安を少しでもやわらげ、「このナニーさんなら安心」と思っていただけるように、明るい声と歯切れのよい話し方を心がけています。
お電話では、以下のようなことを確認します。
- 当日の訪問時間と場所
- お子様のご体調
- お世話の内容
- その他注意すること
もちろん、お忙しいお母様の時間をとりすぎないよう、確認事項は過不足なく、簡潔に。けれども事務的にならず、少しでも安心感を持っていただけるような語り口でお話ししています。電話の最後には、「明日はどうぞよろしくお願いいたします」と心を込めて一言添えることも忘れません。
当日は「第一印象」を何より大切に

ナニーにとって「第一印象」は、何度訪問していても毎回大切なもの。でも、初めてのご訪問ではとくに気をつかいます。
お母様もお子様も「どんな人が来るのだろう」と待っていらっしゃいます。その最初の出会いの印象が、今後の信頼関係を築く基礎になるからです。
まず心がけているのは、時間厳守。初めての場所は道に迷ってしまうこともあるので、必ずアクセスを事前に確認し、時間に余裕をもって到着するようにしています。早めに着いたら、近くの公園やお散歩コースなどを下見しておくと、打ち合わせの際の話題にもなり、安心していただけます。
そして、見た目の印象も重要です。
- 清潔感のある、機能的な服装
- 髪はきちんとまとめて、表情が見えるように
- 笑顔で、明るく挨拶を
初めてのご訪問では、この「第一声と第一笑顔」がとても大切です。お母様がホッとした表情を見せてくださると、お子様もその様子をよく見ていて、「この人はママが安心している人なんだ」と感じてくれるようです。
打ち合わせでは、丁寧な傾聴とメモを
はじめてのご家庭では、ルールや習慣がわからないことばかりです。ですから、打ち合わせの時間は特に大切にしています。
ご家庭によって、ミルクの作り方ひとつとっても、「このお湯を使って作ってください」「哺乳瓶はこの順番に使ってください」「使用後はこのように洗浄、消毒しています」など、さまざまです。そういったことを聞き漏らさないように、メモを取りながら確認していきます。
また、表面的な情報だけでなく、お母様の言葉の端々や表情から、ご家庭が大切にしていることを読み取ることも意識しています。
「はい」「かしこまりました」と、相槌を打ちながら、目の前のご家庭に合わせて柔軟に対応できるよう、傾聴の姿勢を崩さないことを意識しています。
お子様とは、無理せずゆっくり仲良く
ナニーが訪問する日は、お子様にとっても特別な一日。知らない大人が来るというだけで、緊張していることもあります。そういうときに大切なのは、無理に距離を縮めようとしないことです。
私はいつも「お子様の世界にそっとおじゃまするような気持ち」で接します。元気いっぱいの子、ちょっぴり恥ずかしがり屋さん、じっと様子をうかがう子……性格もその日の気分も、本当にいろいろです。
お子様の表情やしぐさをよく観察し、その子が心地よいと感じる声のトーン、大きさ、距離感で、ゆっくりと関係を築いていきます。
お話をよく聴くことも大事です。お子様が見てほしいもの、話したいことをくみとって「それ、すてきね」「教えてくれてありがとう」と声をかけていると、自然と信頼関係ができて、気づけば仲良しになっています。
終了時は、簡潔かつ丁寧に報告を
お世話が終わる際には、お子様の様子を端的にお伝えしています。
たとえば、
「最初は少し緊張したご様子でしたが、○○のお話をしてくれてからはリラックスしてお過ごしでした」
「お昼ごはんを完食した後、お昼寝は1時間半ぐっすりお休みになりました」
など、お母様がお知りになりたいことを中心に、笑顔でお伝えしています。
保育記録にも残しますが、口頭でのご報告はお母様の反応を見ながら臨機応変に。その場で質問があればお答えできるように、落ち着いてお話しします。
最後に、「本日はありがとうございました」と、丁寧な挨拶をして失礼します。第一印象と同じぐらい「最後の印象」も大切にしています。
おわりに:信頼は、最初の一歩から

ナニーのお仕事は、そのご家庭の暮らしに寄り添い、信頼関係を築き、安心していただくことが一番の土台になります。
その最初の一歩となる「はじめてのご訪問」。
私はいつも、「次もこのナニーさんにお願いしたい」と思っていただけるよう、一つひとつの行動に心をこめて向き合っています。
これからナニーを目指す方にとって、「はじめて」は緊張するかもしれません。けれど、明るく、丁寧に、思いやりをもって対応すれば、必ず伝わるものがあります。
ポピンズでは、ナニー同士で学び合う機会も多く、未経験からでも安心してスタートできます。
ご家庭との一期一会の出会いを大切にしながら、一緒にこのやりがいのある仕事に挑戦してみませんか?詳しくはこちらをご覧ください→

この記事を書いた人

- ポピンズはなこ
- 現役のスーパーナニーとして、日々さまざまなお子様とご家庭に寄り添っています。 3人の子どもを育てあげ、子育てがひと段落した頃、「今度は自分の好きなことを仕事にしたい」とナニーの道へ。 より深くお子様と関わるために保育士資格も取得しました。 お子様の笑顔に励まされながら、今日も心をこめてナニーのお仕事に向き合っています。