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産前産後ヘルパーとは?仕事内容や必要な資格、スキルまで徹底解説

2024.11.22
  • 職種・働き方
  • 資格・キャリアアップ

産前産後ヘルパーとは、出産前後のお母さまと赤ちゃんをサポートする仕事です。核家族化など社会の変化に伴い、親など親族と離れて暮らし、出産の際にも里帰りや手伝いに来てもらうことが難しい妊産婦も少なくない中、注目を集めているサービスの一つです。

本記事では、産前産後ヘルパーに必要な資格やスキル、具体的な仕事内容、働き方とやりがいについて詳しく解説していきます。

産前産後ヘルパーとは?役割と仕事内容

まず、産前産後ヘルパーの役割と具体的な仕事内容をご紹介します。

産前産後ヘルパーの役割とは

産前産後ヘルパーの役割は、産前産後のお母さまや赤ちゃんをサポートすることです。専門知識をもとにお母さまの身体的・精神的なケアを行います。

具体的には、育児のサポートを通じてお母さまの体調回復を促す、家事全般のお手伝い、育児に対する不安に寄り添うことで心の支えとなることが求められます。

産前産後ヘルパーの具体的な仕事内容

産前産後ヘルパーの仕事内容には、多岐にわたる家事や育児のサポートが含まれます。

主な業務としては、赤ちゃんのお世話、授乳やおむつ替えの補助、お母さまのための食事作り、洗濯や掃除などの家事全般が挙げられます。

また、お母さまの体調や不安定な気持ちにも寄り添い、適切なケアを提供することも大切な仕事の一つです。

産前産後ヘルパーになるために必要な資格と取得方法

産前産後ヘルパーになるために、必須の資格はありません。ただし、産前産後に関する専門的な資格を取得することが推奨されます。

資格を取得すると、専門的な知識やスキルが身につくため、お母さまが安心できる質の高いサポートが提供できるようになります。

産前産後ヘルパー技能検定

産前産後ヘルパーの資格には「産前産後ヘルパー技能認定」があり、一般財団法人日本医療教育財団が認定をします。

妊産婦をあらゆる視点から支援できる知識、新生児の育児支援に関する知識を学び、技能を習得できます。

参考:産前産後ヘルパー技能認定

取得方法

「産前産後ヘルパー技能認定」は、一般財団法人日本医療教育財団から承認を受けた教育機関において、所定の教育訓練ガイドラインに適合したカリキュラムに沿って技能を習得します。

カリキュラム終了後、その教育機関が実施する修了試験を受け、得点率が90%以上であれば合格です。

産前産後ヘルパーに必要なスキル

ここからは、産前産後ヘルパーに必要な4つのスキルを紹介します。 

コミュニケーション力

産前産後ヘルパーにとって、コミュニケーション力はとても重要です。

お母さまやそのご家族と信頼関係を築くためには、適切なタイミングで声をかけ、お母さまの悩みや要望をしっかりと理解し、心情を受け止めながら対応する必要があります。

また、産前産後は不安や疲れを感じることが多いため、寄り添うような言葉遣いや、聞き手に回る姿勢が大切です。

育児に関する知識

産前産後ヘルパーには、育児に関する基本的な知識が不可欠です。

赤ちゃんのおむつ替えや授乳、沐浴の補助、泣き止ませ方、寝かしつけなどの知識とスキルが求められます。また、お母さまに対して育児のアドバイスを提供することもあります。

そのため、育児方法や安全に関する情報を常に最新のものにアップデートすることが大切です。

家事全般

家事全般のサポートも、産前産後ヘルパーの役割の一つです。

お母さまが安心して出産できるよう、また産褥期は身体の回復や赤ちゃんのお世話に集中できるよう、掃除や洗濯、食事の準備などの家事をこなすスキルや、食事作りに関する知識や調理技術も必要とされるでしょう。

家事を効率よくこなしながら、お母さまやご家族が安心して生活できる環境を整えることが求められます。

心身への配慮

産前産後のお母さまは、身体的に大きな負担がかかっており、精神的にも不安定なことが多いです。

そのため産前産後ヘルパーには、お母さまの心身の状態に寄り添い、適切なサポートを提供する力が求められます。

また、お母さまの身体の変化や産前産後特有のトラブルに対応できる知識、無理なく回復していけるような配慮が大切です。

産前産後ヘルパーとしての働き方とやりがい

産前産後ヘルパーには、家族のニーズに合わせて柔軟に対応することが求められます。

ここからは、産前産後ヘルパーの働き方とその待遇、仕事のやりがいについて詳しく説明します。 

産前産後ヘルパーとしての働き方とその待遇

産前産後ヘルパーの働き方には、会社に所属するあるいは個人事業主の2つがあります。いずれの場合も時間帯は家庭に合わせて稼働するため、朝や昼のみならず、夜間にサポートを行うこともあるでしょう。

待遇は働き方や雇用形態によって異なりますが、一般的には時給制や日給制が多いようです。

会社に所属して働く場合は研修があるため、資格がなくても一定の知識を得て現場に出ることができる安心感があります。また、安定した収入を得ることも期待できるでしょう。個人事業主として働く場合は、自身で報酬を設定することができるため、自由度が高く、都合に合わせて働くことができます。

産前産後ヘルパーのやりがい

産前産後ヘルパーのやりがいは、産前産後の不安定な時期を安心して過ごせるよう手助けすることで、多くのお母さまから感謝の言葉をいただくことです。

また、赤ちゃんの成長を間近で見守り、育児に貢献できることも大きなやりがいです。

お母さまと共に赤ちゃんの誕生を喜び、成長を見守る中で、家族の一員のように信頼されることは、やりがいを超え、大きな喜びとなるでしょう。

産前産後のママをサポートする仕事

その他にも、産前産後のお母さまをサポートするさまざまな職業があります。

ここでは、産後ケアリスト・産後ドゥーラ・ベビーシッターについて説明します。

産後ケアリスト

産後ケアリストは、一般社団法人産後ケア協会が認定しており、産後のサポートができる仕事です。心身ともに不安定になりやすい産後の女性に対して、こころと体、そして子育て環境を整えるなど、多方向から女性を支援する専門職です。
専門的知識を持ってサポートし伴走者のように支え、産後のお母さまが安心して育児や家事を行えるよう、身体のケアや育児のアドバイスといったサービスを提供します。

例えば、産後の体調管理や授乳のアドバイス、心身のケアなどが挙げられます。

参考:一般社団法人日本産後ケア協会

産後ドゥーラ

産後ドゥーラはNPO法人ドゥーラ協会が認定する資格で、心身の安定と産後の身体の回復、赤ちゃんの育児や新しい生活のスムーズな導入を目的に、お母さまの気持ちに寄り添ったサポートを行います。

産後ドゥーラの特徴は、お母さまの精神的な支えとなることに重点を置いている点です。育児や家事に関するサポートを行うだけでなく、お母さまの気持ちを受け止め、共感する姿勢が求められます。

参考:一般社団法人ドゥーラ協会

ナニー、ベビーシッター

少子化解消のために、現在、多くの自治体が産前産後事業に取り組んでいます。それらの自治体から委託を受けた事業所に所属するナニーやベビーシッターもまた、ご家庭を訪問し、産前産後のケアを担っています。

授乳、沐浴介助、おむつ交換といったサポートはもちろん、きょうだいの見守りや送迎もナニーやベビーシッターであれば安心して任せることができるでしょう。

食事の準備や後片付け、洗濯、掃除、買い物、健診の付き添いなど、ご家庭のニーズに合わせて柔軟に対応できる点も魅力です。

※サービスの範囲は自治体によって変わってきますので、ご確認の上ご利用ください。

ナニーやベビーシッターのプロフェッショナルなアプローチは、お母様の不安や孤立感を和らげる心理的なサポートの役割も果たし、お母さまの産後うつの予防やご家族全体の生活を安定させることにもつながるでしょう。

まとめ

産前産後ヘルパーは、産前産後のお母さまや赤ちゃんをサポートするために、専門知識を持ってお母さまの身体的・精神的なケアを行う産前産後ケアのプロです。

資格は必須ではありませんが、産前産後のお母さまのケアの仕方、育児や家事のスキルが求められます。そのため、産前産後ケアに関する資格があることで、より安心かつ信頼できる産前産後ヘルパーとなれるでしょう。

ポピンズナニーサービスでは、自治体の委託を受け、研修を受けた教育ベビーシッターである「ナニー」がご家庭を訪問し、産前産後ケアを行っています。赤ちゃんのお世話はもちろん、家事のお手伝い、ごきょうだいのお子様の送迎や遊び相手になることで、産前産後のお母さまの心身の支えになることができ、大きなやりがいを得られるでしょう。助産師、看護師、保育士の資格をお持ちの方も経験を存分に活かしていただけます。

お子さまのお世話をしながら、お母さまの産前産後のケアもしたいという方は、教育ベビーシッター「ナニー」として働くことも視野に入れてみてはいかかでしょうか。

この記事を書いた人

すがわらみさと
1990年生まれ。四年制大学で保育・幼児教育について学び、幼稚園教諭一種免許と保育士資格を取得。卒業後は、保育園や認定こども園で約10年の勤務経験があります。現在はベビーシッターとして独立し、保育系ライターとしても執筆活動をしています。保育士やベビーシッターとしての経験と知識をもとに、わかりやすく伝える文章を書くよう心がけています。

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