忙しい毎日にゆとりを:親自身のケアがお子様を幸せにする理由
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初めてナニーを依頼されたご家庭に伺う際、こんなご不安の声をよくいただきます。
「この子を他人に預けるのは初めてなので心配です…」
「私がいない時に泣いてしまい、ご迷惑をかけないか心配で…」
育児中のパパ・ママにとって、「自分の時間を持つ」というのは贅沢だと感じることがあるかもしれません。しかし、そんなご家庭でもご帰宅後には、こんな声をいただくことがあります。
「今日はリフレッシュすることができました!」
「本当にありがとうございます!」
中には、「出産して以来初めて、夫婦二人だけで外食しました。温かい料理ってこんなに美味しいんですね」と、喜びを言葉にされる親御さんもいらっしゃいます。
ナニーとして、パパ・ママが安心してリラックスできる時間を持ち、それによって前向きに育児に取り組まれる姿を見られるのは、何よりの喜びです。そして実は、親が自分の時間を持つことは、親自身の健康だけでなく、お子さまの成長にも良い影響を与えるのです。
今回は、看護師として、またナニーとしての視点から、パパ・ママ自身が自分の時間を持つことの重要性と、そのための具体的な方法についてお伝えします。
contents
親自身の健康が子どもに与える影響
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パパ・ママがストレスを抱えるとどうなる?
育児中、忙しさや疲れから、ついお子さまに「なんでそんなことするの!」と強い口調で言ってしまい、後で「もっと優しく言えばよかった…」と後悔した経験はありませんか?
私自身、これまで多くの親御さんから、「ストレスで余裕がなくて、子どもにイライラしてしまうんです…」というお悩みをお聞きしてきました。
ストレスや疲れがたまると、パパ・ママ自身が笑顔を忘れてしまい、いつの間にかお子さまとのコミュニケーションがぎくしゃくしてしまうこともあります。子どもは親の気持ちに敏感なので、そんな変化を察知して不安を感じたり、かえってわがままを言うことで注目を引こうとすることもあります。
特に幼い子どもは、親の感情を敏感に察知し、不安を感じることがあります。パパ・ママのストレスは、お子さまの心理や行動にも影響を与えるのです。
パパ・ママ自身が健康であることのポジティブな影響
逆に、パパ・ママが心身ともに健康でリラックスしていると、お子さまは安心して過ごすことができます。例えば、パパ・ママが笑顔で「おかえり!今日は何をして遊んだの?」と声をかけると、お子さまは自然と「今日はね、公園で〇〇さんと一緒にお砂場で遊んだんだ!」と嬉しそうに話してくれます。
また、リラックスしていると、子どもが予想外の行動をしたときにも、「どうしたのかな?」と落ち着いて向き合うことができるようになります。例えば、子どもが突然おもちゃを投げたとしても、冷静に「どうして投げちゃったの?」と、子どもの気持ちをじっくり聞き出す余裕が生まれます。
パパ・ママが余裕を持って接することで、子どもは「自分のことをしっかり見てくれている」と安心感を得ます。そして、その安心感は子どもの心を育てる土台になります。
また、パパ・ママの健康的な生活習慣や前向きな姿勢は、お子さまにとっても良いお手本となります。
パパ・ママ自身が自分の時間を持つことの意義
育児の中で「自分の時間」を持つことは、心身をリフレッシュするために欠かせません。
慢性的なストレスが与える、心身へのさまざまな影響
ストレスが長期的に溜まることで、以下のような影響があります。
①情緒不安定
ストレスが慢性化すると、イライラしやすくなったり、不安感や焦燥感が強くなることがあります。これは、ストレスホルモンであるコルチゾールが長時間にわたって高い状態を保つためです。これにより、感情をコントロールしづらくなったり、親としての役割に対する自己否定感が増すことがあります。
②うつ状態やバーンアウト(燃え尽き症候群)
慢性的なストレスは、無気力や疲労感を引き起こし、育児への意欲が低下することがあります。これが進行すると、うつ状態やバーンアウトにつながることもあります。
③自律神経の乱れ
ストレスが長引くと、自律神経のバランスが崩れ、不眠や頭痛、倦怠感、胃腸の不調など、さまざまな体調不良が現れることがあります。特に睡眠不足が続くと、体力が回復しづらくなり、負の連鎖に陥りやすくなります。
④免疫力の低下
慢性的なストレスは免疫機能を低下させ、風邪や感染症にかかりやすくなります。
⑤心疾患や生活習慣病のリスク
ストレスによって血圧が上昇したり、血糖値が乱れることで、心疾患や糖尿病などの生活習慣のリスクが高まる可能性があります。また、ホルモンバランスの乱れにより女性は月経不順が起きることもあります。
今まで慢性化したストレスが心と身体に与える影響について記載をしました。もしすでに、上のような症状がある場合は、専門機関の受診をお勧めします。
「休むこと」は自己ケアの第一歩
休むことでストレスホルモン(コルチゾール)が減少し、リラックスした状態が作られます。その結果、子どもとの時間をより楽しく充実したものにすることができます。
睡眠時間をいつもより長く確保することも「休むこと」に入りますが、睡眠以外で心身をリフレッシュし、ストレスを軽減する方法もあります。下に記載をしますので、参考にしてくださいね。
子どもにも良い影響を与える
パパ・ママ自身が自分の時間を確保することは、子どもの成長にも良い影響を与えます。例えば、親が趣味や休息の時間を持つことで、子どもも自分で遊ぶ時間や親以外の人と過ごす時間を経験できます。これが子どもの自主性や社会性を育むきっかけになります。
社会とのつながりを持つことの大切さ
親自身の心の拠り所を作る
育児中のパパ・ママにとって、社会とのつながりを持つことは、精神的な安定を得るためにも重要です。地域の活動やオンラインコミュニティなどに参加することで、孤独を感じることが少なくなり、悩みを共有できる環境が整います。
子どもにとってのメリット
パパ・ママが社会とつながりを持つことで、子どもも他の大人や子どもと触れ合う機会が増えます。この経験が、子どもの社会性やコミュニケーション能力を育む助けになります。また、親が生き生きとした姿を見せることで、子どもも安心して新しい環境に挑戦できるようになります。
自分の時間を最大限に楽しむ方法を紹介します
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電車での移動中や、お子さまが寝た後などに実践できる方法を考えてみました。1日数分から数時間、積極的に取り入れてみましょう。
身体を動かしてリフレッシュ
・短時間の散歩
家の近くや公園を10分〜15分歩くだけでも、気分転換になります。季節を感じながら自然の中を歩くことでリラックス効果が得られ、ストレスが軽減されます。目的を作らずに、ふらっと歩いてみましょう。
・ヨガやストレッチ
家でもできる軽い運動で体をほぐすことができます。特に深呼吸を取り入れた運動は、心を落ち着かせるのに効果的です。
好きなことに没頭する
・読書
お気に入りの小説やエッセイ、漫画を読む時間を確保することで、日常の忙しさから一時的に解放されます。
・映画やドラマ鑑賞
笑ったり、感動したり、自分の気分に合ったものを選んでリラックスをしましょう。
・趣味の時間を作る
編み物、絵を描く、ガーデニングなど、自分だけのクリエイティブな時間を楽しみましょう。
人との繋がりを活用する
・友人や家族との会話
育児の話だけでなく、何気ない日常の会話によって感情がほぐれることもあります。
・趣味のコミュニティや習い事
大人だけの交流の場に参加をすることで、育児以外の自分を見つめ直す時間を作ることができます。
自分を癒すための特別な時間を作る
・お風呂でリラックス
ゆっくりと入浴する時間を持ちましょう。好きな入浴剤を入れ、ゆっくりと湯船に浸かることで副交感神経が優位になり、休息することができます。
・カフェタイム
数十分から数時間、育児など日々のことを忘れてカフェでゆっくりしてみましょう。
自分の時間を確保するための方法
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ベビーシッターやナニーの活用
プロのサポートを受けることで、安心して子どもを預け、リフレッシュの時間を作ることができます。信頼できるサービスを選ぶために、短時間から試してみると良いでしょう。ポピンズのナニーは、子育てのプロフェッショナルと言われる、クオリティの高い教育的ベビーシッターです。是非、お気軽にご利用ください。
自治体や地域のサービスを活用
自治体が提供する一時保育やファミリーサポートは、経済的な負担も少なく利用しやすい選択肢です。一時保育は、短時間だけ手を借りたい場合に利用でき、ファミリーサポートでは、地域の協力者が子育てを支援してくれます。また、地域の子育て支援センターでは育児の悩みを相談したり、情報を得ることもできます。
家族や友人の協力を得る
家族や親しい友人にサポートを依頼するのも一つの方法です。「特定の時間だけお願いする」など具体的なリクエストをすることで、頼みやすくなります。
親向けのリフレッシュプログラム
地域で開催されている子育て支援イベントや、オンラインのコミュニティに参加することもおすすめです。同じ立場の親どうしの交流で、孤独感が軽減され、リフレッシュにつながります。
このようにサポートの種類はたくさんあります。一番大事なのは、頼ることの罪悪感を減らすことです。看護師の視点から見ても、「パパ・ママが疲れ切ってしまうこと」はご自身にとっても、お子さまにとっても健康的ではありません。ぜひご自身のライフスタイルに合った方法を検討してみましょう。
まとめ:パパ・ママが自分を満たすことが子どもを幸せにする
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パパ・ママが自分自身を大切にすることは、決してわがままなことではありません。それは、子どもにとっても幸せな家庭を作るための第一歩です。一人で頑張りすぎず、周囲のサポートを活用しながら、自分の時間を持つことを意識してみてください。
私たちナニーはいつでも親御さまの味方です。
この記事を通じて、親御さまが少しでも育児の負担を軽減し、心に余裕を持てるきっかけとなれば幸いです。
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この記事を書いた人
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- Naoka
- 看護師、保育士、養護教諭の資格を持つナニーとして活動しています。これまで保育園や小学校、放課後デイサービスなど、さまざまな現場で経験を積んできました。現在ナニーのお仕事をしながら、療育施設にて自閉症スペクトラム症のお子さまたちの支援に取り組んでいます。