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~ナニーどうしつながって、エデュケアの質を高め合う~第2回「ナニーエデュケアサロン」レポート

2026.06.30
第2回「エデュケアサロン」

「ナニーエデュケアサロン」とは? 

今年度より新たにスタートしたポピンズ ナニーサービスの研修「ナニーエデュケアサロン」。スーパーナニーを講師に迎え、エデュケアの実践事例や現場で培った知識・経験を共有しながら学び合う参加型のワークショップです。

第2回「ナニーエデュケアサロン」開催レポート

第2回となる今回は「1〜3歳児のお子さまのお世話について」をテーマに開催。実践事例の発表や座談会を通じて、参加者同士が日々のお世話で感じる悩みや疑問を共有し、対話を重ねながら解決のヒントを探りました。一人で現場に立つことの多いナニーだからこそ、仲間とつながり、学び合える場は貴重な機会。参加者それぞれが新たな気づきや学びを持ち帰った当日の様子をレポートします。

第1回「ナニーエデュケアサロン」レポートはこちらです→

あらゆるキャリアのナニー同士が交流し、共に学ぶ機会に

大好評だった前回に続く2回目のテーマは「1~3歳児の発達段階とナニーに求められる配慮とかかわり」。新人からベテランのスーパーナニーまで28名のナニーが知識を深めました。3割は前講座にも参加しており、知識をアップデートしてお世話に役立てようとする意欲が感じられます。会場にはお茶とチョコレートが用意され、カップを片手に和やかに交流を楽しむ姿が見られました。

1~3歳の発達段階とお世話の基本知識を確認

プログラムの冒頭では、「発達の道筋とナニーに求められる配慮とかかわり」をテーマに座学が行われました。今回は1~3歳の心身の発達段階を確認し、成長に応じたお世話の仕方を学びました。なお、座学に使用された本研修オリジナルテキスト「ナニーエデュケアブック」は持ち運びにも便利なA5サイズ仕様。「いつも傍に置いて見返したい」「日々のお世話に持参したい」との声も聞こえてきました。

お子さまの「やってみたい!」を大切にするスーパーナニー5名がキャリアや特技を活かした実例を紹介

メインイベントのスーパーナニーによるエデュケア実例紹介では、5名が登壇。事前に参加者から寄せられた悩みに応えるかたちで、経験や特技を活かしたお世話のコツを披露しました。一部を紹介します。

Aさん 意欲と好奇心を育む「自然遊び」と「手の言葉」

男女6人の母であり、保育士歴30年のAさんは、1〜3歳の「知りたい」「やってみたい」という気持ちを大切にしながら、自然遊びや手の言葉を通して、お子さまの主体性や非認知能力を育む実践を紹介しました。Aさんは、まだ言葉で十分に気持ちを伝えられない0歳頃から「手の言葉」を取り入れています。手の言葉とは、話し言葉に手の動きを添えて伝えるコミュニケーション方法です。

1歳前後になると、見たものや聞いたものを感じ取るだけでなく、覚えた手の言葉を使って、自分から発見や喜びを伝えようとする姿が見られます。例えば、絵本で見ていた桜と散歩中に見つけた本物の桜が「同じものだ」とつながった瞬間、手の言葉で「同じだね」と伝えてくれたそうです。2歳頃になると、椿の花を「ちょうちょみたい」、葉っぱを「お魚みたい」と見立てる自然遊びへ発展し、観察力や創造力を育みます。3歳頃には、頭の中に「こうしたい」という豊かで大きなイメージを持つようになります。思うようにできず泣いたり怒ったりする姿も、単なるわがままや甘えではなく、その理想に手先の力や経験が追いつかないからこそ生まれるものと捉えています。

お子さまの思いを大切にしながら、必要なところだけ支え、自分で工夫すること、助けを求めること、完成した時の喜びを味わうことを大切にしているそうです。自然遊びを通して、好奇心や主体性、創造力、粘り強さ、人に助けを求める力を育む実践に、参加者たちは熱心に耳を傾けていました。

Sさん 破いて、降らせて、張り付けてーお母さまも感動の「おりがみびりびり遊び」

手先の器用さを活かしたエデュケアでお客様から好評を得ているSさんは、発達に応じて多様な楽しみ方ができる「おりがみびりびり遊び」を紹介しました。1歳から3歳まで継続してお世話を担当した男の子との関わりを通じ、成長に応じた遊びの変化を振り返りました。「1歳頃はまだうまく破ることができないため、あらかじめ少し切れ目を入れた折り紙を渡すと、自分の力で破れる楽しさを経験できます」と工夫点を説明。成長とともに指先の動きが発達し、3歳頃にはかなり細かくちぎれるように。破いた紙は「ブルドーザーごっこ」で集めたり、紙吹雪として降らせたりと活動が広がっていきます。集めた紙片は画用紙に貼りつけて作品に仕上げます。貼る場所にはお子様に色のついたスティックのりで図形を描いてもらう、季節感を意識する、事前に準備した折り紙の人形をあしらうと作品としての完成度が高まるなどの工夫も紹介しました。

「丁寧にやろう、させようとしなくて大丈夫。お子さまの『自分でやりたい』という気持ちが出てきたらどんどんやらせてあげましょう」と話しました。 

Hさん 興味をきっかけに、「ことば」の発達を育む働きかけ 

幼児教室の講師としても経験豊富なHさん。数年に渡ってお世話をしているご家庭での、お子様の興味をきっかけにした言葉の発達を促す遊びを紹介しました。2歳の男の子は、歌の絵本が大好き。ある日、「ねこふんじゃった」の歌に合わせてHさんが猫の絵を描くと、自ら涙を描き加えました。そこでHさんが「猫さん泣いているね」「涙だね、涙って言ってみようか」と言葉を添えると、お子さまは嬉しそうに繰り返し発音したそうです。その後も「かもめの水兵さん」や「ちょうちょ」など、歌の世界を絵に描きながら言葉を広げていきました。

また、色や形のシール貼りでは、「赤はどこかな」「丸を探してみよう」と楽しみながら認知力や指示理解を育む工夫も紹介。お子さまが飽きてきたときには無理に続けず、「また今度遊ぼうね」と切り上げることも大切にしているといいます。さらに、絵カード遊びでは兄弟間のトラブルをきっかけに、お兄ちゃまが弟さんに文字を教える役割を担うことで協力して遊べるようになったエピソードも披露。「お子さまがやりたいと思ったことを出発点に、その時々の発達や関係性に合わせて関わることを心がけています」と語りました。

Oさん お子さまが心を開いてくれる、観察から立ち上げるオンリーワンのお遊び

お子さまの心を掴むお世話に定評があるOさん。通常、ナニーさんはお世話に入る前にお子さまの年齢やお母さまへのヒヤリングに基づいてお遊びの内容を準備します。しかし、Oさんは8年のナニー歴を通じて現場感覚で身に付けた「観察から遊びを立ち上げる方法」を実践されています。背景に、年齢を基準に準備した遊びがお子さまにとって幼すぎてプライドを傷つけたり、お母さまの説明とお子さまの主張に齟齬があったりした経験があったそうです。1〜3歳の時期は様々な面において発達に差があるだけでなく、情緒も日によって変化があるもの。だからこそ、その日のお子さまの状態に合わせた関わりが必要です。

「初めてお宅にうかがう際にはまずお子さまをよく観察します。表情、声のトーン、視線の動き、繰り返す行動をよく観て、心が落ち着く場所や好き嫌いを把握します。またお部屋の様子やお持ちのおもちゃからもヒントを得て、そうすると必ず関わり方や遊びに“ピン!”と来るものがあるんです。」と話しました。お子さまの声なき言葉を汲み取り、即興で組み立てるOさんのテクニックに、多くのナニーさんが興味深そうに聞き入っていました。

Iさん お外には学びの素材がたくさん!お散歩で広げるお子さまの世界

学術的な知見が豊富なIさんは、ナニーの業務として多い「送迎」にスポットを当て、お散歩を通じてお子さまの興味や学びを広げる工夫を紹介しました。Iさんは「自然に目を向けると、花や鳥、川など、学びの素材となるものがたくさんあります」と話します。道中では季節の花を見つけて名前を覚えたり、香りを楽しんだりと、五感を使った体験を大切にしているそうです。

また、川で見かけた鯉をゲーム感覚で数えながら「匹」という助数詞をお教えしたり、「カワセミは水のきれいな場所にしか住まないんだよ」と自然環境について伝えたりするなど、日常の風景を学びへとつなげています。さらに、おすすめのアイテムとして虫眼鏡を紹介。タンポポの綿毛などを拡大して観察することで、お子さまの好奇心を引き出しているといいます。「お受験をされるご家庭のお母様でもご存じないことがあります。お子さまの知識や興味の幅を広げて差し上げるのも、ナニーの大切な役割だと思っています」。何気ない送迎の時間を、発見と学びに満ちた時間へと変えるIさんの実践に、参加者たちは熱心に耳を傾けていました。

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発達を促すおもちゃ作りワークショップ—「紙」で楽しむ “お弁当づくり”

続いて、前述のIさんが講師となり、発達を促すおもちゃづくりのワークショップが行われました。今回は紙類や廃材でお弁当づくりを行いました。お受験を控えたご家庭では、ナニーに受験対策につながる造形活動をリクエストされることがあります。Iさんは、「身近な素材を用いて自分で作り出す力や想像力、手先の巧緻性、自分でできた!という自己肯定感を育めたらと思ってやっています」と説明しました。参加者は数人1組になってアイデアを出し合いながら、お弁当箱にお料理を詰めていきます。3歳でも仕上げられるように、お弁当箱の素材は小さめのものが良いそう。

おにぎり、たまごやき、ハンバーグなどを作っていきます。2歳児、3歳児が作ることを想定し、紙をぐしゃっと丸めただけでおかずを構成するグループもありました。

色鮮やかなお弁当が完成!今度はお子さまと一緒に制作するために「お花紙を準備したい」「廃材集めから始めたい」という声も聞かれました。

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お世話の「正解」はないからこそ、分かち合いながら支え合う

研修の最後には、スーパーナニーを囲んだ座談会が行われました。1~3歳のお子さまのお世話をする中で生じた疑問や悩みについて、参加者同士が共有し、スーパーナニーとの対話を通じて学びを深める実践的な時間です。参加者からは、「高いところに登ってしまう時はどうしたら…」「ご兄弟が別々の場所で遊びたがる」といった悩みや、自己主張が強くなる“イヤイヤ期”のお子さまへの対応について質問が挙がりました。

スーパーナニーたちは「絶対的な正解はありませんが…」と前置きしながら、自身の経験をもとに具体的な関わり方や考え方を紹介する姿が印象的でした。参加者たちは熱心にメモを取りながら耳を傾け、ときには自身の経験も共有。現場での悩みを一人で抱え込むのではなく、経験を分かち合いながら支え合うことで、安心感と新たな気づきを得られる時間となりました。

「エデュケアサロン」はナニーの悩みを安心して共有できる場

ナニーの皆さんは、日々お子さまと真摯に向き合うからこそ生まれる悩みや迷いを抱えています。それを安心して共有できる「ナニーエデュケアサロン」は、一人ひとりの実践を支え、さらなるエデュケアの質向上へとつながっていくことを感じさせる時間となりました。

閉会後のアンケートで寄せられたコメントの一部を紹介します。

  • 日々正解がわからず不安になることも多いので、他のナニーさんと意見交換ができたり、新たな視点での学びの場をいただけたりすることが大変ありがたいです。
  • 具体的なお世話の様子や工夫の数々など、すぐに実践できそうなアイディアをたくさんいただけました!特に初めてのお宅はどんなお子さまでどんな環境なのかがわからないので、引き出しを増やしておくことが、とても大事だと思いました。
  • スーパーナニーの方々のお子さまへの観察力が素晴らしく、小さなことも見逃さずに、本当の気持ちを引き出していらっしゃること、接し方ひとつでお子さまが自主性を持って遊び始めるということが素晴らしいと思いました。

今年度のナニーエデュケアサロンは、今後も年齢別の発達段階に応じた内容で開催します。第3回は9月9日(水)に「3歳以上のお子さまのお世話について」をテーマに実施予定です。

第1回「ナニーエデュケアサロン」レポートはこちらです→

この記事を書いた人

吉尾 夏紀
新聞社(記者職)、広告代理店勤務を経て「もの書き屋 きりんとバオバブ」として独立。 乳幼児3人を育てるシングルマザー。育児における座右の銘は「センス・オブ・ワンダー を探して」。2025年4~9月、国の居宅訪問型保育事業としてポピンズナニーサービスを利用

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