ベビーシッターの送迎業務とは?安全で楽しい送り迎えのコツ
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ベビーシッターの業務の一つに、園や習い事への送り迎えを行う「送迎」があります。これは多くの家庭が依頼される人気の業務です。今回は、具体的な仕事内容や、安全で楽しく行うポイントをご紹介します。
ベビーシッターの送迎の仕事とは?
共働きの家庭や、忙しいスケジュールを抱える家庭など多くの保護者が子どもの送迎サポートを利用します。主な役割は指定した時間に子どもを迎えに行き、指定された場所に送り届けることですが、ベビーシッターに送迎を依頼することで、子どもの年齢やご家庭の事情に合わせた送迎ができるためニーズが高まっています。
多様化するベビーシッターの送迎サービス
実際にどんな送迎サービスの利用があるのでしょうか。ナニーが実際に担当したお客様のご利用例をご紹介します。
ご利用例1 5歳の兄と3歳の妹 支度から朝の保育園へのお見送り
ご飯の支度、洗濯物、お仕事の支度などやることが沢山あって忙しい朝。ご飯のお手伝いやお着替えのサポートができるベビーシッターにお願いすることで、忙しい朝の時間を余裕を持って過ごすことができます。
7:30 ベビーシッター到着、兄・妹の朝ご飯の見守り
8:00 保護者が仕事の支度中、ベビーシッターが子どもの保育園の準備を手伝い
8:30 保護者をお見送り後、自宅シッティング
9:00 保育園へ送迎
9:30 保育園到着、サポート修了
ご利用例2 3歳男の子 幼稚園へお迎え、習い事へお見送り
習い事をさせてあげたいけれど、送迎をする時間がないとお困りのご家庭も多くあります。ベビーシッターは各ご家庭のご事情に合わせて、サポートをすることができます。
13:00 幼稚園へお迎え後、自宅へ
14:00 自宅へ到着後、お着替えのサポート
14:30 近くの公園での遊びを見守り
15:00 習い事へ到着、サポート修了
ご利用例 6歳の姉・3歳の弟 保育園へお迎え、自宅で見守り
送迎後の自宅での見守りをお願いできるのがベビーシッターの送迎サポート。お食事のお手伝い、入浴のサポート、寝る前の絵本の読み聞かせ、寝かしつけなど幅広いお手伝いができます。
17:30 保育園へ弟をお迎え後、自宅へ
18:00 保護者と共に帰宅した姉と弟のお風呂のサポート
18:30 お食事の見守り
19:00 夕食が終わり次第、本の読み聞かせなど自宅シッティング
19:30 サポート終了
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送迎の仕事は前日の打ち合わせから
シッティングが終了するまで保護者に直接会えないということもよくある送迎サービス。仕事の前日までに、保護者と事前打ち合わせをしっかりすることが重要です。事前の打ち合わせはどんなことを確認するのでしょうか。
時間・場所・経路
送迎でまず最初に確認したいことは、時間、場所、経路です。
・どこから~どこまで(約何分): 具体的な送迎ルートの長さや時間を把握します。
・お引き受け(お預かり)の時間と、誰から誰へ:子どもの受け渡しに関する詳細を確認します。
・送迎ルートの詳細:具体的な道順や経路をしっかりと理解しておきます。
ルートと移動手段の詳細
経路(ルート)と移動手段は特に詳しく確認する必要があります。
・公共交通機関/タクシー/徒歩など、移動手段はなにか:どの移動手段を使うかを明確にし、それに応じた準備を行います。
・交通機関は路線や乗り換えなどの詳細:交通機関を利用する場合、乗り換えの有無や路線の詳細を把握しておくことが大切です。
・小さなお子さまの場合は、ベビーカー・抱っこ紐の有無や使い方:ベビーカーや抱っこ紐の使用が必要な場合、その操作方法も含めて確認します。
・歩道の有無や危ない個所:歩道が安全かどうか、危険な箇所がないかも確認しておくと安心です。
身分証明の提示、園・習い事先のルール
園や習い事への送迎では、受付方法や荷物の場所など、事前に保護者から確認しておきたい点があります。保護者が忙しい場合、伝達の漏れが起こることもあるため、以下のような点はシッターからも尋ねると安心です。
・入室ルール:ゲートに入る際の専用カードや、パスワード・暗証番号が必要な場合もあります。
・登園・降園時のタスク:例えば、登園・降園時にボタンを押す、体温を表に記載する、荷物を所定の位置に置くなど、園ごとのルールを確認します。
・身分証明書の提示:保護者に依頼されたシッターであることの証明が必要な場合があります。
・先生とのやり取り:引き渡し・引き取りの際には、先生にきちんとご挨拶をし、連絡事項を確認します。
ご自宅の鍵・セキュリティカードの受け渡し
ご自宅の鍵や、園のセキュリティカードを預かることもあります。以下の点に注意して管理しましょう。
・紛失に十分気を付ける
・手渡しできない場合は、返却場所を事前に決めておく
・人の目につきやすい場所に置かない
・お子さまに持たせない
ナニーに聞きました!安全で楽しい送迎を行うポイントとは?
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道に迷ったり子どもが走り出したりと、送迎だからこそ出てくる危険や心配もあることでしょう。ここでは、安全で楽しく送迎を行うポイントを、実際に送迎サービスを行っているポピンズの教育ベビーシッター「ナニー」の声を元にご紹介します。
子どもの安全を守るため気を付けていることは?
「送迎中は必ず手を繋ぎ、常にお子様の一歩前を歩き、車や自転車などの危険が無いか常に気を配るようにしています。荷物をリュックにして両手を空け、すばやく動きやすい履きなれた靴を履くなど、お子様が急に走り出すのを制止できるような準備も大切です。
また、時間の余裕を持つことも常に意識しています。急いでいる時はどうしても注意が甘くなってしまうものなので、遅刻に気を付けることはもちろん、お子様と一緒の移動はいつもより時間がかかることを考慮して計画を立てています。」
「保護者との事前打ち合わせの前に、当日の送迎をよくイメージするようにしています。地図をよく見て、『歩道は広いかな?』『建物の入口は分かりやすいかな?』『電車は何分おきに来るかな?』などを確認し、分からないことは保護者に聞きます。
よくイメージをしてから保護者に質問することで、忙しい保護者と簡潔な打ち合わせをすることにも繋がります。」
子どもの安全を守るためには、送迎中の確認はもちろん、時間に余裕を持つことや打ち合わせの前の準備も大事ということでした。安全に注意を向けて送迎サービスを行うことが、保護者からの信頼に繋がるのですね。
送迎は初めての場所に一人で向かうことも多い仕事です。道に迷った時や遅刻しそうな時はどうしたらよいか、所属する会社によく確認し、安全でスムーズな送迎を心掛けましょう。
「行きたくない」「歩きたくない」など、子どものイヤイヤへの対処法は?
「お子様の性格や年齢によっては、お迎えに行った際に『ママと一緒じゃないと帰りたくない』と泣いてしまうなんてこともあります。そんな時はお子様の『行きたくない』『ママがいい』といった気持ちをまずはしっかり受け止め、抱っこをして落ち着かせたり、行き先での楽しみを話したりして切り替えられるようサポートします。
また保護者と事前に相談し、お子様のお気に入りのアイテムなどを用意して、安心感を与える工夫も大切にしています。」
「公園から帰りたがらない場合には、『公園楽しいから帰りたくないよね』と共感しつつ、『あと3分だけ遊んだら帰ろうね』などと納得してもらい、スムーズに移動できるようにします。お子様が無事に切り替えが上手くいったら、感謝の気持ちを大げさに表現して、お子様の成功体験として積み重ねるようにしています。」
「お子様の好きなキャラクターや話題を事前に保護者に確認しておくようにしています。例えば、最近妖怪にハマっているお子様に対しては『妖怪の話をしながら歩こう』といった声がけをしたり、電車が好きなお子様なら路線の名前を出し合うゲームをしたり。お子様にとって移動時間が楽しい時間になればいいなと思っています。」
安全と時間を守りながらも、子どもの好みやペースに合わせた時間を演出するのがベビーシッターの送迎のコツのようですね。どんな言葉がけや話題が良いか、よく保護者と打ち合わせをして、それに応じた声がけをしていきましょう。
ベビーシッターの送迎だからこそ味わえるやりがい
ママパパと一緒に子どもの成長を見守る喜び
送迎サービスは、週に1回同じ曜日など、定期的に仕事が入ることが多いです。継続的な関わりを通じて、子どもの成長を実感することができます。例えば、以前は歩くのが遅かった子が、次第に速く歩けるようになったり、いつも泣いていた子が「いってきます」と笑顔で挨拶できるようになったり、しりとりがどんどん上手くなっていったり。子どもの成長を、ママやパパと一緒に見守り、支えることができるのは、この仕事ならではのやりがいの一つです。
限られた時間で築く子どもとの信頼関係
送迎の仕事では、「行きたくない」「歩きたくない」といった「イヤイヤ」な場面が発生しやすいものです。そんな時、子どもを上手に誘導できるかどうかが、ベビーシッターの腕の見せどころです。自分が工夫したことを通じて子どもが笑顔になった瞬間は大きな達成感を味わえます。特に、移動中は玩具などの助けが少ないため、言葉や手振りで子どもと楽しい時間を過ごせることが、ベビーシッターとしての自信に繋がることでしょう。
保護者からの心のこもった「ありがとう」
忙しいママやパパに代わって送迎を行うことで、「本当に助かりました」と心から感謝されることも多いです。共働き家庭が増え、多忙な毎日を送る保護者にとって、ベビーシッターによる送迎は大きな支えとなります。自分の仕事が、忙しい家庭を支えているという実感を持ちながら働けることは、この仕事のやりがいをさらに深めてくれるでしょう。
送迎の仕事は、責任とともに大きな喜びや感謝を感じられる特別な仕事です。子どもの成長を見守り、信頼関係を築きながら、保護者のサポートを行うことができる素晴らしい役割です。これからベビーシッターとして送迎業務に挑戦する方は、ぜひ参考にしてください。
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この記事を書いた人
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- 遠藤智菜美
- 2016年3年横浜国立大学経済学部卒業後、8年間営業として一般企業に勤務しました。「保育に携わりたい」という兼ねてからの想いを叶えるため、現在は保育士試験の勉強をしながらベビーシッターとして勤務をしています。地元山形県で活躍する人のインタビュー記事を作成するなど、webライターとしても活動しています。