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保育士ナニーに聞く、おうちでできる幼児教育

2024.10.28
  • ナニー
  • ベビーシッター
  • 保育士

みなさま、幼児教育についてどのようなイメージをお持ちでしょうか?

「専門の講師に子どもを任せないとできない」「幼稚園や小学校受験をする家庭がやるもの」

そんなふうに考えて、「うちには、関係ないかな…」なんて諦めてしまっているご家庭も多いのではないでしょうか?

確かに、幼稚園や小学校受験専門の幼児教室や、特別な教材を使った知育教育を行っている幼児教室がたくさんありますね。

この記事では、おうちでできる幼児教育について、保育士資格を持つナニーがくわしく解説します。

そもそも、幼児教育ってどんなもの?というお話から、おうちでの幼児教育をおすすめする理由や、実際におうちでできる幼児教育の具体例もご紹介します。

また、共働き世帯もできる、おうちでの幼児教育もご提案しています。

幼児教育に興味があるパパ・ママはぜひ参考にしてくださいね!

幼児教育ってなあに?

幼児教育というと、どうしても「お勉強」のイメージが強いですよね。

ここでは、そもそも「幼児教育とは何だろう?」という問いに、しっかりお答えしていきたいと思います。

文部科学省における幼児教育の意義

幼児教育は,子どもの基本的な生活習慣や態度を育て,道徳性の芽生えを培い,学習意欲や態度の基礎となる好奇心や探求心を養い,創造性を豊かにするなど,小学校以降における生きる力の基礎や生涯にわたる人間形成の基礎を培う重要な役割を担っている。

~文部科学省ホームページより一部抜粋~

このように、文部科学省は

幼児教育とは基本的な生活習慣や好奇心、創造性を育てて、生きる力を育てる重要な役割である

と示しています。

この文中の「生きる力」について、文部科学省は

変化の激しいこれからの社会を生きるために、確かな学力、豊かな人間性、健康・体力の知・徳・体をバランス よく育てる           

              ~文部科学省「新学習指導要領」より一部抜粋~

と示しています。

つまり、「生きる力」とは「いかに社会が変化しようとも自分の力で生きていこうとする力」ということです。

幼児教育とは、この「自分の力で生きていく力」を育てるためのものであるということですね。

                    

幼児教育と早期教育の違い

「早期教育」とはどのようなものかご存知でしょうか?

この幼児期の発達の特性に照らした教育とは、受験などを念頭におき、専ら知識のみを獲得することを先取りするような、いわゆる早期教育とは本質的に異なる。

               ~文部科学省ホームページより一部抜粋~

文部科学省は、このように早期教育を

「受験などを念頭に置いた、知識のみを獲得することを先取りするような教育」と示しています。

つまり、生きる力を育てる「幼児教育」と知識のみを獲得する「早期教育」は全く別のものである、という考え方が正しいといえます。

幼児教育に大切なものは?

幼児教育に大切なものは、様々あります。

その中でも特に大切なのは、お子さまを取り巻く「環境」や、興味・関心を引き出したり創造性を豊かにしたりする「遊び」、そして親子の「コミュニケーション」です。

環境

前述の通り、文部科学省は「基本的な生活習慣や好奇心、創造性を育てて、生きる力を育てる重要な役割」が幼児教育であると示しています。

お子さまの基本的生活習慣は、ご家庭でのパパ・ママがお手本です。

早寝早起きの習慣、気持ちのよい挨拶や思いやりのある言葉かけなど、生活環境の中でお子さまに示してあげましょう。

遊び

お子さまは、どんなことに興味・関心を持っていますか?

車が好き、絵を描くことが好き、お砂遊びが好き、なんでも構いません。

子どもが一番集中力を発揮するのは、自分が興味を持っている遊びをしているときです。

興味を持った遊びから、創造力や想像力が育ちます。

遊びをくり返す中で、失敗したり成功したりしながら達成感を味わいます。この達成感が自己肯定感を高め、「生きる力」となっていくのです。

コミュニケーション

お子さまは、パパ・ママとのコミュニケーションから安心感や自分が愛されているという自信を身につけます。

小さい頃に感じる安心感や自信は、この先にお子さまの「生きる力」を支える大切な価値観となります。

そして、お友だちや様々な人との交流を深めながら、社会性を身につけていきます。

お子さまの自主性を大切にして、親子のコミュニケーションを深めていきましょう。

おうちでの幼児教育がおすすめな理由は?

わざわざお教室に通わなくても、おうちでできる幼児教育はたくさんあります。

おうちでの幼児教育がおすすめな理由をご説明しましょう。

いつでも幼児教育を取り入れることができる

お子さまとおうちで過ごす時間を幼児教育の時間と考えると、生活習慣から親子のコミュニケーション、お遊び全てが幼児教育となります。

おうちにあるものを取り入れることができる

おうちにあるパズルやお絵描きの道具、粘土や時計など、どんなものでも幼児教育の教材になります。

たとえば、時計を見ながらお子さまと一緒に「1.2.3」と数えたり、時間に興味が出てきたら、一緒に時計を読むことができます。

冷蔵庫を一緒にのぞきながら、野菜や果物の名前を覚えるのも、お子さまにとって楽しい幼児教育となります。

「どんなものが教材に使えるかな」と探しながらお子さまと一緒に楽しんでくださいね。

経済的な負担が少ない

幼児教室に通って、知育教材を購入しながら学ぶという選択もありますが、やはりそれなりの費用がかかります。

まずは、おうちでの幼児教育をお子さまと一緒に楽しんで、その次のステップとして幼児教室を検討するのがお勧めです。

おうちでできる幼児教育

おうちでできる幼児教育には、どんなものがあるのでしょうか?

いくつか、取り組みやすい幼児教育をご紹介しましょう。

言葉かけ

「言葉かけ」とは、お子さまに対する話し方や姿勢、お子さまがどのように受け取るかを考慮して言葉をかけることです。

このようなことは、他人に言葉をかけるときは当たり前だと分かっていることですが、実際に意識して行ってみると実は奥が深い行動なのです。

お子さまに、丁寧にわかりやすい言葉で話したり、お子さまの目を見て「あなたのことを受け入れていますよ」という気持ちが伝わるように話したりすることがとても大切です。

このような言葉かけは、自己肯定感を高め、お子さまの「生きる力」を育てます。

読み聞かせ

絵本の読み聞かせは、親子のコミュニケーションのための大切な時間です。

パパ・ママに絵本を読んでもらう中で、お子さまは想像力や語彙力、読解力など、様々な力を身につけていきます。

また、お子さまにとってパパ・ママの声はとても気持ちが落ち着くものです。

読み聞かせをしてもらっていると、情緒の安定したお子さまに育つといわれています。

知育おもちゃ

知育おもちゃといっても、難しくとらえることはありません。

ご家庭にあるおもちゃで、知育おもちゃとなるものはたくさんあります。

積み木

子どもは、積み木を触ったり積み上げたり並べたりして遊ぶことが大好きです。

積み木遊びには、形や大きさ、高さなどの立体的な構造を認識する空間認識能力を高める効果があるといわれています。

また、積み木を積み上げて何かに見立てて遊ぶことで、想像力や創造力が養われます。

パズル

パズルには、ピースを平面的に組み合わせるタイプ、型にはめ込むタイプ、キューブ型になっていて組み合わせるタイプなどがあります。

型にはめ込むタイプは、1歳位から遊ぶことができ、ピースを組み合わせるタイプは、3〜4ピース程度なら2歳位から遊ぶことができます。

このように、種類やピースによって月齢に合わせたパズルで遊ぶことができます。

パズル遊びは、手先の器用さや思考力・集中力などを育みます。

また、完成するとほめられることで自己肯定感を高めることができます。

ブロック

ブロックは、0歳児から遊べる柔らかくて音の出るものから小学生が作品作りを楽しめる小さいピースのブロックまで様々な種類があります。

ブロックには、指先の巧緻性や空間認識能力、集中力や創造力など様々な知力向上効果があります。

お子さまの月齢に合わせて選んであげましょう。

お手伝い

お手伝いも、とても効果的な幼児教育です。

「〇〇をしてね」と伝えて、そのお手伝いをきちんとやり遂げる責任感や気力が社会性を身につけることにつながります。

お手伝いをしたことで、家族が喜んでくれる姿を見ると、お子さまの自己肯定感にもつながります。

共働き世帯もあきらめないで!

「子どもと関わる時間があるご家庭はできるかもしれないけど、うちは共働きだから難しいわ…」と嘆いているパパ・ママがいらっしゃるかもしれませんね。

子どもと一緒の時間を幼児教育の時間にする

幼児教育は、環境が大切です。まずは、おうちでのお子さまとの時間を意識してみましょう。

丁寧な言葉かけや、気持ちの良い挨拶など、すぐに実践できそうですね。

週末、一緒に絵本の読み聞かせやブロック遊びなどを楽しんで、親子のコミュニケーションの時間を取りましょう。

その時に、少しお子さまを観察してみてください。

お子さまが今、何に興味をもっているか、どんな遊びをどんなふうに行っているのか。

観察しているうちに、今まで気付かなかったお子さまの一面を発見するかもしれません。

その発見が、お子さまの知力を伸ばすきっかけになることもあります。

お子さまがブロックで作品を作ったら、お話ができる月齢であれば「どうして、これを作ったの?」と質問してみましょう。

お子さまは、自分が見て心に残ったことや興味を持っていることを交えながら説明してくれるかもしれません。

また、お子さまはパパ・ママが自分に関心を持っていることを喜び、それが自己肯定感を高めることにつながります。

教育ベビーシッター=ナニーを活用する

それでも、なかなか時間を作るのが難しい…という時には、教育ベビーシッター=ナニーを活用してみるのもいいでしょう。

プロのナニーは、言葉かけやマナーがしっかりとしているので、お子さまを任せるのにぴったりです。

まとめ

今回は、おうちでできる幼児教育について保育士資格を持つナニーが丁寧にご紹介しました。

「幼児教育ってこんなに身近なものなんだ!」と感じたパパ・ママも多いのではないでしょうか。

ぜひ、文部科学省が示している「生きる力」を持った子どもに育てるための参考にしてくださいね。

この記事を書いた人

五島 由紀子
保育・教育関係に携わって15年以上。保育園施設の管理職を経て、2022年よりフリーランス保育士として活動開始。保育士免許・幼稚園教諭二種免許・キッズマナー講師資格取得。現在は、1人のお子さまへ細やかな保育を行いたいと感じ、ポピンズナニーとして保育に携わっております。趣味はベリーダンス。子育てカウンセラー資格取得に向けて勉強中。

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