ナニーが教える新生児の好奇心を高める あそびとはたらきかけ
- ナニー
- 子育て知識

初めて赤ちゃんを迎えるママ・パパにとって新生児の子育ては不安や疑問でいっぱいですよね。一般的に、生後4週間までの赤ちゃんを「新生児」と呼びます。
新生児と何をして遊ぶかは、赤ちゃんの発達に合わせることが大切です。発達に合わせて遊び方も変えていくことで、成長を促す刺激にもなります。
新生児の発達
新生児の目の発達
生まれたばかりの赤ちゃんの視力はかなり低いうえ、色の認識もあいまいで、目の前にママ・パパの顔があってもなんとなく影があるくらいにしか見えていません。しかし、生後1週間も経てば、目の前を動くものを認識できるようになるといわれています。さらに成長が進み生後4週ごろになると、ママ・パパの顔が近づいてくれば確認するように、じっと見られるようになるでしょう。
新生児の耳の発達
聴覚はおなかの中にいるころから発達が始まっているといわれており、誕生のときにはすでに声や音が聞こえていると考えられます。身体機能が未発達なため、反応はないように見えますが、生まれた時からママの声は認識できているのです。
新生児の自己表現
新生児期の赤ちゃんの自己表現は泣くことだけです。おなかが空いても、暑かったり寒かったりしても、嫌なこと、不快なことがあっても、すべて泣くことで表現します。また笑うこともまだ出来ないため、あやしても反応がなくてパパ・ママは少しがっかりするかもしれませんが、生後1、2ヶ月目になるとニッコリ笑うことがあります。
新生児との遊びのポイント
原始反射を利用して遊びに繋げましょう
新生児期の赤ちゃんは自分の意思で身体を動かしたり、気持ちを表現したりは出来ません。そのため、新生児期の遊び方は、原始反射を利用することになります。原始反射とは、手に触れたものを握ろうとする「把握反射」や、背中をさするとお尻が持ち上がる「ギャラン反射」などを指し、赤ちゃんに生まれつき備わっている無意識で起こる反射行動のことです。このような原始反射を利用して遊ぶことは、お子様の神経発達に繋がるといわれています。
五感を刺激する遊びを取り入れましょう
①目を合わせる
お子様と遊ぶ時は、なるべく目を合わせて遊びましょう。新生児期だけでも、赤ちゃんの視力は発達します。次第に、目の前に顔があれば赤ちゃんは、じっと見つめるようになるため、目を合わせることは視力の発達を手助けすることに繋がるでしょう。
②声掛けをする
新生児の赤ちゃんは反応こそないものの、声や音は想像以上に聞こえています。言葉の意味は分からなかったとしても、声に含まれる気持ちに関しては少しずつ感じ取るようになっていくため、優しく声掛けをしてあげましょう。ナニーとしてお伺いする時も、まず最初にお子様のお顔を見て、お名前をお呼びしてご挨拶をする事からスタートします。お子様は自分に向けて何か話してくれているなと感じているように見えます。
③スキンシップをとる
お子様の身体を撫でるなど、新生児期からスキンシップはたっぷりとりましょう。スキンシップは、親子間の愛着の形成にとても重要な役割を果たします。親子間の愛着形成が出来ているお子様ほど、精神的に安定しやすく、自立心や挑戦心も芽生えやすいといわれています。
スキンシップ例
- 指を握ってもらう
原始反射のひとつ「把握反射」を用いた遊び方です。
お子様の手のひらに、自分の指を当てて、把握反射を引き起こし、指をぎゅっと握ってもらいましょう。→指先のトレーニング、脳の発達の促し
- 読み聞かせや歌を歌おう
意味はまだ理解出来なくても、読み聞かせや歌を歌うといった遊びは、聴覚への刺激になるため、おすすめです。
絵本は音の響きやリズム感覚で楽しめるものがあります。
例えば、谷川俊太郎さんの『もこ もこ もこ』は新生児から長い期間楽しめる絵本です。
歌は童謡だけでなく、「一本橋こちょこちょ」などのわらべうたも親子で触れ合いながら赤ちゃんもリラックス出来るおすすめのお歌です。
また、「グーチョキパーでなにつくろう」など手遊び歌を歌うと、手の動きに興味があるようで、お子様はナニーの手をよく見ております。
新生児に合ったおもちゃ

生後0ヶ月の赤ちゃんでも使えるおもちゃはたくさんあります。でも、どう選べばいいかお悩みのパパ・ママも多いと思います。まず第一に[安全]への配慮です。赤ちゃんが口に含んでも害が無いものか、外れそうな部品がないか確認しましょう。赤ちゃんは2㎝程度のおもちゃでも喉に詰まると窒息する恐れがあります。
赤ちゃんが好奇心を高めるおもちゃもたくさんあります。
ナニーとしてお伺いした時の経験からおすすめのおもちゃをいくつかご紹介します。
ガラガラ(ぬいぐるみラトル、チャイムなど)
振って音を楽しみ、指先の感覚を育てます。
布絵本(めくったり、触ると音が出る)
五感を刺激します。
ベットメリー、ベビージム
五感を刺激し発達を促す知育玩具です。視覚の発達に役立てたり、寝かしつけの効果もあります。
オーボール
高い知育効果があります。掴みやすいので「手の使い方」の学習が出来ます。それにより握力、筋力を高めます。掴む、離す動作を楽しみながら繰り返すことで巧緻性が高められ、脳の発達も促されます。
新生児から使えるおもちゃがもたらす効果は、五感の発達だけにとどまりません。
おもちゃは、親子のコミュニケーションをはかるきっかけにもなります。赤ちゃんが観察しているのは、周りの様子やパパやママの表情です。
赤ちゃんは、おもちゃを使って楽しくコミュニケーションを取るパパやママを見て、嬉しい気持ちや楽しく遊ぶ手段を学ぶのです。
新生児がいらっしゃるご家庭で、ナニーとして心掛けていること

新生児がいらっしゃるご家庭にお伺いした時に心掛けていることがあります。
前段でもお伝えしましたが、まずお声がけをして、お名前を呼びます。そうすると時々、「あー」と声を出してくれるのです。ナニーが続けてお話しをすると「うー」と応えてくれるかのようにお返事してくれます。赤ちゃんの言葉をそのままシンプルに返してあげるだけで、しばらく「あー」と「うー」だけでまるで会話のようにやりとりが続くのです!
実はそうすることで、赤ちゃんは自分が発信したことをわかってくれていると考えます。大人は赤ちゃんが「あー」と声を出すと、こちょこちょとくすぐったり、撫でてあげたりしたくなるのですが、そうすると大人のペースでコミュニケーションが進み、赤ちゃんの発信に対して返したことにはなりません。赤ちゃんの「あー」には「あー」で、そのままシンプルに返す方が、赤ちゃんももっと声を出してみようという意欲に繋がるのです。
お歌を歌う時は、体に触れながら歌っています。それが赤ちゃんにとって心地よい刺激になり、気持ちいいな、もっと聞きたいな、私も声を出してみたいな、という意欲に繋がっていきます。
赤ちゃんが何か発信した時に見逃さないように心掛け、それを受け止めるように気をつけております。
新生児との遊びについて書いてまいりましたが、この時期の赤ちゃんは短い時間で授乳、睡眠を繰り返し、おむつ替えも頻繁に行います。ママが休憩する時間も少ないうえ、出産直後は女性ホルモンが急激に低下して心が不安定になることもあります。あまり無理をなさらずに、今日はこれを試してみようかな、くらいの気持ちで取り入れてみては、いかがでしょうか。
日々ご成長していく新生児期を楽しみましょう。

この記事を書いた人

- ハタノケイコ
- 大学にて幼児教育を学び幼稚園教諭ニ種取得。卒業後は大手百貨店に就職し接客について学ぶ。児童館での読み聞かせボランティアをきっかけに再び保育の仕事へ。40代でポピンズに入社し様々な保育現場で仕事をしながら保育士資格取得。10年の経験と自身の子育てから感じた事を発信中。